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塩漬けレモンの作り方

レモンの旬は10月〜2月くらい。夏場にレモンの爽やかな香りを楽しむために、寒いうちから塩漬けしておくと便利です。レモンの塩漬けはモロッコ料理でよく使われる調味料で、フランスやイタリア、イギリスなどでも瓶詰めが売られています。

レモンの塩漬け
レモン  4個
塩    50g(レモンの重量の10%が目安)

今回は国産のレモンを使っています。皮を使うので防カビ剤が心配という意見があるからです。海外のレモンは収穫した後、オルトフェニルフェノールを溶かした水溶液で洗った後、一定の濃度のTBZ,イマザリル(最近ではフルジオキソニル)を含んだワックス処理がされています。「なんでそんなの使うの?」と思われるかもしれませんが、柑橘に生えるペニシリウム・イタリカムやペニシリウム・ディジタータムなどのカビは代謝副産物としてカビ毒(マイコトキシン)を産生するからです。このカビ毒は人体に強い害があります。TBZ,イマザリルにも発がん性がありますが、ADI(摂取許容量)で定められている限りにおいてはリスク的にカビ毒>TBZ,イマザリルというわけですね。

日本には当然、すべて基準値以内のレモンが輸入されていますし、レモンの皮だけを大量摂取することは考えられないので、普通に考えれば心配はいりません。とは言え食べる人はリスクの大小では考えないので、いくら安全だと言っても安心ではない、と納得しない人が多いのもまた事実。しかも、この防カビ剤、洗っても落ちません。2013年の福岡市の食品検査所の実験によると、水洗いではまったく変わらず、食器用洗剤や塩で洗うとほんの僅かに減少。皮をむいて皮だけ水にさらし熱湯で10分間茹でた場合、TBZは25%、イマザリルは34%に減少という結果でした。つまり、防カビ剤を除去するのは不可能ということ。果汁だけを使えばまず心配ないですが皮はどうしようもありません。重曹で洗え、とか色々と迷信もありますが気休めでしかないので、皮ごと食べる場合は国産のレモンを使いましょう。

レモンは十字に切れ込みを入れてまるごと浸けるのが一般的ですが、櫛形に切った方が浸かりやすく失敗が少ないです。

塩を用意します。ごく普通の塩で大丈夫。

レモンを瓶に詰め塩を振り、さらに詰めて・・・・・・を繰り返します。全体にまんべんなく塩が振られている状態が理想です。この時、もしも冷蔵庫にローリエがあれば一緒に浸けると風味がよくなります。

詰めたら蓋をして完成です。冷暗所で一ヶ月ほど、時々なかを揺すりながら寝かせま す。次第にレモンから水気が出てきて、レモンの皮がやわらかくなったら食べてOK。使い方としては刻んでクスクスと混ぜたり、ピラフを炊くときに加えたりと基本的には皮の部分だけを使います。お勧めは刻んだレモンの皮を白身魚や青魚のお刺身に混ぜて食べること。レモンの香りが魚ととてもよくあいます。国産のレモンが入手できなければ柚子でつくるというアレンジもあります。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!