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息子と歯のホワイトニングへ行った時の出来事

そろそろ歯を白くしたいなぁと思っていた最近。

そんな時アプリで、ホワイトニングのお試しクーポンを見つける。
30分のセルフホワイトニングで5500円。
これなら出来そうと予約をしたら、「子連れの場合は何人、何歳かを書いて下さい。」の欄。
息子を連れて行ける!と安心して予約。

予約当日。
雨が降りそうな曇り空の中、ベビーカーで一駅先へ向かって行った。
予約の時間までは余裕があるので、駅前広場で時間を潰した。

その後、予約の10分前に雑居ビルを目掛けて歩く。

扉を開けると、20代だろう女性がマスクをせずにドアまで来た。
私もマスクはもうしない人なので、これは別に気にしていなかったけど、ただ接客業の人は大概マスクをしているので驚いた。

ベビーカーを置き中まで入ると、部屋の隅には子供が遊べるおもちゃコーナーがあった。
「あ、新しいおもちゃで遊んでくれそう!」と思い、そしてiPadでアンパンマンまで見せてくれるという、キッズフレンドリーな場所だった。

息子もすぐにおもちゃに食いつき、一人で遊び始めた。

一通り説明も終わり、施術のため一人掛けのソファーに座り、赤いライトを口に浴びながら、今までに息子が見たことがないであろう程に大きく口を開けさせられ、大きな黒いサングラスをかけている私。

それを、今まで一人で遊び始めていた息子がジロっとこちらを見て、「何事だ?」と言うような眼差しで見てくる。

そして、すでに施術を始めて横になっている私に近づこうとするけれど、サロンのお姉さんが一緒に遊ぼうと誘う。

それでも、「おっぱい〜」と言いながら、ソファーの脇へ近づいてくる息子。
「私の上で横にさせても大丈夫ですか?」と尋ねると、お姉さんも
「いいですよ。」と言うので、授乳させたら静かになるだろうと思っていた。

そして私の上に乗ってきた息子。
なのに、おっぱいは2秒ほど吸って「ナイナイ(いらない)」と言われる。
そしてそのまま私の横に寝そべって、近くのローテーブルに置いてあるiPadのアンパンマンを、横目で見続けている。

「あれ、もしかして、ママを心配しているのかな。」

お姉さんに、「iPadをこっちへ持ってきてもらってもいいですか?」と聞き、私の体の上には、右側とソファーの間に息子、左側のお腹の上にはiPadの状態で施術を続けた。

眠いのかな、と思いつつ、時々何度も心配そうに上を見て、私の様子を伺う息子。
その度に、「大丈夫だよ。心配しないでね。」と頭を撫でたり、お尻をポンポンと優しく叩いた。

同じエピソードのアンパンマンを3回見ても、騒ぎもせず、また何度も私の確認をする息子。
ママが変な状態になっていたから、不安になったんだな、とわかる。

息子は普段は本当に元気で、一人でずっと遊んでいるし、手を繋いで歩くより、自分でどんどん行ってしまうタイプ。
抱っこもあまりせがまず、あまり抱っこをされることをむしろ嫌う子だ。

その息子が私の横で約25分、ずっと何も言わずに、時々心配そうな目で見つめてくるのがやけに愛おしく思えた。

私が「大丈夫だよ。」と声をかけたのにも関わらず、心の中では、息子に守られているような感じがしていた。

過去にお付き合いをした男性たちと横になっている時よりも、こんなに小さな息子と一緒にいる方が、もっと守られている気がした。


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