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料理の基本

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基本的な料理を丁寧に解説します
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#パスタ

ベーコンとブロッコリーのスパゲッティーニ

シンプルなスパゲッティです。元ネタはheston blumenthalの『青豆のパスタ』。カルボナーラに似ていますが、赤唐辛子のフレッシュな辛味を加えることで、食べ飽きない構成になっています。卵黄とチーズベースのソースに加える秘密兵器は『水』です。 カルボナーラに『生クリームを加えるか否か』というのはよく議論に上がりますが(樋口もそんな記事を書きました。『生クリーム入り日本風カルボナーラの作り方』)このレシピでは生クリームではなく『水』を加えることでソースが滑らかに、より軽

カチョエペペの作り方

カチョエペペはローマのパスタ料理。同じくローマ名物のカルボナーラから卵を抜いたようなパスタ料理を想像してもらうとわかりやすいと思います。 カチョエペペ スパゲッティーニ 120g バター  20g ブイヨンキューブ 1個 粉チーズ  40g 黒胡椒   適量 パスタの量が少ないと思うかもしれませんが、前菜としてのパスタなのでこれくらいが適量。 1lの水に塩10gとブイヨンキューブを入れて、強火にかけます。 沸いたらパスタを袋の表示時間より1分前を目安に茹でます。 3

フレッシュトマトのパスタ

フレッシュトマトソースは夏の時期のパスタの定番。 フレッシュトマトのパスタ 1人前 フェデリーニ  80g トマト    小2個 にんにく    1片 オリーブオイル 大さじ1 フレッシュトマトを使ってパスタをつくる場合、大事なポイントはトマトの皮を剥くこと。 湯むきでもいいのですが、少量を使う場合はフォークで刺してガスコンロの火で炙るのが簡単。トマトが水っぽくならない、としてジョエル・ロブションも薦めている方法です。 こんな風に皮がペロリと剥けます。 トマトは櫛形

貧乏人のスパゲッティ、贅沢バージョン

イタリア料理の代名詞となっているパスタ。 こちらの本に掲載されているレシピだけでも1,347種。なかにはレストランではほとんど見かけないものもあります。今日、つくる貧乏人のスパゲッティ──スパゲッティ・ポヴェレッロもその1つ。 独身男性が気軽につくるような料理で、いわばイタリア版の目玉焼き丼といった趣。作り方は簡単で、まずは目玉焼きをつくり、それを木べらなどで細かく潰したところで、茹でたパスタとゆで汁を和えるだけ。 イタリア料理は人によって作り方やレシピが微妙に違うので

洋食風の濃厚ミートソース

以前、紹介した『食育通信式ミートソース』はイタリアンシェフたちのレシピから平均値を導き出した、いわば平均的なイタリアンの味。日本で独自に進化したミートソースは乾麺に絡むように濃厚なもの。今回は洋食店でたまに見かける正調、日本のミートソースをつくります。 味のポイントとなるのはコクと苦味。ビーフシチューのような仕上がりを目指します。 日本のミートソース  牛すじ肉 300g  牛すね肉(またはシチュー用の部位) 200g  玉ねぎ 20

喫茶店のナポリタンの作り方、プロの味に近づけるための工夫をいくつか

なぜか美味しい料理に喫茶店のナポリタンがあります。作家の片岡義男さんは「ナポ リへの道」という本のなかで、こんな風に語っています。 スパゲッティナポリタンは米軍が持ち込んだトマトケチャップと日本の洋食文化が出会い、大衆食として労働者の胃袋を支えた料理。敗戦から占領、そして戦後の日本を体現したような味です。諸説ありますが、スパゲッティ・ナポリタン発祥を標榜しているのは横浜にあるホテルニューグランドです。ただ、文献上、ケチャップでスパゲッティをあえるナポリタンは戦前から存在して

ペンネ・アラビアータの作り方

アラビアータ(all'arrabbiata)はイタリア語で唐辛子風味のトマトソースを指します。お酒を飲んだ後「締めにちょっとなにかつくるか」という時に便利なレシピです。 ペンネ・アラビアータ  ペンネ(ペンネ・リガーテ) 160g  ホールトマト 1缶(カットトマトでも)  にんにく   2片  唐辛子    2本〜4本  イタリアンパセリのみじん切り 適量  EV オリーブオイル 大さじ2+大さじ1  塩      適量 通常、パスタのレシピはトマトソースをベースに組み

辛味調味料「かんずり」を使いこなす

今日は僕のお気に入りの調味料、かんずりの紹介。 写真は新潟県内などで入手できる『生かんずり』風味が一味違います。 かんずりは新潟県妙高市の特産品で塩漬けにした唐辛子を雪に晒し、辛味を抜いた後、粉砕し、麹、柚子などを混ぜあわせ熟成発酵させたもの。 味のポイントは雪晒しといって、塩漬けにした唐辛子を雪に晒すことで辛味が抜け、まろやかになる、と言います。これって多分(ここから先は推測になってしまいますが)昼夜の温度差で凍結と解凍を繰り返しているわけですよね。緩慢凍結によって細

基本のペペロンチーノの作り方

アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ(にんにくと唐辛子のパスタ)はオイル系パスタソースの基本。パスタ料理をマスターするには避けて通れない料理です。 こだわる人が多い料理でもあり、新書一冊分を解説に費やした『男のパスタ道』(土屋敦著) という本も出ているほど。 いつものようにレシピの分析からはじめましょう。ペペロンチーノの主要な材料は『パスタ』『オリーブオイル』『にんにく』の3種類。(唐辛子はどのレシピでも少量で影響は少ないので除外します)パスタに味を付ける茹で汁の塩分濃度に

生クリーム入り日本風カルボナーラの作り方

カルボナーラは人気のパスタ料理。「本場では生クリームは入れない!」「パンチェッタではなくグアンチャーレじゃないと」「パルメジャーノじゃなくて本場ではペコリーノロマーノ」となぜか議論の対象になることが多い料理ではあります。 たしかにイタリアでは普通、カルボナーラに生クリームはあまり使わないそう。本場では・・・・・・という意見は正しいようです。しかし、本場イタリアにも生クリーム入りのリチェッタ(レシピのこと)はあるようです。 (参考dissapore.com『Panna nel

スタンダード・ミートソースの作り方

ミートソースの解説は食育通信online掲載時に多くの方に読んでいただいた記事の一つです。さて、ミートソースの材料はおおまかにいうとひき肉、香味野菜、水分(トマト)、 油脂分。この要素はプロとアマチュアも同じですが、プロとアマチュアの料理の味はかなり違います。今回の主旨はその違いはどういった部分に出てくるのか、という考察。 まず行うのはレシピの比較分析です。レシピの比較分析は分量を%に変えて行います。今回は挽肉を100%とした時の割合で他の材料も計算しました。牛ひき肉が1K

基本のトマトソースのレシピ

トマトソースは家庭でもよくつくられていますが『お店の味とちょっと違う......』という方も多いのではないでしょうか。今日はトマトソースの作り方を考察します。 トマトソースの基本となる材料は ホールトマト 香味野菜(主に玉ねぎ) オリーブオイル (+ハーブ) です。プロとアマチュアではなにが違うか、検討してみます。ホールトマトは市販品ですので、品質は変わりありません。よくある失敗は お店のものと比べて『コクがない』と『油っぽい』といったもの。仮説ですがその原因は『香