アルムナイの活用

サッカーのいわゆるOBマッチですが、リバプールFCレジェンズとアヤックス・レジェンズとの対戦が、3月23日リバプールのホームスタジアム、アンフィールドで行われ、59,655枚のチケットがソールドアウトだったそうです。

YouTubeで見ましたが、ゲームも白熱しており、約6万人のアンフィールドの熱気はプレミアリーグと遜色ありませんでした。

これは、2017年に開始されて以来毎年開催される、 LFC Foundation というリバプールFCの募金活動の一環で、640万ポンド(約12億円)以上の資金が集まり、リバプールの街と国際社会の両方に利益をもたらしているとのことです。

LFC Foundation が素晴らしいのは、チャリティーマッチが今回で8回目を数える、定期的な取り組みとなっていることです。

翻って、日本を考えると、年始の能登半島地震のように災害の多い日本では、募金活動の有用性、そして勇気と感動まで与えてくれる可能性のあるスポーツが果たすべき役割は大きいのではないかと感じています。

サッカーでも、Jリーグのクラブ単体では難しいかもしれませんが、日本代表であれば、過去の代表経験者に呼びかけたら、定期的な募金活動につながるの可能性も高いのではとも思います。

昨年の中村俊輔さんの引退試合のようなメンバーが揃えば、ワクワクしますし、国立競技場でも満員になるかもしれません。

チャリティーマッチではありませんが、現在、日本サッカー協会を通じて、石川県サッカー協会長から募金の呼びかけが行われています。

災害が起きてからの募金活動はもちろん不可欠でしょうが、日本でも普段からチャリティーマッチとして持続可能な取り組みにしていくと、災害時に有効だけでなく、スポーツ文化とチャリティー精神のさらなる醸成を促すことにもつながるのではないかとも思いました。

チャリティーマッチを恒常化させる上で重要になりそうなのが、実績のある経験者レジェンドの存在です。

日本のサッカー界はアンバサダーというサッカー普及の親善大使的な役割をレジェンドが担当していますが、いつでも参加しやすいように、もっと可視化したネットワーキングで形成する、いわゆるアルムナイ化を進めていくのはどうかと考えてみました。

その効果として、募金活動もさることながら、チャリティマッチが行われるスポーツそのもののの価値をさらに高め、参加レジェンドは現役を過ぎてなお、誇りも得られ、また周りからも改めて敬意を持たれるのではないでしょうか。スポーツの実績や意義から吸引力が生まれ、さまざまな支援や協力を呼びかけてくれるかもしれません。
実現すれば、次の世代への持続的な受け皿にもなるでしょう。

このアルムナイの活用は、スポーツを通じた募金活動だけではなく、少子高齢化の日本社会の様々な場面でも有効かと思います。

ようやく注目されてきているビジネスの場面では、上記以外にも次のような効果があると言われています。

新しいビジネス機会やパートナーシップを見つけるための貴重なネットワークで過去のメンバーや関係者とのつながりを活かし、ビジネスの成長や展開に役立てることができる。

過去のメンバーや関係者は組織の文化や価値観を理解しており、迅速に組織に適応する可能性が高い人材の採用につながる。

また、アルムナイの仕組み化に向けては、オンラインで提供されるツールも増えてきており、SNSも使えば、集めることも、協力を促すことも、簡単にできるため、活用しない手はないかと思われました。

このようにアルムナイの活用は日本社会では相当有効かと思うのですが、まだまだその有効性が可視化されておらず、認知も足りいないような気がしています。

その意味でも、明確な実績や歩みが可視化されているスポーツ界の果たす役割は大きいのではないですかねー
スポーツ界が、経験者を敬いながらアルムナイを分かりやすく活用して、著名なOBOGネットワークという人的資本の有効活用と社会貢献活動、双方のロールモデルとなってもらいとスポーツ大好きおじさんは節に願うのでした。


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