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コズエの鬼ゴリ絵本日記

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出逢った絵本の考察や感想をここに書きためています。(鬼ゴリ:動詞。鬼のようにゴリゴリと書く、の意。いまだ鬼はあらわれておりません)
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#夏

絵本日記DAY11 ひえひえペンギンホテル

お盆が過ぎれば東北の夏はおしまい。そんな方程式のようなものがなんとなく存在するのだけど、盛岡にもまだまだ夏は居残っています。 この絵本はもっと夏真っ盛りの頃、商店街の本屋さんの二階でまるでクーラーの涼をもとめるように、気づいたら手にしていました。 出てくるのは、ペンギンがはたらくホテルに来る(たぶん)お金持ちのセレブ動物たち。「ごうかきゃくせん」っていうことばは声にすると、ぐっと憧れ度が増す。 それにしてもペンギンさん、ホテルマンの格好が似合うこと似合うこと。もともと白

絵本日記DAY9  Wave

鬼のようにゴリゴリと更新するはずの絵本日記、鬼が留守のあいだに気づけば7月に。積み重ね、だいじにしていかなくちゃ。 今日の絵本は「Wave」。波。 子どもの頃は、こういう文字が一切ない絵本はあまり好きではなかったというか、退屈に感じていた。 でも、今ならばわかります。 この絵本には、文字はいらない。 なぜなら寄せては返す波の音を聴きたいから。 ざぶん、ざざざ。ざぶん、ざざざ。 ときどき、カモメの鳴く声。貝殻が砂に連れていかれ、しずかに戻される音。 ひとりの女の