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一番聴く音楽は「星野源」?

以前、ふとこんな質問をされたことがある。

「一番聴く音楽ってなんですか?」

多分彼のその発言には深い意味など無く、純粋にどんな音楽が好きなのか聞いてきただけだったのだろうが、「うーん...」と少し考えてしまった。

確かに色んな好きなアーティストやジャンルだってあるし、なんならその日の気分や場所、天気や時間なんかでも聴く音楽なんて変わってくる。

そんなあらゆる状況下において自分が自ら選んで聴く頻度が高い音楽、すなわちいつでもどこでも聴きたくなる自分にとっての「オールラウンダー」なアーティストって誰だろうか...?


馬鹿正直に考えてみた結果、僕が最終的にたどり着いた答えが「星野源」というアーティストである。

彼は僕が最も影響を受けた人の1人である。今や誰もが知っている超有名人。音楽だけではなく演技にコントに執筆にラジオに...。ここまで多彩な人間が存在するだろうか?

なにより彼の凄いところは、あらゆる曲中において所謂「星野源っぽさ」みたいな雰囲気は残しつつ、様々なシチュエーションに合った音楽を作っているということであると思う。


例えば、僕が「街中で何か楽しい気分になりたい時」によく聴くのは「ギャグ」という曲。

「聖☆おにいさん」のアニメ映画版の主題歌になった曲。

よく聴いてみると、ポップな曲調の反面「誰かが作る偽の心を 腹の底から信じて」と皮肉を込めて歌っている。正直明るい曲に乗せて綺麗なことを言われるよりも、楽しげにどこか意地悪い感じの言葉選びをしている方が「わかるな〜」と楽しくなってしまう。結構性格がひねくれている。僕も彼も。


「なんかカッコつけたい時」「Snow Men」がいい感じ。

ベタだが夜、車で首都高とかビルの見えるような場所を運転しながら聴くとかっこよくなれる(と思いたい)。この曲が入っている「YELLOW DANCER」というアルバムに収録されている「ミスユー」や「Soul」とかと一緒に聴くことが多いかなと思う。


「1人でぶつぶつと考えながら歩きたい時」に一番聴くのは「日常」という曲。

この曲が入っている「エピソード」というアルバムはアコギでの弾き語りが主体の曲たちで構成されており、歌詞も聞き取りやすく彼のセンスの良い言い回しを存分に受け取ることができる。僕自身特に思い入れの強いアルバムで、大学時代に就職活動で四苦八苦していた際にすごく助けられた。

そんな中でこの「日常」という曲は、応援歌とまでは言わないが誰かを肯定してあげることを歌った曲だ。「みんなが嫌うものが好きでも それでもいいのよ みんなが好きなものが好きでも それでもいいのよ」と歌ってくれてたことにどれだけ自分が救われたかわからない。何か自分が迷った時、不安に襲われた時はこの曲と一緒に歩くことで、大きくは無くてもちょっとした自信をつけて前へ進むことができる。


「夕方の海でボーッとする時」に聴くのは「さよならのうみ(Instrumental)」という曲。

タイトルにもあるようにインストの曲だ。日が暮れる夕方の海でこの曲を聴きながら缶コーヒー片手にボーッと何回も何回も1曲リピートで聴いていると、色んなストレスがスーッと流れていく感じがする。

波の音や子供が砂利浜でガヤガヤしている声がイヤホン越しに耳に入ってくるのも、この曲であれば雑音にならないから僕は好き。


「どうしようもなくピンチの時」「バイト」を聴く。

「殺してやりたい人はいるけれど 」という歌詞から始まる2分弱のこの曲、「適当に切り上げて 忘れちゃってね」と歌って終わるのだが、僕は勝手に「自分のイライラや不安なんて適当なタイミングで切り上げて次に進め」という意味で「バイト=一時的なもの」、つまり「そんな不安なんてバイトみたいに一時的な出来事なんだから気にすんなよ」と受け取っている。

もしかしたら全然違う意味で本人は書いているのかもしれないが、考える分には自由だろうと僕は思って日々助けられている。


「なにも考えてない時」によく聴くのは「フィルム」という曲。

この曲に関しては気づいたら聴いているという感じの曲で、何かプレイリストを作ったりする時も頻繁に入れて聴いている。

MVの影響もあってか、電車に乗って外を見てる時に聴いている時が多いかもしれない。そんな時は大体何も考えていない。

それでも耳に入ってくる「声を上げて飛び上がるほどに嬉しい そんな日々がこれから起こるはずだろ」という歌詞を聞く度に「飛び上がるほど嬉しいことって何だろうな...」とはうっすら頭に散らついたりする。

僕はまだ嬉しさで飛び上がったことがない。まあでもこれから起こるのかなって考えると、この先楽しそう。しかも「日々」だから一回や二回じゃ終わんないんだよね、最高。


とまあ、パッと思いつくだけでもこれだけあった。

踊っちゃいたいような曲から、しんみりと佇んで聴きたい曲まで、実は結構彼の音楽と過ごしている時間って長いんだと書きながら改めて気づいた。

「広く浅く」聴く自分としては、ここまで1人のアーティストに色んな角度から魅了されたのは彼が初めてかもしれない。

ここまで自分の生活に馴染んでいると、多分一生聴き続けるだろうし、これからもずっと一番聴く音楽は「星野源」なんだと思う。

次また同じ質問をされたら自信を持って答えよう。

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