マガジンのカバー画像

料理の基本

411
基本的な料理を丁寧に解説します
運営しているクリエイター

#肉料理

ラムの生姜焼き

最近、都内のスーパーでもラム肉が普通に並ぶようになりました。ラム肉は不飽和脂肪酸が多く、脂肪燃焼を促すカルニチンというアミノ酸を含むなど、健康面からも評価されています。 ところでラム肉、どんな風に料理していますか。洋風や中国風の食べ方は結構、浮かぶと思いますが和風の食べ方といえばジンギスカンくらい。今回はラムの生姜焼きの作り方です。ご飯にあうので、普段の食事にぴったり。生姜焼きは豚肉の臭みを消すために考案された料理ですが、ラム肉特有の癖も好ましい味になります。 今回は肩ロ

煮豚(角煮)の作り方

たっぷりと時間をかけてつくる、本格的な煮豚(角煮)のレシピです。豚の角煮の肝は肉の味を逃さずにトロトロで、かつしっとりと煮上げるか、という点。このレシピは2017年にある料理雑誌に発表したものがベースになっています。従来のレシピと違うのは 1 砂糖と塩で豚バラ肉を漬ける 2 下茹でをせずに豚肉の味を生かす という2点。 豚角煮 豚バラ肉 600g  ブロックを購入し、3.5cm厚にスライス 塩    小さじ1/2(3g) 砂糖   大さじ1(9g) 昆布 5g 水  1

ベストロールキャベツの作り方〜パンかご飯か問題〜

洋食の定番、ロールキャベツ。起源はロシア料理のガルブツィという料理とされていますが、キャベツで肉ダネを巻き、煮込んだ料理は世界中で作られています。例えばフランスではシューファルシという料理があります(シューはキャベツ、ファルシは包んだという意味です)でも、日本の洋食であるロールキャベツはそのなかでも特別に美味しい。今日はベストロールキャベツの作り方を探ります。 まずは具材の検討 ロールキャベツの肉だねは挽き肉+玉ねぎが基本で、ハンバーグに似ていますが、ロールキャベツの場合は

究極の牛丼の作り方

いわゆる牛丼の作り方です。究極なんて自分で言うのも変ですが、黒毛和牛の切り落としを使って作るので、究極と名前につけています。このあいだ、トマトすき焼きのレシピをご紹介しましたが、その応用。 しぐれ煮の技法を応用した牛丼です。ポイントは肉を煮すぎないこと。 黒毛和牛 切り落とし 250g 玉ねぎ  半分 割下 みりん     150cc 白ワイン    50cc 醤油      50cc もう一つ。秘密の材料が割下に入れる白ワイン。 通常のすき焼きの割下はこってりしてい

本日の賄いはステーキ丼

撮影で余ったステーキ肉があるので、ステーキ丼にします。ステーキ丼にはいろいろな作り方があって、ぶっちゃけどのレシピでもおいしくできるか、と思いますが、今回は僕流のステーキ丼をご紹介します。まずはタレから。 ステーキ丼のたれ(二皿分) 醤油    大さじ1 みりん   大さじ2 にんにくのすりおろし 少量 タバスコ  数滴 材料をまぜあわせるだけ、ですが。 にんにくの量は控えめに。あまり入れすぎるとくどくなります。 秘密兵器がタバスコです。豚の生姜焼きのレシピにも入れて

たまの贅沢『トマトすき焼きの作り方』

昭和の時代の贅沢といえば牛肉を使ったすき焼き。すき焼きは家でつくるのが経済的にも一番です。焼肉などの他の肉料理と比べるとすき焼きの弱点は酸味がないこと。そのため、最近の脂の多い和牛ではややくどく感じるのか、敬遠されることも。 トマトすき焼きは青柳の主人、小山裕久氏が考案した料理。もともとは家庭で食べていた料理らしく、今では多くのお店で食べることができます。すき焼きにトマトの酸味とグルタミン酸の旨味を加えることで、和牛がさっぱりとおいしく食べられます。 割り下 みりん  2

今晩のおかずに『鶏の照り焼き』

鶏もも肉を使って照り焼きをつくります。鶏の照り焼きを上手につくるにはフライパンを使って加熱するのが簡単。冷めても美味しいのでお弁当の主菜としても活躍してくれます。 鶏の照り焼き 鶏もも肉 1枚 塩   適量 酒 大さじ2 醤油 大さじ1 みりん 大さじ1 砂糖大さじ1 鶏もも肉です。塩をふるタイミングですが、チキンステーキとは違い、全体にふっくらさせたいので、焼く直前に振ります。この時、身側にだけ薄く振っておくのがポイント。皮は焼くときに油が落ちて、塩が流れてしまうので振

メンチカツの作り方

いつもは揚げ物はしないという方もこのGW休みを利用して挑戦してみるのはいかがでしょうか。 メンチカツ 小5個 合挽き肉 300g 塩     3g 生パン粉  20g 玉ねぎ   100g(1/2個)(みじん切り) 卵     1個 トマトケチャップ 大さじ1 ディジョンマスタード 小さじ1 メンチカツは基本的にハンバーグと要領的には似ています。違いは肉の結着をゆるくし、ふんわりとさせる必要がある点。肉肉しい歯ごたえを求めるハンバーグとは違い、衣があるので肉の結着にはそれ

肉餃子の作り方

専門外なので中華系のレシピはnoteやcakesに載せていないのですが、日本生まれの料理ならはいいかな、となったのが今回のテーマである焼き餃子。 餃子は専門店が生餃子や冷凍餃子という形で販売しているのでそれを買った方が簡単ですし、合理的なので、cakesでは焼き餃子の『焼き方』を詳しく解説しています。 とはいえ僕も子供の頃、餃子作りを手伝った思い出がありますが、餃子はみんなでつくると楽しいもの。週末に人を集めて、餃子パーティーなどいかがでしょうか。 肉餃子 豚肩ロース 

鶏胸肉活用法その2『鶏胸肉のパン粉焼き』

久しぶりの鶏胸肉料理です。僕が一番、好きなパン粉焼きをご紹介します。イタリア料理なんかによくある鶏胸肉パン粉焼きです。ゴードン・ラムゼイのレシピでも似たような作り方をみたことがあります。ポイントは「肉を叩く」という点。 皮は今回、使わないので、別の料理に。 なるべく大きくとるようにそぎ切りにしていきます。これは鶏胸肉料理の基本ですね。繊維を断ち切って短くすることで、パサツキを感じにくくします。 厚さ5mm〜7mmを目安に叩いて薄く伸ばします。肉叩きがあればいいのですが、

シンプル煮豚

シンプルな煮豚のレシピです。 豚肩ロース300g 水    400cc 酒    200cc 砂糖   大さじ2 醤油   大さじ2 塩    小さじ1/8(0.7g程度=親指と人指し指でつまんだくらい) 豚肉は肩ロースを使いました。バラ肉よりも脂が少ないので、油抜きの手間がいらないというのがその理由。コラーゲンも豊富なのでじっくりと煮込むとおいしい部位です。 豚肩ロースは4cmを目安に長方形にカットします。煮込むと小さくなるのでやや大きめに。テフロン加工のフライパンを

家でつくるならヒレカツが簡単、という話

家では揚げ物は嫌、という方が多いようですが、実は揚げ物は簡単です。その理由は温度変化がゆるやかで、調整しやすいから。例えるなら安全運転でゆっくりと目的地にたどり着けるイメージです。そのわりには全面から加熱されるので、効率がとてもよく料理を一気につくるのにも向いています。料理屋さん風に言うと「油は仕事が早い」のです。 今日はトンカツを揚げてみようと思います。個人的にはロースが好みですが、今日はヒレカツ。 豚のヒレ肉は内臓側に2本ついている肉なので、特有の癖が出やすい部位です

ステーキになにつけて食べる?

皆さんはステーキになにをつけて食べますか? シンプルに塩、コショウでもいいのですが、今日はいくつかの調味料を試してみます。 牛肉の旬は実は冬。寒い時期は脂の質もよく、一年で一番おいしい牛肉が食べられるのは2月(1月にと畜した肉が食べごろになる頃)です。先日、スーパーに行ったら結構、いい肉が売っていたので、購入。 国産牛のヒレ肉です(これで2000円くらい)肉の見分け方はまず赤身が小豆色をしていること。次に脂肪の模様を見て、脂肪の白い枝の先が細かいものを選びます。脂の量は好

豚バラ肉の黒胡椒煮付けの作り方

cakes連載の更新。 テーマは『豚の角煮』でした。この豚の角煮の問題点は『一度目の下茹で90分』→『二度目の本加熱60分』と時間がかかること。その点を踏まえて、こちらでは30分くらいの煮込み時間でなんとかおいしく食べられる豚バラ肉料理を、というコンセプトで考案したレシピをご紹介します。 豚バラ肉 300g 砂糖   15g 塩    3g 酒    100cc 水    200cc 醤油   大さじ1 砂糖   大さじ1 黒胡椒  好みで 豚バラ肉は加熱時間を短