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旅のお供は慎重に

ここ最近、一人旅が板に着いてきた。

「一人旅なんて寂しくないの?」と言われることもあるが、寂しくない。
直感的に動けるし、見るもの感じるもの全て自分で吸収していくため、むしろ異国の地を存分に味わうことができると思っている。

人と行く旅行にも、もちろんメリットはある。
1人では入りづらいお店にも入れるし、話し相手がいる分暇しない。
感じたことや見たものを誰かと共有・共感できる。など。

それぞれメリットもデメリットもあるということだが、私の場合はどうにも人と旅行することにストレスを感じやすいタチらしい。

その「人」との関係性によるところが大きいとは思うが、ある旅で改めてそう感じた。

旅の経緯

とある旅で、私は10以上歳の離れた元同僚(女性)とホーチミンに旅行することとなった。

その人とは2回ほど食事をしたことがあるくらいで、特別仲が良いわけではなく、プライベートで連絡も取る間柄ではなかった。

私がベトナムに来てから数ヶ月後、彼女から「また食事でも行こう」という誘いがあり、その時初めてベトナムに移住したことを告げた。

私がベトナムに移住したことを知ると、「ベトナムに以前から興味があったが、ずっと行けなかった。」と打ち明けられた。

それから、ベトナム情報を聞いてくるようになり、たまに数時間の電話もするようになった。電話のたび、「ベトナムに行きたい。その時会えたらいいな。」という話題になる。

心の中では、「そんなに来たいなら1人で来ればいいのに。ベトナムなんて日本から近いし、物価も安いんだから気軽に行けるはず。」と思っていたが、そんなことは言えず。

お互いスケジュールも合わず、しばらくは『行けたらいいね。』という会話が続いたが、1年もすると、とうとう旅行が現実のものとなった。

私のいるハノイへの滞在と、他の都市を一緒に回るというプランだったが、お互い行ってみたい場所を羅列するだけで、具体的な旅行先がしばらく決まらなかった。

最終的にはホーチミンにしようと私が決めて、ホーチミンで待ち合わせをし、そのまま3泊してから、一緒にハノイに移動することとなった。

ちなみに、男女で同じ部屋(もちろんツインベッド)。お互い男女としての意識なんて皆無だし、部屋も広かったので、特に気にもしていなかった。

旅行の準備

旅行前に、お互い行きたい場所をリサーチして共有しあった。
主にレストラン・観光地・買い物・バーのカテゴリで数個ずつリストして彼女に送り、彼女も同じように私にリストを送った。

お互いの行きたい場所もあまり多くなかったため、ゆっくりしながらも全て見て回れるスケジュールだった。

旅行前の不安と期待

初めての土地に行くことはいつでもワクワクする。
ホーチミンはハノイより都会だと聞くし、人の性格も北と南で違うと聞いていたので、違いを発見するのが楽しみだった。

よく言われるのは、ハノイのある北は倹約家で真面目な人が多い。一方南のホーチミンは仕事終わりによく飲みに出かけ、オープンな人が多いということ。

不安といえば、一緒に行く人について。
正直、彼女と私の関係は深くはない。彼女の話はいつも人の話ばかりだし、つまらない。それでいて、人の振り見てなんとやらな言動や行動が鼻につく。

それなのになぜ一緒に行くのか?

お人好しなのかな?なんだか求められたり頼まれるとやってあげたくなる。
と言っても、私はおべっか使ったり、気を遣えるタイプでもない。

彼女は海外歴も長く、英語を使った仕事を何年もやっているので、自分が色々やってあげなくてはという気負いはなく、その点では逆に頼りたいくらいに思っていた。

旅行中の話

一緒に旅行しようと話していたのがつい昨日のように思えたくらい、あっという間に旅行の日になった。

彼女はホーチミンに前日入りしていて、私は仕事帰りに深夜便でハノイからホーチミンへ旅立った。

旅のイライラ1

大都市ホーチミンであっても、都市内の移動手段はバスやタクシーのみ。歩き回るのにはあまりにも暑いし、雨季でスコールも降るため、旅行中はバイクを借りて移動した。

もちろん運転は私。ただ運転自体は問題ではなかった。

バイクで移動していくにあたり、GoogleMapは必須。その日行きたい場所を考え、回る順番・ルートの確認も必要。

その全てを私が行う。

お互い行きたい場所は共有しあっていたので、ある程度場所は絞れていたが、具体的なスケジュールは立てていなかった。

積極的に「今日はここ行こう。」「ここ行ってからこっちも行ってみたいな」みたいな提案があれば自分も楽だが、そういったものは一切なかった。

「行きたい場所の名前と住所わかりますか?」と聞いても「パソコンのエクセルに書いてあるけど覚えていない。」と言い、パソコンを開く。そして私はそれぞれの場所をGoogleMapで検索し保存していく。

こうして一通り行きたいお店の場所を把握し、どうまわっていけばいいのかを計画立てる。

「次ここ行ってみますか?」「次どうしましょうか?」「少し休みますか?」何を言っても、「何でもいいよ/いいよ、それで。」というようなスタンス。

終いには「私はただバイクに乗せてもらうだけなので」という始末。

一緒に旅してるんだし、人ごとのように全て任せるのではなく、少しは助け合いましょうよ。と言いたい気持ちをグッと抑える。(というよりそんなこと言える間柄でもない)

旅のイライラ2

またもバイク関係でのイライラポイントが。
これは自分が細かいだけかもしれないが、彼女の気の利かなさにゲンナリした。

バイクでお店や飲食店を回るとき、必ず駐車場に止める。
バイク大国なので、駐車場は常にいっぱいだし、出し入れするのにも手間取る時がある。

びっしり並べられた駐車場からバイクを出す時も、バイクが来ないか周りを気にしながら、ぶつけないように慎重に重いバイクを移動させているのに、彼女は少し離れてボーッと待っているだけ。

こういうのって、本人に言ったほうがいいのかな。
でも、結局は自分が振り向いて直接見て移動させたほうが早いんだよな。

もうちょっと気を遣ってくれませんか?なんて年上の人に言うのも失礼になるし。

旅のイライラ3

年上の人だからと言う理由で期待するのは良くないけど、やはり何か問題があったら頼りにしたいし、率先して助けてくれると期待していた。

旅行中、ホテルの駐車場を間違えてしまったことがあった。
駐車場に入った時は、何も言われずにすんなり駐車できたのに、ホテルで少し休んだ後、バイクを出そうとした時、セキュリティの人に止められたのだ。

その人曰く、ここの駐車場は別のホテルの従業員専用で、写真証がないと外に出せないと言うものだった。事情を説明してもあまり通じていないようで、支配人のような人まで来る始末。

その間彼女はずっとゲートの外で私のバイクを待っている。

仕方なしに、滞在中のホテルの受付の人に助けを求めた。
英語での事情説明が必要だったので、彼女が詳しく説明してくれればいいなと思っていたが、辿々しいし、要点も掴めていなかったため、結局は私が説明して、セキュリティの人と話をしてもらった。

結局は駐車した時間を伝えて、実際に本当に自分達が入っていったかをカメラで確認してもらい、外出の許可を得た。

大ごとではないにしろ、こんな時まで人ごとのようにただ突っ立ってるだけだったのは本当に残念だった。(パスポートを取りに行って、セキュリティに見せたりはしてくれたが、それも頼んでようやく動いたというまで)

旅のイライラ4

外出中は、彼女の無関心・非協力的なところにゲンナリしていたが、ホテルに帰っても休まることはなかった。

基本的に、夜はビールを買ってきてホテルで飲むという過ごし方をしていた。

彼女は勢いよくバーっと話すタイプではないにしろ、一方的にずっとしゃべっている。しかもその話はつまらないし、何だか自己満で話しているだけのように聞こえた。

私も意地が悪いので、このままずっと黙っていたらどれくらいまでしゃべっているのだろうと心の中でゲームをしていた。

普通は相手が相槌もせずに黙っていたら、相手に話を振ったり、様子を伺うものだと思うのだが、彼女は10分以上もダラダラと終わりのない話をしたり、言い換えているだけで同じようなまとまりのない話を続けた。

もちろん、彼女だって不満はあっただろう。
彼女なりに気を遣って話を振ってくれていたのかもしれない。

その気持ちも分かるが、つまらない話に乗ったふりをして、さらにつまらない話に広がると、結局自分が苦しくなるだけだから、そこそこな相槌をするだけしかできなかった。

こういう人に自分の話をしても無駄だし、それで心を許してくれたと思われても癪なので。

一旦旅は終了

スカイデッキで夕日を見たり、ホーチミンのカオスな道路をバイクで乗りこなしたり、美味しいものを食べたりと、旅自体は楽しめたので、何もかも最悪な旅だったということは決してない。

1人だったらここまで色々できたかも分からないので、彼女がいてよかったとさえ思えている。

ただ、その分イライラしたり、やっぱりこの人とは合わないな。(食事くらいでちょうどいいな)と認識した旅だった。

まとめ

今回は元々不安要素がある人との旅だったので、やっぱりな結果となったが、仲の良い友達同士だって、旅となるとその関係性は変わる可能性がある。

また、どんなに波長のあう人だって、ずっと一緒にいれば少なからずストレスは感じるだろう。

あれこれ決めるのが苦痛ではない人・何でもOKな人など、相性の問題もある。

私は当分は一人旅でいいかな。

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