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【好きな本】BLANK PAGE

『BLANK PAGE』        
       内田也哉子著

内田也哉子さんを初めて知ったのは、
今は俳優として活躍する元シブガキ隊の本木雅弘さんの結婚相手として注目された時である。

その時は、だいぶ若い人と結婚されたんだなあ、と白無垢の花嫁をテレビで見ていた気がする。
(といっても、私は也哉子さんと同年代だから、余計びっくりしたのだ。)

その後、也哉子さんの処女作『ペーパームービー』を初めて読んだ時、也哉子さんの感性、文才、選ぶ言葉のセンスの良さ、にすっかり魅了されてしまった。
(モッくん、、、流石だわて思ったり。)

あれから約20年。

『BLANK PAGE』は、母である樹木希林さん、父である内田裕也さんを、立て続けに見送った著者 也哉子さんが、こころの空白を満たすため、その時に会いたいと思った、様々な生業で生きる15人の人達に会い、一対一で話した内容を綴った本である。

会話は、詩人の谷川俊太郎さんから始まり、15人目は、女優のシャルロット・ゲンズブールで締めくくられる。なんて贅沢なんだろう。。。

面白いなと思ったのは、この本は、よくある対談本とは少し趣向が異なる点だ。 

也哉子さんは、スタッフを入れずに、自分の会いたい人と、たった2人きりで、生や死、ゲストの生業について、または其々の親子関係から親との思い出に至るまで、まるで喫茶店で話すかのように、ゲストと自然にお話ししている。

ある時は、その方のお家に行ったり、ある時は、電話やインターネットでお話ししたり。その形式はとても自由で、まるで2人だけの秘密の会話を覗かせてもらっているかのよう。

また、会話の中で、相手の発するエネルギーや感性、言葉からハッと何かを気付かされた時、也哉子さんが、自身の心情を丁寧に忠実に表現するために使う、独特な言い回しやフレーズは、読み手の心に心地よくて、ストレートに響く。

也哉子さんは、いろんな言葉を、まるでオモチャや積み木みたいに、積んだり並べたりして、凡人が想像もつかないような、ものの例えをしたり、心情を丁寧に表現するのだ。
だから、也哉子さんの書く文章はグッとくるのかな。

話は戻って、この本を読んでいると
也哉子さんの横で、一緒にドキドキしたり、緊張したり、目を輝かせたりしいる透明人間の自分がいつの間にか、いる。

中でも、谷川俊太郎さん、養老孟司さんと話す生と死についての話は、とても興味深かった。  

その他にもオモシロイオトナ達に沢山、会いにいく也哉子さん。
15人みな、常識にとらわれず、覚悟を持って自由に生きている人たち。
まるで、裕也さんや希林さんみたいに。


死についてどうしようもなく怖くなったら、もう一度、谷川俊太郎さんと養老孟司さんの章を読もうと思った。

ちなみに、内田裕也さんのお葬式で、娘の也哉子さんが読み上げた喪主挨拶の文も本にあります。
一時、話題になりましたが、本当に格好良くて、ロックな挨拶だったので、知らない方は読んで欲しいです。








けれど、初めて也哉子さんの姿を見た時、
そして、也哉子さんの処女作『ペーパームーン』を読んだ時、モッくんへの誤った偏見、自分の稚拙なモノの考え方を恥じた。

也哉子さんは

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