本。座右の寓話

今日は本の話。『ものの見方が変わる 座右の寓話』(戸田智弘、ディスカバー・トゥエンティワン)を読んだ。

辞書によると寓話とは、「登場させた動物の対話・行動などに例を借り、深刻な内容を持つ処世訓を印象深く大衆に訴える目的の話」らしい。この本ではもっとざっくりと、「何らかの教訓を読みとることができれば、それは広い意味で寓話だと解釈」し、77の話を紹介している。

知っている話もあれば知らない話もあり、話だけでも面白かったのだが、1話1話の後に著者の解説もあり、そちらも勉強になった。

個人的に一番心に響いた話は、「大きな岩と小さな岩」だった。有名な話なので聞いたことのある人も多いと思う。

授業中、先生が壺の中に岩をいっぱい入れて「この壺は満杯か?」と問う。学生は「はい」と答える。先生は砂利を取り出しその壺に入れ、また「この壺は満杯か?」と問う。学生は「多分違うだろう」と答える。その後先生は同じように砂、水を入れ、最後に「僕が何が言いたいのか分かるだろうか」と問うものだ。

私は最初、「限界を簡単に決めてはいけない」とか「考え方を変えればまだまだ入る、隙間に詰め込める」とかそういう意味の話なのかと思っていた。しかしそうではなく、

「大きな岩を先に入れない限り、それが入る余地は、その後二度とない」

ということを言いたい話だったらしい。「大きな岩」とは「自分にとって大事なもの」。それを自分の壺に最初に入れておかないと、永遠に失うことになるよ、という話だったのだ。

大事なことを間違ってはいけない。優先順位を間違ってはいけない。私にとって一番大事なのは、家族が健やかに生きていけることだろう。その時その時でやりたいことはあり、ついそちらを優先しそうになるが、一番大事なのは家族だということを常に忘れてはいけないのだと思う。

ちょうどnoteを書いたり、今まで以上に本を読んだりと新しい習慣を作ろうとしていた時にこの話を読んだので、衝撃が大きかった。そちらもできる限りやればいいが、家族のことを蔑ろにしてはいけない。教訓を得た話だった。

読んで「なるほど」と思う寓話は沢山あったのだが、その中でも「心に響く」話というのは、もしかしたらその時その時で違うのかもしれない。今の自分と関わりの深い寓話なら響くし、そうでないなら「へぇ」と思って終わりだ。

たまに読んでみて響く話が何なのかを知れば、今の自分の状態を知ることに繋がるかもしれない。


ではまた明日。