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岡崎塾4期生キックオフミーティング

2008年11月3日、岡崎塾4期生のキックオフ・ミーティングがトレンド・プロのオフィスで行われた。参加メンバーは、塾長・岡崎、トレンド・プロ副社長三好、新しく岡崎塾の仲間に加わった4期生13名、そして後輩のために多忙の中駆けつけてくれた1期生の小川君、柴田君、2期生の渡辺さん、そして、4期生の入塾を待ち望んでいた3期生の福岡君、渡辺君、土田君、紅林君の総勢22名だ。

15:00には全員がトレンド・プロのオフィスに集合し、ミーティングが始まった。


【塾長岡崎のあいさつ】


岡崎「みなさんこんにちは。今日これだけの人達が集まってくれたことを大変うれしく思います。4期生の選考にはすごく時間を掛けました。これまでの1~3期生は先着順で7名を塾生として迎え入れていたが、もっと良い形で塾を運営していくために、競争率を2倍以上に引き上げて、そこを通過した人達で切磋琢磨していった方が良いと思ったからです。説明会への募集を募ったら、2週間で倍率が2倍を超えて、そこでみなさんもご存知の通り選考を兼ねた説明会と個人面談を行いました。当初はそこで7名に絞り込むつもりだった。でも、会えば会うほど絞れなくなった。この学生はこういう良いところがある、この学生は、今は未熟だけれど、この先こう伸びるだろう、ということが見えてしまってね。そして熟考に熟考を重ねた結果、このように今までにない大人数を受け入れることになった。これは私にとっても新しい挑戦です。

ただし、申し込みのあった人全員を受け入れたわけではなく、16名中3名は不合格にさせてもらった。理由は、変わろうとする強い意志が見受けられなかった学生、診断テストの結果で異常値が出た学生、周りに流されてノーと言えない学生の3名です。岡崎塾は7名1チームで活動しますが、そういう人は、必ず周りに迷惑がかかる。就活のテクニックに走ったり、途中で逃げ出してしまう訳です。人生はその場の壁からは逃げられても、一生は逃げれません。あることから逃げると、その先の人生でより大きな問題となって、必ずまた現れる。形は違うとしても本質は同じ問題です。自分の弱さに対してしっかり自分と向き合えない弱さ。だから「目の前の壁から逃げ出さない」心を社会に出る前に身に付ける。そういう強い意志がないと成長できない。そこだけは選考で見ておきたかった。募集は継続して、もう少しメンバーを増やして指導していきます。

私は3年前から岡崎塾を通じて学生の指導をしていますが、塾生本人から大きな成果と満足感を得たと全員から聞いています。嬉しい限りですし私自身、学生を大きく成長させる自信もあります。変わる人はすごく変わる。変わる人の中にも、一言で変わる人もいれば、少しずつ徐々に変わる人もいる。でも悪くなる人はいない。私は生きてる時間の半分をこの岡崎塾の活動に使って全力で取組んでいるんです。プライベートの時間でも「カーネギーがこんなこと言ってたから、あの塾生にはこう指導しよう」とか、「あの塾生にはこのCDを勧めてみよう」とかそんなことばっかり考えている。その結果、多くの塾生が本当に大きな成長を遂げてくれているし、私自身もものすごく成長できる。感動の連続だし、塾生もそれに応えて熱い言葉をMLに流してくれて、それを読んだ他の塾生たちが泣いてしまうくらい感動したりする。

岡崎塾は、全く縁のなかった7人が集まり、切磋琢磨しながら泣いたり笑ったりして成長していく。若者が半年間で劇的に成長する姿は、まさに「さなぎからチョウ」の如しである。そんな人の成長ドラマに立ち会えることは、人生最高の喜びである。だからこそ続けられるんだと思う。

4期生の諸君、共に学び、共に成長しましょう!


【1~3期生あいさつ】


岡崎のあいさつに続いて、後輩のために駆けつけた1~3期生が自己紹介とあいさつをしていった。

岡崎「じゃあ、まずはOB・OG塾生にあいさつをしてもらって、そのあとに4期生の皆さんから自己紹介をしてもらおう。まずは小川君。わざわざお休み中名古屋からありがとう。この塾は私と小川君で作ったようなものです。1期生のリーダーとして活躍してくれた後にも、未だに後輩を熱心に指導してくれている。今日もみなさんの指導育成のために、はるばる名古屋から来てくれました。」

小川君「みなさん、はじめまして。1期生の小川です。今は大手食品メーカーに勤務しています。今日は皆さんが主役ですので、どんどん発言してもらって、闊達な議論の場にしていただければと思います。どうぞよろしくお願い致します。」

岡崎と小川君のあいさつに続いて、1,2,3期生の塾生が、順々にあいさつをしていった。特に、今回の4期生の募集にあたって中心的な役割を果たした3期生は、4期生を無事迎え入れることができた喜びはひとしおだったようで、熱いメッセージを4期生に送っていた。その一例として土田

君のあいさつを抜粋しよう。

土田君(岡崎塾3期生)「こんにちは!今、みなさんがこうして集まってくれて、興奮しています。人事の人もきっとこういう気持ちなのかなと思っています。募集や選考にあたっては、どこかでみなさんをお客様だと思っていましたが、今日からもうそれはやめます。これからは、同じ塾で学ぶ仲間として、ハートとハートでぶつかっていきたい。私もみんなと一緒に学んで成長していきたいと思っているので、先輩・後輩の差などは気にせず、フランクに接してください!それと、一つ皆さんに伝えたいことがあるのですが、この岡崎塾の素晴らしい環境を当たり前だと思わないで欲しい。岡崎塾長や、三好さん、すでに社会人になっている1,2期生の先輩方、多くの人がみなさんのために時間やお金を使ってくれている。これは大変ありがたいことです。そういうことに感謝しながら、みんなで一緒に成長していきましょう!」

最後にトレンド・プロの副社長であり、岡崎塾事務局として岡崎塾の運営にも尽力している三好からあいさつがあった。

三好「小川君達から始まって、岡崎塾も4年目を迎えました。塾長も毎年迷っています。指導方針であるとか、お金のこととか、日々模索しています。そして、日々模索しているということは、日々進化し続けているということです。日々進化する岡崎塾長や岡崎塾の勢いに負けないように、みなさんもがんばってください!」


【4期生自己紹介】


OB達のあいさつが終わると、いよいよ本日の主役である4期生が自己紹介をする番だ。

岡崎「次は4期生にあいさつしてもらう。会場に最初に来た人から時計回りで、自己紹介していってください。」

会場に一番早く来ていたのは、筑波大学大学院に席を置く、窪田君だった。彼から順々に個性豊な4期生の面々が自己紹介をしていった。

窪田君「みなさん、本日はありがとうございます。筑波大学大学院1年の窪田です。大学院では英語教育コースに所属しています。小学校からずっとサッカーをやっていて、今は選手としては引退して、子供達にサッカーを教えています。そういう経験もあって、先生になりたいと思って今のコースを選びました。院に入ったら、夢に燃える熱いやつばっかりだと思っていました。ところが実際は、院生になってまで授業を休むヤツ、何で教師になりたいのか?と尋ねると、安定しているからと答えるヤツなども多く、拍子抜けしてしましました。そして、私自身も学校の先生はやりたいこととずれているのではないかと感じはじめ、一度は民間の会社に入って自分を磨くことを決意しました。おそらく4期生の中では最年長の23歳ですが、年齢は気にせずフランクに接してください。私は自己啓発本を読むのが好きで、その中で出会った吉田松陰の「至誠」という言葉が座右の銘です。吉田松陰が主宰していた松下村塾の塾生が、松蔭に“何か大きなことをしたいのですが、どうずれば良いですか?”と尋ねたとき、松蔭は“至誠をつらぬきなさい”と答えたそうです。目の前のことに誠意を持って全力を尽くすことの大切さを学び、それ以来、大雑把な私ですが、飼っている鳥の世話や洗濯など、雑事にも全力で取組むようになりました。あと、御覧になってわかるようにうるさいので、うるさかったら遠慮なくうるさいと言ってください(笑)」

坂本君「法政大学3年の坂本です。出身は広島県、広島市で、産まれたときからカープファンです。入塾動機は、自分の可能性を“高めたかった”からです。私は大学に入ってから3年間は自分の可能性を“広めよう”と思って活動してきました。1年生の時は、規模の大きいサークルに入り、2年生の時は経営学部の生徒会のようなものに入り、3年生の時はそこでプレゼンテーションの大会の局長を務めました。今まではいろんなことに手を出して可能性を広めるように努めてきましたが、これからは自分のやりたいことを見きわめて、それを高めていきたいと思います。この13名の中で切磋琢磨して成長していきたいです。」

腰塚君「首都大学東京3年の腰塚です。私は自分の“芯”を強くしたくて岡崎塾への入塾を希望しました。今までもサッカーやアルバイトなどに自分なりに真剣に取り組んでは来たのですが、どうしても自分自身に対する自信が持てずに悩んでいました。岡崎塾での活動を通じて自分を変えていき、人生に対する揺るがない軸を持てるようになりたいと思います。」

臼井君「東京外国語大学特化コースの臼井です。特化コースというのは5年間で修士の資格が取れるコースで、私はそこで英語教育について勉強しています。昔から英語を勉強していたのですが、大学に入学してからも改めて英語の魅力を感じ、熱心に勉強してきました。私が岡崎塾に入った理由は、就活を1人でやるよりも、チームでやりたいと思ったからです。チームでやることで、1人でやるよりもずっと多くの経験が得られるということに大変魅力を感じています。結構何でも主体的に取組むタイプですので、この岡崎塾でも皆さんに良い影響を与えられるようがんばっていきたいと思います。」

大口君「どうも始めまして。早稲田大学教育学部の大口です。出身は愛知県名古屋市です。家族が海外旅行が好きで、年に2、3回は海外へ行っていました。そういった環境のおかげで小学校5年生から英語を勉強しはじめ、中学校1年生のときには国際交流委員会に所属していました。そして2年生の時にはマレーシアへの短期留学し、一ヶ月間体験プログラムに参加しました。さらに高校では2年間アメリカへ留学したのですが、このとき英語で挫折を味わいました。今まで勉強していた自信があって、日本人の少ない地域に留学したのですが、ネイティブの言っていることがさっぱり分からないし、こちらの話もすこしも通じませんでした。そこで、カルフォルニアに移ったんです。そこにはアメリカ人はあまりいなくて、中国人・韓国人が多く、言葉も通じるし、環境になじみました。しかし、自分の中で最初の環境から逃げたという後ろめたい気持ちが拭い去れず、自信のない自分を変えたいと思って入塾しました。すでに夏から就活をはじめ、いくつかインターンに参加したのですが、やればやるほどわからなくなってしまいました。マニュアル通りに就活するのも違うのかなと感じはじめました。」

小山内さん「成蹊大学経済学部の小山内です。計算や会計はすごく苦手ですが、戦略やマーケティングなどに興味があって、そちらを学んでいます。あと、英語が好きなので、国際コースを選択しています。出身は中野で、アロマテラピーが趣味です。昔からハンドクリームのようなにおいがあるものが好きで、アロマテラピーの資格も取りました。将来は海外のアロマ関係の専門学校に行ったり、自分のお店を持ったりしたいと思っています。私は就職活動自体があまりぴんと来ていないし、不安があります。就活をやるのならばマニュアル通りやるのではなく、成長のチャンスにしたいと思っていたときに、ちょうどmixiで岡崎塾の告知を見て申し込みました。お互いに本音で言い合える仲間達と一緒に成長していきたいと思っています。」

武蔵さん「首都大学東京・大学院に通っています武蔵です。私は自信がなくて、大学院に行くことで自信をつけようとしました。しかし、実際に大学院に合格してみると、以前とまったく変わらない自分がいました。そんな方法では自信をつけることは出来ないとわかりました。しかし、自分の目指す自信とは何かを分かったのに、夏休みにまた同じ過ちを犯して自信をつけるためにインターンに申し込んだりもしてしまいました。それなり成果は残しましたが、自信をつけるには至っていません。私はどちらかというと直感で行動するタイプで、試しに参加した説明会で塾長の“塾生と一生付き合っていきたい”という姿勢に魅かれて入塾しました。夏までは都市計画のコンサルタントに興味がありましたが、コンサルに就職したいのか、自分がコンサルになりたいのか、まだ分かっていません。これは大きな違いだと思い、迷っています。」

佐藤さん「日本女子大学食物学科の佐藤です。中学校の頃から栄養、美容に興味がありました。最初は自分自身も悩んだから美容の方に惹かれていたのですが、学校での実習を通じて、食べ物のおいしさを高めて人に喜んでもらうということに喜びを感じ、栄養からおいしさで喜ばせるというほうに興味がシフトしていきました。まだ考えている途中ですが、食品メーカーで今までにないものを作って人を楽しませるということに関心があります。私は今までを振り返ると、楽しい瞬間、成長した瞬間、反省した瞬間、悲しくなった瞬間、すべて人が関わっていました。自分の中で人と接するということがとても大事なんです。だからこそ、就活も一人の世界に閉じこもるのではなく、みんなの意見を聞きながらやっていきたいと考えて入塾しました。自信がなくて、下向きになってしまうときはあるけれど、そういうところを変えていけたらと思います。自分を嘘偽りなくアピールできる人間になりたいです。そのためにも自分のことを棚にあげてでも、どんどん意見してください。」

田中君「今日来るときに、電車にネクタイを置き忘れた慶応大学経済学部の田中です。このネクタイは来る途中にコンビニで買ってきました。私は今4年生で、去年は国家公務員を目指して勉強していました。筆記試験は通過したのですが、残念ながら面接で落ちてしまいました。そこで、何で良くなかったのかということを真剣に考えた末、いつからか自分が考えることをサボるようになっていたということに気付きました。例えば大学に入るときもなんとなくだったし、それ以降も自分で何かしようと考えることも余りありませんでした。それが面接に落ちてしまった原因かなと感じており、岡崎塾ではそこを改善したいと思っています。あと、私もずっとサッカーをやってきていて、みんなで何かを達成したいという思いがあります。みんなでがんばりたいと思っているので、よろしくお願いします。」

宮澤さん「日本女子大学食物学科の宮澤です。同じ日本女子大学の佐藤さんとは少し違って、私は食物学専攻です。大学時代はとりあえず楽しもうと思って過ごしていました。サークル、バイト、遊びにかなりの時間を使っていました。しかし、最近になって就活をはじめ人生について考えるうちに、大学時代に自分が何もやってなかったと気付いて後悔しました。そこで、残りの学生生活を有意義に使って、もっと成長したいと思って岡崎塾へ参加しました。私はやりたいこともまだ決まっていないし、自分の軸がないです。そういうものをここで探したいと思っています。まずはもっとしっかりと人生とか自分について深く考えるのが自分の課題です。あと、説明が下手で、うまく言いたいことが伝えられないと感じているので、岡崎塾を通じてうまく思いを伝えられるようになりたいです。」

任君「早稲田大学社会学部の任です。名前からも分かると思いますが、私は在日韓国人です。私は4年生で去年も就職活動をしていたのですが、このことは面接では隠していました。小・中学校は朝鮮人学校に通っていたということも面接では言っておらず、第一志望だった化粧品メーカーにも落ちてしまいました。今は言っておけばよかったと後悔しています。それでも結果は変わらなかったかもしれませんが、自分に嘘をついていては、自分に本当にあった会社とは出会えないと思います。就職浪人を決めた今年、3期生のFさんと出会って岡崎塾の存在を知りました。入塾理由は自分に嘘をつかない人間になるためです。就活をしてみて、人事に嘘は見抜かれるが、熱意は必ず伝わると分かりました。今後は岡崎塾で正直さ、素直さ、主体性を鍛えていきます。」

大石さん「明治大学商学部の大石です。私の入塾理由は2つです。私は何かする時には環境が大事だと思っていました。それは就活も同じで、そのための環境を考えたときに岡崎塾が非常に魅力的に感じられたのが一つ目の理由です。2つ目の理由は、経営者会報ブログのパーティーで3期生の福岡さんから岡崎塾の紹介を受けたあと、しばらくして3期生の紅林さんが私の兄の友人だということがわかり、何か逃げられない縁を感じたからです(笑)大学ではゼミ活動に力を入れており、趣味は音楽です。聴くのも演奏も好きで、楽器はピアノ、パーカッション、オーボエ、サックスをやっていました。聴く方はビックバンドのジャズが好きです。それと、ラーメンが好きで、多いときは週3回ラーメンを食べに行きます。おいしいお店があれば紹介してください。」

嘉信さん「東京大学経済学部の嘉信です。富山県で田んぼと山に囲まれて育ちました。受験のためにはじめて東京に来て山手線を使ったとき、人がたくさん乗っていて、母親に“次にしよう”と言って“次も同じだよ”と言われた思い出があります。今まで自分の中では勉強が軸でした。常に他人と自分を比較していて、そこで劣ったらという恐怖感を感じていました。客観的な評価で自分を判断してばかりだったので、自分の理想というものがありません。自分を自分の軸で評価できるようになって、自分に自信を持ちたいと思っています。私の中では小、中、高と先生の存在と仲間の存在が大きかったため、師である塾長と意識の高い仲間の集まる岡崎塾に入塾を決意しました。議論などを通じて、自分に自信を持ち、地に足をつけた人生を歩みたいです。」

4期生の面々の自己紹介は実に堂々としていて素晴らしかった。“自信がない”という悩みを抱えるものが多い4期生だったが、そんなことは微塵も感じさせないスピーチの連続だった。

岡崎「今までは塾生は野球をやっていた人が多かったが、サッカーのほうが多くなったな。それにしても、みなさん自信がないないという割には非常に堂々としている。全体的に自信がないという方が多かったが、話している内容は非常に伝わってくる。

みなさんが自信がないと言うのは嘘ではないと思うが、人生では相手にどう伝わるかが大事だ。フィードバックとしては、みなさん自分が思っている以上にちゃんと自分の思いを伝えられているよということかな。武蔵さんなんか、むしろ自信家に見える(笑)」

武蔵さん「よくそう言われるんですけど…」

岡崎「人生って他人評価なんですよ。会社に入るのも、恋愛も、結婚も、昇進も、全部他人が決める。他人からどう見られているかっていうのがとても大事。かと言って、もちろん他人を気にしすぎてもいけないのだけれどね。この塾のいいところは、自分以外の人が自分の話について真剣に耳を傾け、どう感じたかそのフィードバックをくれるというところなんだ。普通は利害関係があったり遠慮したりで、なかなか正直なフィードバックを得られる環境というのはない。しかし、ここではみなさん感じたことを正直にフィードバックしてあげるんだ。それによって自分を客観視できるんだ」

ここで少し小休止をとることになった。


【原理原則を学ぶ】


10分間の休憩の後、岡崎から岡崎塾の目指すものや、これから先学んでいくべきことについての説明が始まった。

岡崎「まず、資料の1Pと3Pを読んでください。」

一同はあらかじめ配布されていた資料を各々黙読した。
しばらくして全員が資料を読み終わったことを確認すると、岡崎はゆっくりと話し始めた。

岡崎「この3年間、私はずっと、どうしたら人間って成長するんだろうということに興味を持ってきた。自分のことも人のことも、だ。例えば、小・中・高とリーダーだったのに、それ以降あまりぱっとしない人がいるのはなぜだろうとかね。そして興味の対象が自分から、自分の子供や皆さんに移ってきたんだ。岡崎塾はどういう状況で人は成長するのかという実験室かもしれない。ここで学んだ学生の中にも、社会人になってからも成長し続ける人、そうでない人、あがったり下がったりする人。色々いる。そこでわかったことがある。「それは原理原則を学び、それに沿って行動する」ということが大事だということです。

時代は絶対変わっていく。例えばここ1ヶ月くらいものすごく景気が悪いと言われているよね。でも、そういうときに“だからどうすりゃいいんだ?”と考えないほうが良い。時代が変わろうと、会社の景気が良かろうと悪かろうと、微動だにしないことが大事。なぜなら時代や景気なんてものは、自分ではコントロールできないから。実は、多くの人間の悩みは、他人との比較か、自分でコントロールできないことのどちらかなんです。自分でコントロールできないことを悩むときついよ。覚えておいて欲しいんだけど、自分が悩んでいるときに他人との比較か、自分でコントロールできないことだったら、それに対する対処は簡単で、悩むことをやめるということしかない。そういう教えは古典などによく見られる。

古典が生き続けているというのには理由がある。人間というのは必要なものしか残していないからね。文学でもシェークスピアとか、ドストエフスキーとか、そういう時の淘汰を経て生き残っているものには、普遍的な原理が含まれているんです。そしてそれが原理原則なんです。その原理原則が分かってしまえば、日常の悩みがちっぽけなことに思えてくるはずです。私はみなさんにまずはそういうものを学んでほしいし、受け入れてほしいと思う。会社が変わろうと、時代が変わろうと変わらないもの。それが原理原則だ。常に原理原則に立ち戻って考え、行動する。これが成長するための条件だ。

戦後や、バブル崩壊以後と今は、社会状況が確実に違う。戦争体験者の方々が苦労して、その次の世代であるみなさんの親世代は少し裕福になった。そして親の世代が子供に苦労はさせまいとさらに頑張ったおかげで、みなさんの世代はよりいっそう豊かになった。食える、食えない以前に、誕生日やクリスマスには何でも欲しいものが買ってもらえる。過去を振り返って見てもこういう時代はないんじゃないか。戦後経済発展をしていくなかで、ものがなかったから、ものをちゃんと売る会社に入れば、ものが売れた。それがずーっと続いてきて、バブルといわれる1991年までは、踊り場はあったものの、必ず右肩上がりに上がってきた。その頃までは、教科書に載っているような正しい経営をしていれば、必ず成長があったので、大手企業に入れば安泰だった。それが80年代後半になって、バブルになりそしてはじけて、状況は一転した。今は、これまでの考え方、常識とまるで違うと考えたほうが良い。普通に正しい教科書に書いてあることをきちっとやればうまくいく時代はもうないだろう。

では何をよりどころにすれば良いか?それが原理原則なんだ。しかも原理原則というのはシンプルで、そんなに複雑じゃない。例えば、MBAでは数百パターンのマーケティングとか、膨大な量のケーススタディを勉強するけれど、今までの常識の通用しない現代ではそういう知識は通用しないんだ。それよりも2000年、3000年前から言われている原理原則だ。私が今まで実践で学び続けてきた原理原則を元に、なぜ岡崎塾が高い成果をあげるのかということを考えて導きだしたのが、みなさんの資料にもある“岡崎塾就活成功3原則”です。」


【岡崎塾就活成功3原則】


岡崎塾就活成功3原則とは以下の3つだ。

原理原則を教えてくれる師を持つ
直言(ちょくげん)してくれる友を持つ
夢を語り合える一生の友を持つ
岡崎「一番の“原理原則を教えてくれる師を持つ”ということについて。岡崎塾では、私が伝えていることの半分は原理原則で、もう半分は私が経験の中で感じたことを話している。二番目の“直言してくれる友人を持つ”ことについては、現代ではなかなかそういう環境がないかもしれない。岡崎塾では一生付き合っていく仲間が、利害関係を越えて直言をくれる。柴田君も直言をもらったほうじゃないかな?」

柴田君「僕はそもそも積極的な入塾ではなく、昔から仲の良かった小川に連れられての入塾でしたからね。職業観とかはあまりなくて、18時には家に帰って残りは自分の自由な時間に充てたいという、上昇志向とはかけ離れた希望を持っていましたから。みんなから直言の嵐でした(笑)。中でも塾長から言われた“君の今の状態だと絶対にうまくいかない。致命的な欠陥がある”は効きましたね。この言葉を言われたら、変わらざるを得ないと思いました。そこからは少しずつですが成長できていると思います。」

岡崎「今の話は1月~2月くらいかな。その時期になると大体意識が出来てきているんだけど、彼だけはそれが出来ていなかった。そんな彼の状況を周りに“どう思う?”と聞いていった。彼も穏やかじゃないよね。周りは全否定だし。それを3週間続けた。普通なら逃げていたと思う。私も岡崎塾を始めた最初の年だったし、計算なく私の気持ちを本気でぶつけていた。“どんな夢があるのか?”と聞いても、彼の答えは地に足が着いてなく、無理やり出してきたその夢にも全否定した。そこまで言われて落ち込んだと思うんだけど、柴田

君はそこからの立ち直りが早かったね。人は何から逃げるかというと、自分と向き合うことから逃げるんだ。でも、人生では絶対逃げれない。そこから去ることで得られるものなんかないし、逃げてもその後の人生でより大きな問題となって現れる。形は違うけどね。彼は逃げずに、その後すごくいい形で成長し、今は起業したいとまで言ってますからね。感激しました。彼にとって生まれてはじめての大きな壁だったと思う。“岡崎、このやろ~!”と思われたかもしれないけど、私は愛情をもって、損得勘定なしで伝えていたつもりだ。そして彼は見事に乗り越えてくれた。塾長として感無量だ。

三番目の“夢を語り合える一生の友を持つ”。これは小川君に話してもらおうかな。」

小川君「そうですね。自分が入るコミュニティーの温度感ってすごく大事で、その温度が低いと、どうしても自分も冷めてしまう。逆に岡崎塾の温度感って、普通の人が入るとびっくりしてしまうくらい熱いんだ。土田君なんかはその筆頭だね。そういう人達と本音で語り合うことで、成功や原理原則ってすごく近くなっていく。それが夢を語り合える一生の友を持つということの効果かなと思います。」

岡崎「素晴らしいね、ありがとうございます。次に岡崎塾の心得について説明していこう。」


【岡崎塾の心得】


岡崎塾の心得は以下の10項目だ。

塾長岡崎から真摯に学び、価値観の共有ができることが絶対条件
岡崎への呼び方は、「岡崎塾長」とする
挨拶に始まり挨拶に終わる
トレンド社への入退社時は、一番に塾長へ挨拶。社員へも敬意を払う
トレンド社の3原則(挨拶、整理整頓、報告)を順守
【岡崎塾】メールへのレスポンスは、1秒でも早く
一生役立つ「人間力」を身に付け、劇的な向上を目指す
岡崎塾生は、学業以外の活動の中で「岡崎塾」を最優先する
他の塾活動、就活サークル等との掛け持ち禁止
塾長岡崎以外のメンターを持たない
岡崎「1については、良いところだけをつまみ食いしようと思うとうまくいかないからです。全部受け入れること。それが難しいならば、退会したほうが良い。そういう意味で、価値観の共有が出来ることが大事。感覚でもっと学びたいと思うか、合わないと思うか感じてください。頭で考えないほうが良いです。

2については、塾としては塾長と呼んでもらうということで。

3はまさに原理原則だね。何事もそうです。

4は、私に何のあいさつもなく、“いつの間にいたんだ?”“もう帰ったのか?”というのはダメということ。社員も面白い人が多いので、是非仲良くなってください。

5も原理原則ですね。整理整頓は例えば消しゴムのカス。あれを片付けない人がいるけれど、あれは気になる。報告は、ホウレンソウと言いますけど、報告、連絡、相談の中の一つで、会社の場合は悪い報告ほど早くしなさいといいます。例えば、今回もいろいろML(メーリングリスト)を流したじゃないですか? 4期生の中でもレスの早い人と遅い人がいるんです。メールは見たらその場でレスする癖をつけたほうが良い。後でやろうとすると漏れがでる。今すぐは出来ないとしても“了解しました。明日中にはやります”という内容をまず流してしまうこと。これは癖をつけたほうが良いです。会社って、こいつは出来るやつか?出来ないやつか?しか見ていない。では、どこを見られているかというと、こういう基礎を最初は見ます。これはどの会社であっても同じです。私は原理原則を教えていきますが、一方ですでに“決まっている”スキルはドンドン教えていきます。そのほうが抜群に差別化できますから。

今言ったことは6のレスポンスにも関係ありますね。岡崎塾には合同MLという1~3期生、SP生など全部で50名くらいに届くMLがあります。そこで、自己紹介、宣言のようなものを配信してください。早いほうが良いとは言いましたが、一度しっかり考えてください。

7は、就活もそうだけど、社会人になったら人間力勝負だと思います。詳細は書いてないけど、人間力を高めていくと。岡崎塾では岡崎がお勧めする、人間力を高めるオーディオCDBOOKをドンドン紹介していきますからお楽しみに。

8、9、10番は良いですかね。色んな先生がいるとは思うんですが、私の教える伝える中には逆も真なりというもがある。複数の師を持つと皆さんが迷う。例えば、大企業がいいんですか?ベンチャーが良いんですか?という質問。人によって、答えだけ見たら間逆のことを言うということもしばしばある。岡崎塾に入る限りは、とにかく私を信じてついてきてもらいたいと思います。」


【天使の営業ロールプレイング】


岡崎塾心得の説明を終えると、次に岡崎塾で教えられている“天使の営業”を4期生にロールプレイングで体験してもらった。

天使の営業とは、相手の話に100%耳を傾け、効果的な質問によって話題を引き出し、徹底的に承認することで相手に最高に気持ちよく話をしてもらうというものだ。

岡崎「さて、次は7Pに書いてある“天使の営業”です。岡崎塾ではなぜか3月くらいになると全員が営業志望になっちゃうんだよね。営業職にならなくてもいいんだけど、どんな仕事につくのであれ、この天使の営業は非常に役に立ちます。特に人とのコミュニケーションを避けてきた人はマスターして欲しい。営業というと、お客様に頭を下げるとか、ノルマがあるとか、いやなイメージがあるんじゃないかな?どう?」

営業のイメージを4期生達に岡崎が尋ねたところ、次のような声が上がった。

嘉信さん「ヘコヘコしているイメージがあります。」

大石さん「中小企業の人に、大変ということは聞いています。」

田中君「嫌ですけど、避けて通れないと思う。どの世界も自分を売り込むという意味では営業だから。」

佐藤さん「実際の営業はわからないけれど、人と接することが好きなので私はやってみたいです。セミナーでサッポロビールの人の話を聞いたんですが、理不尽な理由で怒られることもあるらしいです。でも、すごく成長できると聞いているので、興味はあります。」

岡崎「大変そうだけど、自己成長のためには避けて通れないって感じかな。臼井君は?」

臼井君「私はやりたいですね。利益が一番出せる場所だということと、相手の問題を発見して手助けするという貢献に興味があります。自分の能力いかんで相手の問題を発見して、提案できるので非常にやりがいのある仕事なのではと思います。」

岡崎「なるほど。私は19歳から営業をやった経験がありますが、未だに営業が大好きです。19歳の時はほんとに何もできなかった。高校時代クラスで指されて、自分の意見を言うのもできなかった。それが縁あって19歳で営業になって、生まれてはじめてものが売れたときの感動というのは、今も昨日のことのように鮮明に覚えている。よく見える景色が変わると言うけれど、本当に周りの空気が変わったのを覚えているんです。営業っていってもいろいろある。みなさんがイメージしていたのは、売れない営業マンですね。逆にどんな営業マンがかっこよく見えるかというと、みなさんイメージあります?」

それに対して、4期生が各々思うところを発表した。

大石さん「お客様に待ってたと言われる人とか、楽しそうにやってる人です。」

嘉信さん「商品に愛着を持って、自信を持ってる営業する人です。」

窪田君「窪田君だから買ってくれるんだよって言われるような営業マンです。」

坂本君「他人の人生にしっかり関わっていける営業マンです。」

任君「いろいろな話を聞いて、現状を把握し、改善を提案できる人です。」

岡崎「素晴らしい。まさにみなさんの言ったとおりです。特に今任君が言った“話を聞く”ということの中に答えがあるんです。私も以前は“もっとしゃべるスキルを上げないと”と勘違いしていて、なかなかトップになれない時期があった。実はどの業界でもトップセールスになる人は、一番人の話を聞く人なんだ。しゃべるセールスは売れない。不思議と話を聞く人のほうが売れるんですよ。これを知ったときは愕然としましたね。自分は何をやってたんだと。長くトップを取る人は必ず聞き上手。保険を売るとするでしょ? 保険ってどの会社も内容はあんまり変わらないんですよ。そうすると、説明をされても困っちゃう。一番話を聞いてくれる人から買う。トップセールスになりたければ話を聞く人になりなさい。トップセールスになるほかにも、人から好意を持たれたい、部下から好意を持たれたい、妻から好意をもたれたいという場合もそう。日本で有名な聞き上手といえば、松下幸之助です。彼は小学校4年までしか出てないし、体が弱かった。自分が倒れても奥さんが代わりをできるようにって、電気屋を始めたらしい。会社が大きくなって次々と大卒とかが入って来たときに、自分は学がないけれど、君たちならわかるだろうと色々聞いていったんです。相手は期待されてると思ってがんばりますよね。コーチングの天才ともいわれるけど、聞く天才だった。聞くということは質問すること。自分が聞きたいことを聞いていく。そして相手が話したいことを聞いていく。すると、相手は間違いなく好意を持ちます。このロールプレイングをやってみましょう。最初は私が見本を見せます。」

営業における“聞くこと”の重要性を説明すると、岡崎が嘉信さんに対して、全員の前で天使の営業を実演して見せた。「好きな食べ物」というテーマについて岡崎が丁寧に話を聞き、効果的な質問を投げかけていくと、嘉信さんはリラックスした表情で楽しそうにそれに答えていった。

岡崎「今は私が即興でやってみたけど、これを皆さんにペアでやってみて欲しいんです。男女のペアでやってみようか。1~3期生は、各ペアについてください。私がこころがけたのは、“ノリ”です。途中一回話が途切れかけたんですね。だから“へ~”とか“なるほど”とか、相槌を打って盛り上げた。あとは相手の言ったことをそのまま繰り返して確認するリフレインですね。これは意識的に入れている。人間関係も良くなりますから。相手の話したいことを話してもらうというのが大事ですね。今日はその体験をしてもらいましょう。」

4期生が男女二人でペアを組み、天使の営業ロールプレイングが始まった。そこにOB塾生が審査員としてついた。

各自相手に気持ちよく話してもらうための、“正しく聞く姿勢”を学ぼうと真剣に取り組み、場は大いに盛り上がった。初対面のもの同士がほとんどだった4期生が一気に打ち解け、会話が弾んでいた。2分のロールプレイングが2セット終わると、審査員としてついていたOB塾生からフィードバックが与えられた。

岡崎「どうでしたか? 営業の基本って相手と仲良くなること。話を聞いてあげると、相手は気持ちよくなって、心を開いてくれるから。さて、みんなの仲も良くなったところで、これから1人2000円ずつ出して、みんなで買出しに行って、パーティーをやろう。パーティーの準備方法については小川君のほうから説明があります。」

小川君「これからゲーム感覚でパーティーの準備をします。4、5人一組のチームを4つ作って、チームごと、主食、おかず、お菓子、お酒のどれかを担当して買い出ししてきてください。タイムリミットは19:00です。いかに早く人に満足してもらえるものを買ってくるか? チームワークが問われます。」

迅速にパーティーの準備を進めるだけでなく、楽しみながら塾生達が打ち解けることができる妙案であった。

30分後にはテーブルの上に様々な惣菜やお菓子、そして酒が並んでいた。結果としてタイムリミットだった19:00に間に合ったのは1チームだけであった。「仕事ではまず期限が大事。次にクオリティ。まず期限を守ったあと、始めてクオリティを見てもらえる。」という大切な学びを得た。

唯一間に合ったチームには小川君から商品として、名古屋で大人気の絶品シュークリームが振舞われた。その後のパーティーも大いに盛り上がり、予定していた終了時間を大幅にオーバーするまで宴は続いた。その場にいたメンバーは、改めて素晴らしい仲間に恵まれた幸運を実感したことだろう。

これから就活を通じて自分を高めていく4期生にはつらいこともたくさん待っているだろう。しかし、その場にいた全員が来春にはひとまわりもふたまわりも大きく成長し、己の希望を実現しているだろう。彼らの前途を象徴するかのような、素敵なキックオフミーティングであった。

終り

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