見出し画像

★キャンピングカー生活まであと176日★「富士山に登った話②」

前回に引き続き、富士山に登った話です。

無事、参加者全員が本8合目の山小屋に到着。
夕食のハンバーグカレーを平らげた後、疲労もあるのですぐにでも寝たいところですが、この3,000mを超える高地で再び「順応」するために1時間程度起きておく必要があります。

その間にも、雨風はどんどん強まっていきます。

1時間経過して、寝床に入りますが、想像以上に布団があったかい。
寒いと思って幾分か防寒したまま布団に潜ったせいで、暑くて寝苦しいぐらいでした。

だけど、高山病対策で窓を開けているために、布団を被らないと今度は寒い。
そのせいもあって山小屋での夜は、あまり寝付けない一夜になりました。

ずっと耳に入るのは嵐の音。
轟々と鳴り止まない雨風、その強さで山小屋の屋根を揺らします。
2段ベットの上で仰向けに寝ていた私たちは、目前にその屋根が揺れる様を感じていました。

いつの間にか、意識が落ちていた夜中2時。
ガイドさんが静かに私たちを起こしてくれました。

そこで告げられたのは「やはり早朝の山頂アタックは厳しい」とのこと。
山頂のレーダーで毎朝予報が流されるそうですが、天候は回復の見込みがないため山頂でのご来光は厳しい。今後のスケジュールを変更せざる得ないとのこと。

「あぁ、世の中うまくいかないもんだ」
そう心の中で嘆いていましたが、それでも山頂まで登頂することを目標にすることでモチベーションは何とか維持できました。

そのためご来光前の暗い山を登ることはせず、晴れるか分からないが、今いる本8合目でご来光を見ようということに。当初より時間が空いたため、再度メンバーは就寝することに。

私は、もうあまり寝られる気がしなかったため、そのまま起きていました。



そして集合時間の30分前。時刻はAM3:30。
まだ暁の頃、トイレに行こうと外に出たところ、


なんと、雨は上がっていました。

それどころか私たちを待ち受けていたのは、なかなかお目にかかれない絶景だったのです。

これほど神秘的な朝を味わえる日はそう来ないだろう。ガイドさんも、ここまでの景色は初めて見ると言っていました。

私は、まだ日が昇っていないにも関わらず、興奮が収まりませんでした。

この空はまだ、何かを隠している。
これ以上どのような顔色を見せてくれるというのか。

他のメンバーも次第に起き始めたAM4:00頃。
空はどんどんと明るさを取り戻していました。

すでに眠い目が冴えるほどに、壮大な光景。
その時は刻一刻と近づいています。

そして。


これほどに自分の心を浄化させてくれる景色に、今まで出会ったことがありません。

それは何というか、超自然的で。
いつも住む世界とはかけ離れた景色が、普段感じてしまう人間としてのちっぽけな悩みや黒い感情を全て忘れさせてくれる。

この絶景を越える場所に出会うことは、しばらく無いのだろうと思いました。


ふと、背後を振り返ってみます。
少し見上げると山頂が既に見えているのですが、そこにはどんよりした雲がかかっていました。

私たちは暗いうちに山頂に登らなくて良かったのです。
もし山頂に移動していたら、このご来光は見られていなかった。

私たちは運を味方につけられている、幸運を引き込んでいる。
そう確信しました。

素晴らしい思い出ができたことはもちろん、最高の運気が私たちの周りを取り巻いているのだろう、そう思いました。

AM5:00頃、余韻もそこそこに山頂へと向かいます。
そこからは雲ひとつない快晴の富士山を登っていきます。
それとは対照的に、下を見れば果てもなく続く雲海。

山頂から引き寄せられる感覚と、下から雲海に押し上げられる感覚。
全てが山のてっぺんへと私たちを導いているような。

そしてAM7:00頃、私たちは無事に富士山登頂に成功しました。
やり遂げた。私たちは今、日本で一番高い場所に立っているのだと思うと、内側から自分たちを認めてあげたい、自己肯定感が込み上げてきました。

思い返してみれば全てが完璧なシナリオだった気がします。

この機会を作ってくれた仲間と、共にてっぺんから同じ景色を見るために頑張った仲間達に、最大の感謝を送ります。

<<<あと176日>>>
人生にはあと何回の幸せが待っている?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?