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料理の基本

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基本的な料理を丁寧に解説します
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2019年3月の記事一覧

BLTサンドイッチの作り方〜主役は誰なのか問題〜

今週のcakes連載では『究極の卵サンド』をとりあげますが、こちらではBLTサンドイッチをつくります。BLTサンドイッチのアルファベットはそれぞれの食材の頭文字、すなわちベーコン(bacon)、レタス(lettuce)、トマト(tomato)を指します。この3つの食材とパンのバランスをどうとっていくか、という部分で個性が出ます。 cakesの連載で詳しくとりあげますが、サンドイッチをおいしくつくるコツは水分のコントロールにあります。この水分という観点から見るとBLTサンドイ

締めの一口カレーの作り方

市販のカレールーを使ったカレーというリクエストにお答えして、今回は締めの一口カレーのレシピです。 カレーのレシピにはいくつかの流派があり、基本的にはインドカレー方式と欧風カレー方式にわかれます。インドカレー方式は玉ねぎと肉類、スパイスを炒めたところに水を加え、希釈したもの。短時間で仕上げるので、スパイスの風味がいきた仕上がりになりなす。一方の欧風カレーは肉類を長時間煮込み、そこにルーでとろみをつけて仕上げます。こちらはマイルドでコクがある仕上がりになるのが特徴です。 コー

鶏胸肉活用法その2『鶏胸肉のパン粉焼き』

久しぶりの鶏胸肉料理です。僕が一番、好きなパン粉焼きをご紹介します。イタリア料理なんかによくある鶏胸肉パン粉焼きです。ゴードン・ラムゼイのレシピでも似たような作り方をみたことがあります。ポイントは「肉を叩く」という点。 皮は今回、使わないので、別の料理に。 なるべく大きくとるようにそぎ切りにしていきます。これは鶏胸肉料理の基本ですね。繊維を断ち切って短くすることで、パサツキを感じにくくします。 厚さ5mm〜7mmを目安に叩いて薄く伸ばします。肉叩きがあればいいのですが、

紅芯大根のピクルス

今日は紅芯大根のピクルスのレシピをご紹介します。3/13日にPOCで行ったイベントで軽食として出したサンドイッチのパーツの一つです。サンドイッチ用の薄切りパン、ガーリックバター、ドライマンゴー入りのキャロットラペ、もも肉のハム、紅芯大根のピクルス、マヨネーズ、ガーリックバター、サンドイッチ用の薄切りパンの順番に重ねました。 断面の写真を撮り忘れていたのですが、つるこさん(@tsurunosuke0120)からご提供いただきました! ありがとうございます。 ハムを薄く切って

ふきのとう味噌の作り方

今の時期、土手に行くと、ふきのとうがいっぱい、生えています。 ふきのとうが手に入ったら、ふき味噌をつくるしかありません。cakesでも紹介していますが、こちらでは白味噌を使ったバージョンをご紹介します。 ふきのとう200gを用意しました。 根本の茶色部分を切り落とします。通常ですとふきのとうはアクが強いので、細かく刻んだらアクがまわる前にすぐに炒めなければならない、とか色々と言いますが、アクがまわるという言葉の意味が僕にはわかりません。アクは水溶性なので、炒めたらどうに

よもぎご飯の作り方

すっかり春めいてきたました。山や川べりに行くと生えているよもぎの季節です。 このよもぎは田舎のお母さん方からもらいました。さて、どうやって食べようか。 よもぎ餅にするのが一般的ですが、餅は意外と大変です。おすすめはよもぎご飯。簡単に春の味が楽しめます。 お米、2合分を普通に炊飯しておきます。やや硬めがいいかもしれません。よもぎの量は40g〜50gのあいだ。 沸騰した湯でよもぎを1分間茹でます。よもぎは新芽の部分がやわらかくておいしいですね。硬い部分は天ぷらに柔らかい部

無印良品のキッチン関係のオススメ

渡辺平日さんの『友達に「無印でなんかおすすめある?」って聞かれたら、僕ならこれをすすめる』という記事が面白いな、と思ったので、僕もオススメを並べてみます。 当然、キッチン、テーブル関係です。 シリコーンスパチュラ 約長さ26cmなにはなくてもすべてのキッチンに常備すべきはこの耐熱ゴムベラ。以前の商品は先端部分が硬く、微妙に使いづらかったのですが、現在は改良されています。シリコンゴムベラは柄と先端が一体化しているものを選びましょう。無印良品のゴムベラは一体型の割に低価格なの

煮魚の復習

煮魚については前にも書きましたが、その復習。今日はサワラの生姜煮をつくります。 材料 サワラ 切り身 1〜2枚  生姜   15gくらい 醤油 大さじ2 砂糖 大さじ4 酒 1/2カップ 水 1/2カップ 塩小さじ1/2 サバ缶ブームですが、サバは資源量に不安のある魚。サワラのほうが資源的に余裕があるので積極的に消費したいところです。こうしたブームを契機に漁業資源問題をどこかでとりあげて欲しいところなんですが、出てくるのは「ブームでサバ缶が値上げ!」みたいなどうでもいい話

ドライマンゴーとニンジンのラペ

日持ちするニンジンでつくるキャロットラペはサラダの定番。レーズンを入れるのが定番ですが、味はいいもののニンジンとの絡みが悪く、皿の下に残ってしまいがち。味的に一番相性がいいのはドライクランベリーなのですが、レーズンと同じ問題点があります。アプリコットも試しましたが、ニンジンよりも風味が強いので、除外。結果として一番、理にかなっていたのがドライマンゴーでした。 材料 ニンジン1本(180g) ドライマンゴー30g オリーブオイル大さじ1+1/2 ワインビネガー 小さじ1 塩2

ブラマンジェのポイントは11℃という温度

今日は『コーヒーのブランマンジェ』をつくります。コーヒー風味なのに仕上がりの色は白という意外性がポイントです。 ブランマンジェは『白い食べ物』という意味のデザート。歴史的には砂糖とアーモンドでつくるのが起源で、中世の頃は鶏肉や蛙肉などを使った液状のスープとしても楽しまれていました。イギリスの三ツ星シェフ、ヘストン・ブルメンタールはその頃のレシピをアレンジし、蛙を使ったブランマンジェを創作しています。 アントナム・カレームが活躍した19世紀になるとブランマンジェはほぼデザー

カスベのムニエルの作り方

カスベとはエイのこと。北海道、青森などではよく食べますが、煮付けにするのが一般的です。しかし、実はおいしいのは唐揚げやムニエルにすること。 今日はカスベのムニエルをつくります。 カスベは身が厚いものと薄いものがありますが、厚いものがムニエルに向いています。 両面に塩を振り、5分以上おいて味を入れます。身が厚く、水分の多い魚なので、ここでしっかりと塩を振っておくことが大事。 表面に浮いた水気をキッチンペーパーで拭き取ります。 牛乳にくぐらせます。この工程はムニエルでは

スープの原型を感じさせるパンのスープ

昔のヨーロッパの一部の地方では、村の中心にパン焼き窯があり、そこで一週間分のパンをまとめて焼く、という風習がありました。そのためフランス料理には硬くなったパンを有効活用するレシピが多くあります。そもそもスープの原型は肉や野菜を煮た汁を硬いパンに注いでやわかくしたものですし、そういえば昨年の暮れに日本で展示されていたフェルメールの絵画『牛乳を注ぐ女』に描かれているのも硬くなったパンを鍋に入れ、そこに牛乳を注いでいる光景でした。 今日、ご紹介するレシピはフランス中西部、オーベル

シンプル煮豚

シンプルな煮豚のレシピです。 豚肩ロース300g 水    400cc 酒    200cc 砂糖   大さじ2 醤油   大さじ2 塩    小さじ1/8(0.7g程度=親指と人指し指でつまんだくらい) 豚肉は肩ロースを使いました。バラ肉よりも脂が少ないので、油抜きの手間がいらないというのがその理由。コラーゲンも豊富なのでじっくりと煮込むとおいしい部位です。 豚肩ロースは4cmを目安に長方形にカットします。煮込むと小さくなるのでやや大きめに。テフロン加工のフライパンを