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料理の基本

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基本的な料理を丁寧に解説します
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2018年2月の記事一覧

基本のピュレスープ〈ニンジンのポタージュ〉

まだ寒いですが、春ニンジンが出回る時期はもうすぐ。というわけで今日はニンジンのポタージュを作ります。 まずニンジンですが基本的には皮ごと使うか、ピーラーで薄く剥いて使います。市販されている土がついていないニンジンは表面を削ってあるので、皮ごと使ってもまず問題なし。面取りをして使うこともありますが、美味しい部位を取りのぞいてしまうわけで避けたいところ。 ニンジンのポタージュ  ニンジン 150g  バター  12g  水    100cc  牛乳   200cc  塩   

道具コラム『電子レンジ』

数年前、電子レンジを使ったレシピを紹介した時、「身体に悪いのではないか」という意見を複数いただいた。庫内でなにが起きているのかわからないので、不安を抱く人が多いのだと思う。電子レンジの不幸は仕組みと名前が一致していないことだ。この名前は当時「電子」という言葉に高級な響きがある(たしかに電子機器なんて当時は高級品だ)という理由から命名されたらしい。 電子レンジは英語では「Microwave Oven」(マイクロ波オーブン)という。マグネトロンという真空管から24億5000万ヘ

ニンジンは焼いて食べると美味しい

『ブロッコリーは茹でるのがベター』という記事の続きです。今回はニンジン。ブロッコリーの風味化合物の多くは脂溶性のため、茹でて食べた方がおいしいという結論でしたが、ニンジンの場合は逆で『焼くのがベター』。 もちろん、カロチンは脂肪分に溶けるのですが(バターとニンジンジュースをあわせて加熱し、遠心分離機にかけてカロチンバターをつくると風味を強めることもできます)風味化合物の多くは水溶性。野菜ストックは玉ねぎやニンジンからつくりますが、それはニンジンの旨味が水に溶けやすいためです

フライパンで魚を焼く 第2回 ~ソース編~

焼いた魚にかけるソースをつくります。強火で焼いた魚は皮の下の部分がどうしてもパサつくので、それを補うためです。今日はフランス料理の基本、ブールブランソースにしましょう。今回も基本の話ではありますが、家庭ではあまり作らないであろうと思われる料理です。液体の乳化、そのメカニズムを復習します。 ブールブランソース  エシャロット 小さめ1個/ 45g(今回は玉ねぎを使用)  白ワインビネガー(今回はシャンパンビネガーを使用) 50cc  白ワイン  100cc  バター

フライパンで魚を焼く 第1回 ~強火編~

これから3回シリーズでフライパンで魚を焼いていきます。熱したフライパンで魚の切り身を焼く、と言ってしまうと簡単ですが、注意する点はいくつかあります。目標は魚にいかに水分を残して、ジューシーに焼きあげるか。 例えばこんな薄いスズキの切り身と 厚みのある鰆の切り身では加熱のアプローチが異なるのは当然。 まずは魚の保存から。スーパーで買ってきた切り身を冷蔵庫にしまう、というのが一 般的ですが、冷たい海を泳いでいる魚の保存は0度~1度が基本です。普通の感覚で冷蔵庫に放り込むと4

鰺の三枚おろし

お魚、三枚におろせますか?  今日は復習です。 小さくて骨の薄い鰺は大名卸しにするのが一般的。Youtubeにアップされているこちらの服部学園の監修の動画でも大名卸しにしていますね。 ちなみに動画のタイトルは「さばき方」になっていますが、丸の魚を切りわけることは「おろす」と言うので注意。「さばく」は下処理全般をさし、二枚おろしや三枚おろしという言葉はありますが、二枚さばきや三枚さばきという言葉はありません。魚はおろすもので、肉は大抵さばくものです。(ちなみにスッポンの解体

ふろふき大根の作り方

シンプルなふろふき大根で、冬の甘い大根を堪能します。 ふろふき大根は炊いた大根を味噌をつけて食べる料理。一般的には大根を下茹でしたあと、出汁で炊いていきます。下茹ですることで大根のアクが抜け、ふっくらと炊ける、と言います。本当でしょうか? 早速、実験です。 下茹でには『米の研ぎ汁』『水+米』などを使うのが一般的。一体、下茹でに意味があるのか〈A 水〉〈B 米(10g)+水〉〈C 米の研ぎ汁〉の三種類で比較してみます。 まずは水だけ。大根の大きさは揃え、部位はバラバラに入

ほうれん草の白和え

ほうれん草の白和えは簡単ながら地味深い料理。小鉢に盛るとおひたしよりもちょっと凝った感じになります。 ほうれん草 半パック 絹ごし豆腐 半丁 塩    小さじ1/4 ほうれん草は適当な長さに切っておきます。 水に浸けてぱりっとさせておくと茹で時間を短縮することができます。このあたりまではほうれん草のお浸し(参考『ほうれん草のお浸し考』)と同じなので、ほうれん草の洗い方などはそちらもご参照ください。 豆腐です。どんな豆腐でもできるのですが、今日は絹ごし豆腐を使います。注

チキンステーキ〜魚焼きグリル版〜

目指すのは「皮はカリっとしていて、なかはジューシーな仕上がり」。前回はフライパンで焼きましたが、今回は魚焼きグリル版です。 チキンステーキ  鶏もも肉 300g相当  塩 重量の1%相当  レモン汁 小さじ1  opinion ディジョンマスタード 適量 まずはスーパーで鶏もも肉を買ってきます。 買ってきた鶏肉はペーパーで表面の水気をふきとります。 分量の塩を両面に振って……肉側にはレモン汁を塗ります。 皮目を上にしてラップをかけずに冷蔵庫へ。一晩(8時間)寝かせる

カリフラワーのリゾット

今日の料理は『choufleurisotto』日本語に訳すると『カリフラリゾット』みたい な感じでしょうか。オリジナルは野菜料理の巨匠、アランパッサール氏のレシピです。 カリフラワーのリゾット カリフラワー 200g(正味) 有塩バター 20g 牛乳 100cc パルメジャーノチーズ 適量 〈付け合わせ〉 マイクロトマト 適量 バター 10g シェリービネガー 大匙2分の1 タイム 適量 レシピは至ってシンプル。ところでカリフラワーのリゾット

朝食にエッグベネディクト

朝食の人気メニュー、エッグベネディクトに挑戦しましょう。外で食べるとやたらと高いメニューですが材料費はそれほどかかりません。 エッグベネディクトをつくる場合の難題はオランデーズソース。 こちらはアメリカの料理学校CIAのシェフによるオランデーズソースの作り方です。オランデーズソースは卵黄と水を湯煎にかけながら泡立て、そこに溶かしバターを加えてつくる乳化ソースですが、温度管理が難しく、時間もかかります。 そこで今日は裏技を使います。必要なのはスティックミキサーか耐熱製容器

滑らかチョコレートタルト

バレンタインディナーのデザートにぴったりのチョコレートタルトです。シンプルなだけにチョコレートの味がそのまま出るので、おいしい製菓用のチョコレートを使うのが唯一のコツ。 チョコレートタルト 18cm一台分  チョコレート 200g  生クリーム  200cc  卵      1個  牛乳     80cc  市販の焼成済みタルト 1個(18cm) 製菓用のチョコレートは細かく刻んでおきます。 他の材料は生クリームと牛乳。生クリームは脂肪分38%か、45%の純乳脂肪のもの

カステラの六面焼き

もらい物の高級カステラがあれば、焼いてもおいしいという話です。(写真は安価なカステラです……) カステラは室町時代の末期にポルトガルの宣教師により伝えられた、とされてます。どうやら昔は砂糖が少なく、パサパサとしたようで、大根おろしを添えて食べたり、吸い物に入れたりして食べられていたそう。 ところでカステラは一般的に安いと鶏卵と砂糖の割合が少ないさっぱり味、高級品ほど鶏卵と砂糖の割合が多い濃厚な味です。まあ、なんでも研究はあるもので『市販カステラの特徴とその嗜好性』(久木野

ホットワインの作り方 2種

今年の冬は寒いので、ホットワインのご紹介。ホットワインというのは和製英語で、英語ではモルドワイン(Mulled Wine)、フランス語ではVin Chaudと言います。スーパーで売っている赤ワインでおいしくできます。 正統派のホットワイン(1人前)  赤ワイン 200cc  みかん   1個  グラニュー糖 大さじ1  シナモンスティック 1本  クローブ(丁字)  2〜3本  カルダモン     1粒(写真はパウダーなので適量)  レモンの皮     適量 一般的な作り