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料理好きのための21世紀料理教室

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低温調理、エスプーマをはじめアルギン酸のカプセルなどの分子料理のテクニックを解説していきます
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#デザート

禁断のオリーブオイルケーキ

昔、食育通信onlineというサイト用に作ったレシピです。禁断の、という名前の由来は常軌を逸した量のオリーブオイルを使うから。オリーブオイルをテイスティングしているとレモンや青いイチゴの風味といったニュアンスを感じるオイルと出会うことがありますが、そうしたフルーティ系のオイルを使うと上手くいきます。 オリーブオイルケーキ A バニラペースト 2g(またはバニラオイル 少々) A グラニュー糖  80g(甘さ控えめが好きなら60g) A 卵黄  2個(38g) A レモン汁 

メンブリージョ(カリンの固形ジャム)の作り方

メンブリージョってなんじゃ、って感じだと思うのですが、マリメロを使ったジャムです。今度はマリメロってなんだって話なのですが、こちらは日本でいうところのカリンの親戚。ジャムといっても固形状で、チーズに添えて食べたりします。 市販品にも様々なやわらかさのものがあり、色々と好みがあるみたいです。買うと高いのですが、カリンは今の時期、直売所で安く売られているので、自作するのが安上がり。実験感覚で挑戦してみてください。 まずこのカリンという果物。生では食べられません(硬くて渋いので

マンゴーのバジル風味、ギリシャヨーグルト添え

このあいだマンゴーの切り方を復習しましましたが、今回はその応用。 マンゴーは三枚におろします。こうやってみるときれいな形をしていますね。 前回はここから格子状に切り込みを入れましたが、今回はダイスにカットします。 そのためには上身と下身を三等分にカットします。 そこから包丁をまな板におしつけるようにして皮を剥きます。マンゴーは果肉がやわらかく、糖度も高いので、手で持って皮をむこうとすると滑ったりして一苦労。そこでこんな皮の剥き方をします。 すべて剥いたら角にカットし

ベーコンとバナナのマドレーヌ

3/31日のイベントのお土産として配布した『ベーコンとバナナのマドレーヌ』のレシピです。イベントのお土産なので普通に売っているお菓子では面白くないだろう、と考えたのがこのベーコンとバナナのマドレーヌです。パティシエはまずつくらない組み合わせ。 家でつくるには分量的にやや多いので表記の分量は写真の半量にしています。これで8cmのマドレーヌ型24個分が目安です。これでも多いので、さらに半分にしてもいいでしょうね……。とりあえず備忘録的にレシピを載せておきます。 ベーコンとバナ

抹茶の雲(ヌーベ)の作り方

食後のデザートの後に提供するプチフール(小菓子)はクッキーやプチマドレーヌなどが定番。求められる要素は小さくても香りのインパクトがあり、しかもお腹いっぱいでも食べられるような軽い食べ心地。 今日、ご紹介する『抹茶の雲』はエルブジの開発したヌーベのテクニックを応用した食後の小菓子です。 抹茶 5g グラニュー糖 15g 水     200cc ゼラチン  3g 必要な材料はシンプル。ゼラチンの分量を極限まで控えているので、5gぐらいから試作をはじめた方が簡単かもしれません

cakes連載とブルーチーズとチョコレート

cakes連載の更新今日は二つの材料でできる極上のチョコレートムース。 noteでも以前、載せたレシピだけど、チョコレート種類を変えながら試作を繰り返した。ちなみにチョコレート系のお菓子の場合、製菓用として売られているチョコレートよりも板チョコの方が失敗の確率が少ない。(丁寧にコンチング=すりつぶし処理がされているため)総じて日本のチョコレートは口溶けを優先させるために粒子が細かいので分離するリスクが非常に低い。大手メーカーの技術力はすごい。 結局、糖分の割合をどれくらい

オブラートを使ったテクニック〈極薄オパリーヌ〉

最新調理テクニック紹介シリーズです。オブラートはエルブジによって発見され、世界のガストロノミー料理に使われている日本発の素材。今日はオパリーヌという薄い飴をつくるテクニックを進化させた極薄オパリーヌをつくります。オリジナルの考案者はエルブジの開発スタッフだったオリオール・カストロ。 まずは中性キャラメルという基本の飴をつくります。ちなみにオパリーヌとは乳白色のガラスのこと。フォンダン140gと水あめ70gをあわせて、小鍋で加熱します。 フォンダンは砂糖と水あめを練って白く

ティラミスの作り方

ティラミスはイタリア料理の定番デザート。オリジナルを考えだしたのは トレヴィーゾの有名リストランテ、レ・ベッケリーエとされています。(異論もあるようなのですが、とりあえず一番有力とされる説です)ワシントン・ポストの記事には信頼性のある話として「子供が生まれた女性(とその子供)に元気をつけるために考案した」という風に書かれています。店で出されたの は1970年代のはじめのこと。歴史のない新しいデザートがあっという間に世界に広まったのですからすごいものです。 ところでレ・ベッケ

焼きリンゴの応用~ピンクペッパー風味のリンゴのソテー~

先日、「焼きリンゴ」を2種類つくりました。今回はその応用編。レシピのオリジナルは三ツ星シェフ、アラン・パッサール氏の「干しぶどうのコンフィとリンゴ、ラム酒風味」。このレシピの最大のポイントはプロならではの風味の組み合わせです。 リンゴは加熱時間が長くなると食感がなくなっていきますが、フライパンで短時間に焼き上げる調理法だと歯ごたえが残って、また別の味わいが生まれます。 リンゴのソテー、ピンクペッパー風味 一皿分 りんご 1個 有塩バター 15g グラニュー糖 大さじ1 干

プリン作り講座 〜座学編〜

定番のおやつ、プリン。作り方の前にまずは少し座学。プリンの味を決定するのは配合と加熱温度ですが、まずは配合について。 インターネットでプリンのレシピを検索すると全卵を使っているものと、卵黄、卵白をそれぞれ使っているもの、牛乳だけ、牛乳に生クリームを混ぜたものなど、様々な配合のプリンが出てきます。基本的に卵黄を多く配合するとやわらかめのまったりとした味に、 卵白が多いとかためのさっぱりとした味になります。 つまり昔風のプリンは全卵で、滑らかプリンは卵黄中心の配合というわけです