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湯河原の「川堰苑いすゞホテル」さんは、お湯とお食事がタイプ過ぎて激しくリピ中。

 勝手に「人をダメにする温泉」と呼んでいるいすゞさんのお風呂。もちろん良い意味で。

 チェックイン後にすぐさま大浴場に向かう私たち夫婦。
「今日もまた毛穴にぞわぞわって入りこむ良い泉質だったね」
 などと話し合いながら、いつも楽しみなお夕食の席へ。

 部屋食の時もあれば、別会場の時もある。今回は、お椅子に座れる別室にて。
 もう、わくわく。
 お料理は、いつもきめ細やかな工夫がされていて、高級素材のオンパレードのメニューよりも、アミューズメント性を感じるラインナップ。
 今日は、どんなふうに私たちを驚かせてくれるのかな?


板長は、新潟出身とのことだけれど、いつも下段にびっしりと書かれた季節のご挨拶は、とても読みやすくて、良い感じ。どんなお料理が出て来るか楽しみたいので、これは全部済んだ後に見ることにしてるよ。

 和紙にしたためられたメニューと、そしてお手紙のようなご挨拶。毎回必ず持ち帰って記念にスクラップしています。
 何回行っても(もう少なくても10回は行っている)ほとんどメニューが被ることなく、目も心も満足させてくれるよ。

 だけど、あまりにも美味しい一品に出会うと、少しくらい被ってもよいからまた食べたいな、という気分に。和風ポトフというメニューの時は一人分の土鍋に旬の野菜とお肉が入って、なんとほんのり麻婆味で、あまりの人気に再登場したとのこと。わかる。私も、もう一度食べたいもの。


先付と前菜。いつもいただく食前酒としての梅酒は、とてもフルーティ。ほぼ下戸の私でさえ堪能しちゃう。

 旬の蛍烏賊の下に敷いてあるのは、なんとポテトサラダ。滑らかで美味しくて、烏賊と一緒に食べるとその未知の味にノックアウトされちゃう。
 春だな~。桜葉の下には香ばしく焼いた鰆が忍ばせてあって、葉っぱでくるりん、と巻いて食べたら、口の中が春爛漫に。

 ピンクのお皿に乗ってるのは、生しらすの沖漬けとクリームチーズ! チーズですよ。最初は、とても驚いたものだけど、板長はよくこの食材を使う。チーズ好きな私は、とっても嬉しい。和の中にちょっとだけ洋を加えることで、目先が変わってくるから面白いわけで。


先椀と向付。緑色のお皿は、白身の刺身を美しく演出。ここにも春の息吹が・・・。

 さて。
 次は、お椀。筍の真丈ですよ。ふわっふわ。しかも、食感を残して粗みじんにカットされた筍は、そのプチプチ感が面白くて。ほんの少し季節を先取りした感じが、とっても嬉しい。

 お刺身も、この量くらいが後に控えるお料理のことを考えればちょうど良いのでは? 量は少なめでも、クオリティは高いよ。鯛は少し塩でしめられていて、良い仕事がされていた。


 お次は、「おしのぎです」と運ばれてきた洋風ちらし寿し。あら、珍しい。この時点でお米が出てくるのは初めてなので、びっくりした。先付で、小さな鰻のお寿しが出てきたことはあったけれど、でもとにかく酢飯好きな私は、狂喜! 上に乗っているローストポークが秀逸。脂っぽくもなく、それでいて少しこってりしているのでご飯が進む。
 大きめの茶碗蒸しはもずくが際立っているけれど、ちょこんと登場している梅肉が塩気を増してくれて良いアクセントに。
 ここで、お食事が終了だとしてもOKな感じの満足度だけど、まだまだ続くわけで・・・。


濃厚な出汁が効いた鴨鍋。生っぽい長ネギもタイプ。


天ぷらは、藻塩で食べても良いし、鴨鍋の出汁につけても良し。

 「あ、そうだったのね」 
 と納得。今回の〆めはお米じゃなくてうどんだったから、途中でお寿しが出てきたわけだ。うどん? 後から番頭さんに聞いたら、初めての試みとのこと。
 揚げ物は、セロリと蓬麩。ぷにゃぷにゃの麩の食感が楽しすぎて。そして、最初からテーブルに置かれていた鴨鍋に火が入り熱々になったところで、うどんを注入。天ぷらうどんにしても良し、とにかく色々な食べ方ができる仕組み。このメニューになって最初の頃は、うどんが運ばれる前に鴨鍋を完食しちゃうお客さんがいたらしく、どのタイミングで火を点けるか再考したり声かけしたり試行錯誤した、と仲居さん。
 たしかに着火する時に、
「お鍋にうどんを入れて食べてください」
 と言われた。
 また、右にあるとろろと混ぜてもOKなので、少しずつチャレンジしてみたよ。
 ああ、今回も意表をつくメニューで楽しませてくれた。


見た目も美しく甘味と酸味のバランスも良き。

 最後は、デザートね。
 湯河原は、柑橘系の産地なのでこのようにメインで登場してくることも、しばしばあるけれど、それがまたきちんと美味しいから驚く。どこにも手を抜いていないのが、わかる仕事ぶり。そして、カスタードクリーム乗せちゃうんだ、とここでも驚き。塩気のある桜の花と同時に食べると、和洋混合の新しい味を味わうことができたよ。

「今回のお料理、いつまでですか?」
 夫が、仲居さんに質問。
「え~と、ゴールデンウィーク前あたりで終了って聞いてますけれど」
 ああ、残念! 
 あんまり美味しかったので、また来ようと思ったのに。
 と言っても、次もまた楽しみだから良しとしよう。
 〆めがご飯の時は、よく炊きこみご飯がでる。これがまたチャレンジャーで、「コーンとベーコンとバター」とか、腹パンでもお代わりしちゃうくらいの美味しさだったりするから。
 

 お料理を堪能した後は、もう一度ゆっくりお風呂に浸かろうと思うのだけれど、心地よい眠気が襲ってきて、家にテレビがないのもだから、ここぞとばかりにテレビを見ているうちに、ついつい眠りの世界へ。
 このまま朝を迎えても良いくらいの至福の時間だけれど、欲張りな私はどうしてももう一度お風呂に行きたい! 
 がんばって起き出して大浴場へ。露天風呂から見える星たちは、当然東京よりもたくさん光っていて、心まで癒してくれる。
「ああ、あのまま寝ないで良かったなぁ~」
 と思いつつ、ひんやりとした夜気も楽しんで、今度は本格的にお布団の中へ。
 爆睡。
 このぐっすり感は、日頃の疲れをすべて取り去ってくれるほどに神々しい。すべては、湯河原の泉質のお陰。
 ほんとうに、ありがとう。


玉子料理を選べる朝食。私は温泉卵で夫は出汁巻。

 朝食もしっかりといただいて、また東京でお仕事頑張るよ。そして、近いうちにまた来る。そう、次のお食事を目当てにね。

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