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鶏胸肉活用法その2『鶏胸肉のパン粉焼き』

久しぶりの鶏胸肉料理です。僕が一番、好きなパン粉焼きをご紹介します。イタリア料理なんかによくある鶏胸肉パン粉焼きです。ゴードン・ラムゼイのレシピでも似たような作り方をみたことがあります。ポイントは「肉を叩く」という点。

皮は今回、使わないので、別の料理に。

なるべく大きくとるようにそぎ切りにしていきます。これは鶏胸肉料理の基本ですね。繊維を断ち切って短くすることで、パサツキを感じにくくします。

厚さ5mm〜7mmを目安に叩いて薄く伸ばします。肉叩きがあればいいのですが、僕は持ってないのでワインの空き瓶で叩きました。

大きくなるのでさらにお得な感じになります。片面だけに塩、胡椒を振ります。叩くことで肉の状態がどのように変わるのでしょうか? 肉を叩くと筋繊維が切れたり、傷ついたりして、噛んだときのキシキシとした繊維感が弱まります。また、筋繊維をまとめる結合組織が傷つき、タンパク質が外に出てきます。そのタンパク質が肉の水分を吸うので、結果的に肉がジューシーになるのです。叩いた肉と叩かない肉を同じ温度まで調理すると、焼き上がり重量で5%〜10%ほどの差が出ますが、それだけ水分が失われない、ということです。

ドライパン粉をザルなどで細かくしてから使います。

手で細かくして、下に落ちたものを使います。ここで、楽をするならミキサーかフードプロセッサーで細かくしてください。

パン粉に好みの量の粉チーズを加えると焦げ目がきれいにつきます。たくさんの量を加える必要はなく全体の5%くらいでOK。

鶏肉に小麦粉をまぶし、両手ではたいて、余分な粉を落とします。粉がたくさんついているとそこからパン粉が剥離するので、この手間は欠かせません。ここで一度手を洗います。

で、きれいになった手で次の作業にうつります。卵液をくぐらせますが、このときは竹串を使うと手に卵がつきません。

表面にパン粉をしっかりとつけます。パン粉がついてしまえばあとは手で触っても大丈夫。

油を多めに敷いたフライパンを中火にかけて、揚げ焼きにしていきます。バターを使いたくなりますが、植物油の方が断然簡単。もしも、バターの風味がほしければ仕上げに溶かしバターを絡める方法(cakes連載のときにフレンチトーストで使った技法)を採用したほうがいでしょう。

これぐらいの焼き色が目安です。鶏胸肉は薄いぶん、すぐに火が通ります。あまり強い焼き色をつけないようにしましょう。

黄金色に焼き揚がった鶏胸肉。レモンを絞って食べます。ここに大量の溶かしバターをかけるとバターチキンというフィレンツェの郷土料理になります。安上がりでおいしいのが魅力の料理です。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!