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不眠症

不眠症になってから何年が経っただろうか。思えば幼少期から、ベットに入ると余計なことを考えていた。目を瞑れば真っ暗なキャンバスが眼前に広がる。宇宙だったり森の中だったりクローゼットの中だったりする。そこからストーリーが始まる。1時間ほど暗闇で遊び、眠りについた。
 遊びがストレスに変わり、同様に眠れない。ここ5年ほど、暗闇は次の日のやるべきことで埋め尽くされる。些細なことほど暗闇を牛耳る。怖くなり目を開けるとそれはそれで眠れない。数時間格闘しいつのまにか眠っている。
 今までの人生で費やした格闘の時間を計算しよう。そしてその時間ぴったりを使用して映画を製作しよう。タイトルは「眠れる街の人」。
今までの不眠を取り返すまで目を覚さない男の物語。乞うご期待。

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