観天望気

あの山に笠雲ができていたら雨だ

とか

猫が顔を洗うと雨だ

とか。

「自然や生き物を観察して天気を予測すること」を、観天望気と言う。

科学が発達して全員が簡単に天気予報を知れるようになった現代。こういうものって、無くなっていく一方なのではないだろうか。もっといえば、天気に限らず言い伝えというもの全般に、無くなっていく傾向にあるのだと思う。

たまたま誰かの研究対象になれば、「その地にこんな言い伝えがありましたよ」というのは残っていくかもしれない。でも、我が家の辺りがそんな研究対象になることはないだろう。

おそらくこういう話を知っているのは私の祖父母世代辺りまでで、父の世代になるとほとんど残っていない気がする。今のうちに聞いた方がいいのではないか。ふとそんなことを思った。

あれから約20年。この間、誰かに聞くことは無く。ようやく祖母に聞こうかなと動いてみた。今回聞いたのは天気のみ。聞けたのは3つだけで子どもの頃から聞いたことのある話ばかりだったのだけれど、せっかく聞いたのでnoteにも書こうと思う。

祖母が昔の人に聞いたという天気の話。

・葉っぱが風で裏返しになると天気が悪くなる

落ち葉でもササでもなく、普通の木についている葉っぱ限定らしい。風で裏が見えると雨。下から吹き上げる風、ということなのだろうか。


・夕焼けの色がパッと赤いと雨が降る

これは祖母以外からも聞いたことのある話。実際に空気中の水蒸気が多いから赤くなるらしく。天気が悪くなるらしい。


・北の空が暗かったら雨

東西南にそんな話はなく、北限定らしい。あの地は北から天気が悪くなりがちなのかというと、そうでもないと思う。一番開けているのが北側で、空が見やすいというのはありそうな気がする。


今回聞けたのはこの3つだった。全部雨に関する話。天気の中では「雨が降るかどうか」が大事ということなのかな。

おそらくこういうのって、地元密着型というか。その地その地に合ったものが残っているのだと思う。こういう言い伝えも知っていた方が、いざという時その土地で役にたちそうな気はしている。他の人にも話を聞けたらいいのだけれど、そこまでの行動は起こせないかなというのが正直なトコロ。知っている人が減っていく一方ってのはわかっているのだけれどね。


最後に番外編で、天気は関係ないけどロマンのある話をひとつ。

実家の近所の山の中、日の当たる馬酔木の木の下に宝物が埋まっているらしい。

子どもの頃に聞かされて、ワクワクしたのを覚えている。本当に埋めた人がいたのかわからないけれども、祖母が自分より前の世代の人に聞かされた話らしい。

自分が何かを埋めておいて、それを後の世代に伝えるのも面白そうだなと思う。後の世代の人が見つけて価値があるもの、面白いもの。何がいいんだろうね。


ではまた明日。