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「ゲーム運営と生存者バイアス」の話

この画像を知っていますか?


第二次世界大戦で帰還した戦闘機の写真です。
黒いところは「平均的な被弾した場所」です。
この写真を見た偉い人は「帰還する戦闘機を増やすために改良せよ!」と指示を出しました。

さて、どの部分を強化すれば良いでしょうか。

被弾している場所というのは面積が大きく被弾しやすい場所なので、鉄板などで補強してダメージを最小化する。

もしかしたらこの考え方を一番初めに思いつくかもしれませんが、実際は「被弾していない場所を強化する」が正解です。
なぜなら、この写真は「帰還した戦闘機の写真です」つまり帰還できなかった戦闘機は、この写真で被弾していないところに被弾したため帰還が叶わなかったのです。
これを「生存者バイアス」と言うみたいです。

ゲーム運営にも当てはまる?


私は運営型のゲームを作る仕事をしています。
15年程度「基本無料/アイテム課金」のゲームを作って運営しています。
無料なので簡単に始めるのですが、つまらないとすぐに辞めてしまします。
では私がゲームを続けてくれてくれているユーザーのデータをスタッフに見せて「ゲームを遊び続ける(辞めない)ユーザーを増やしてくれ!」と言ったらどのような動き(どんなことを誰に聞くのが)正解でしょうか?

どんなデータを見る?

ゲームを辞めるときほとんどの人は「無言」で辞めます。
時としてSNSで「面白くないから辞めた」「難しから辞めた」「飽きたからやめた」等、ヒント(答え?)を書いてくれるユーザーもいますが、基本的んはサイレントで辞めていきます。

ゲームを辞めてしまった人に「なんで辞めてしまったんですか?」と聞くことは現実的に難しい(手段がない)のが現実です。なので

現在ゲームを続けている人に聞きます。

そこで、どのような事を聞くのがいいのでしょうか。
例えばアンケートで下記のような質問をしてみましょう。

①このゲームのどこが面白いですか?
②このゲームのどこが面白くないですか?

これを「生存者バイアス」に当てはめると「②」が正解ですね。

ですが

本来であればここで終わりなのですが、「②」を改修して新規のユーザーが辞めなくなる。と言うことが理想ですが、これが中々うまく行きません。なぜなら「これが正解」という確証に至るまでの道のりが長すぎるからです。※つまり改修が無駄に終わることが度々ある。

逆に現在プレイしているロイヤルユーザーの満足度を上げることや、ストロングポイント(このゲームの面白いところ)を強化することによりゲーム全体が良くなることが多々あります。

ですので、ホントの正解は「①」の答えで出てくる「面白いところ」を「さらに面白くする」となります。


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