ナンバーガール「20年振りの解散」に寄せて
2019年2月15日、私は当時大学4年生で、その日も研究室にいた。
その知らせは突然やってきた。
迷うことなく私はライジングサンロック・フェスティバル2019の2日通し券を購入した。
私がナンバーガールを認知した時、ナンバーガールは既に解散していた。
初めて聞いたのは「透明少女」。頭に雷が落ちたような感覚だった。
それをきっかけにナンバーガールに興味を持ち、調べていくうちに思った。「このバンドはもう再結成しないだろう。」
だが、向井秀徳が語った、「稼ぎてえ」という言葉には、再結成を決定づける底知れない説得力があった。
本当に向井秀徳らしい。
そしてその日はやって来た。
台風と共に。
ナンバーガールが出演する1日目は中止となった。
悲しみはススキノに。
その後、幾度となくライブに応募するも、チケットは全く取れなかった。
ナンバーガールはツアーやフェスの出演を精力的に行った。
いつしか私の中で、ナンバーガールは「過去のバンド」ではなく、「今のバンド」になっていた。
今回チケットが取れなくても、いつかフェスで会えるだろう。だってナンバーガールは稼ぎたいんだから。
諸行は無常であった。
ナンバーガールはライジングサンロック・フェスティバル2022で、20年振りの解散を宣言した。
ナンバーガールはいつまでもいるわけではない。だからこそナンバーガールなのだ。
2022年12月11日、ナンバーガールは再び解散する。
そして私はその瞬間に立ち会う。
最初で最後のナンバーガールを脳に焼き付けてくる。
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