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こういうとき、どんな「日本語」を使ってますか?

こんにちは!Trellisボランティア講師の長谷川です。
前回の投稿では、「日本語教育っておもしろいんです」という内容で自分なりの思いを書かせていただきました。

日本語教育という世界を今知った…という方にも伝わるように、今回はより身近なシチュエーションにある「外国語としての日本語」について紹介します。

突然ですが、今、自分が駅にいるとします。
駅で外国人観光客らしき人に「すみません」と話しかけられました。
続いてその人は、
「○○駅にいきたいです」
「どれの、電車、行く…できますか」と言いました。

こんな時、みなさんなら、どう対応しますか?

・「あれ、青の電車、ブルーの電車です」と指をさす
・「ナンバースリー、のる。○○駅、すぐです」と手で数字を表す …など
カタカナ語を使ったり、簡単な言葉を使ったりして話すと思います。

このように、その言語があまり話せない・わからない人に配慮した話し方のことを、日本語教育の用語で【フォリナートーク】といいます。

慣れない場所で困っている人を助けてあげたい!という配慮からおこる現象ですが…
<ちょっと変>な日本語ですよね。

こういう場合において【フォリナートーク】は非常に有用です。しかし、やりすぎると「外国人だからわからないよね」と決めつけられているように感じてしまうこともあるんです。

その時に間違えただけで、落ち着いていればちゃんと話せるのかもしれませんし、話せなくても聞いて理解できるかもしれません。目の前の人がどれくらい日本語ができるかなんて、見た目では到底分かりません。

じゃあ、どうするのがよかったんだろう?と思いますよね。
そこで推奨されているのが、「やさしい日本語」です。

「やさしい日本語」とは、外国人にもわかりやすい日本語のことです。
先ほどの場面設定で「やさしい日本語」を使ってみましょう。

「3番線、10時6分発の電車に乗れば行けますよ」
→「3番線に行ってください。10時6分に電車がきます。それに乗ってください。」

日本語として自然ですし、わかりやすい文章になりましたよね。

ほかにも、

「必ず身分証明賞を持参してください」
→「必ずどれか1つを持ってきてください。(保険証・在留カード・パスポート)」

「天候不良が予想される場合、イベント中止の可能性があります」
→「天気予報が雨のときは、イベントが中止になるかもしれません

このように、様々な場面で使えます。

このような【短い文章】【文末を統一する】【あいまいな表現は避ける】などの工夫は、日本語教室で教師が話すときに気を付けていることとほとんど同じなんです。

この「やさしい日本語」の作り方について、文化庁が『在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン』を公開しています。ぜひご覧ください。

今や生活の中で外国人と接することは珍しくありません。
言語が不自由だから…と避けてしまわずに、「やさしい日本語」をきっかけにお互いに歩み寄ってみませんか?

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