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ロングインタビュー:アントワーヌ・ブリザール、充実の2021年を語る。

元記事:http://www.ffvolley.org/index.php?mduuseid=Mw%3D%3D&dsgtypid=37&page=actu&actid=NjQ0OQ%3D%3D

見出し写真:Piacenca

https://www.gassalespiacenza.it/media/show_gallery.php?g=110

※翻訳はあくまで趣味の範囲であり、誤訳が含まれる可能性もあることを了承いただきお読みください。

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アルゼンチンのルチアーノ・デチェッコやアーヴィン・エンガペを抑えて2021年の最優秀選手に選出されたアントワーヌ・ブリザール。2022年は幸先の良いスタートを切った。昨年夏にゼニト・サンクトペテルブルクからイタリアのPiacenzaに移籍したフランス人セッターは、このオリンピックイヤーについて振り返り、今シーズンについて語る。


―FIVBが2021年の年間最優秀選手に選出したと聞いたとき、どのような反応をされましたか?

信じられません、本当に不思議な感じでした。
そのランキングのニュースは見ていたのですが、まさか自分が入るとは想像もしていなかったので、1位になるなんて…とんでもないです。
投票ではないとわかっていても、個人でノミネートされたのは初めてなので、本当に嬉しかったです。特に私たちフランス代表の夏(東京五輪金メダル)を象徴しているようです。この大会では、私たちが一丸となって取り組むことができました。


―この順位はふさわしいと思いますか?

わかりません。ただ、2021年の大会でのフランスのバレーボールの成績からすると、当然の結果だと思います。バレーボールがいかに集団競技であるか、特に私たちフランスチームがいかに集団で動くか、ということが表れています。バレーボールで個性を出すのは常に難しいことです。ですから、フランスの選手が選ばれたことは必然だと思います。

―2021年は個人的に最高の年だったとお考えですか?

振り返ってみると、そうですね。ゼニト・サンクトペテルブルクではチームとして3回決勝に進出しましたから。そこでたとえ3回とも負けたとしても、不思議な整合性があるものですね…。それから、本当にいいプレーができたと思うVNL、スポーツの頂点に立った東京五輪でも、国際レベルでとても大きなポイントを通過することができました。そう、やはり素晴らしいシーズンでしたね。

―ロシアとの決勝戦のタイブレークで、ロシアがバックアタックを失敗した後、フランスチームに決定的なアドバンテージを与えたあなたのプレー(サーブでのブレイク)によって2021年を総括することができるでしょうか。

1つの行動で1年を総括するのは難しいし、個人的な行動なのでなんとも。もちろん、自分にとっての東京五輪の象徴ではありますが。しかし私は、フランスチームが行った素晴らしいチームプレーを思い出す方が好きです。

例えば、ポーランド戦のタイブレークでは、サイドアウト(相手のサーブで得点すること)をすべて決め、今大会で最高のレベルに達した瞬間だったと思います。セッターにとって、それはゲームの基本であり、とても重要なことなのです。今となっては、その体験が良い思い出になっています。

―東京五輪の幸福感を消化するために、現実に戻るのに時間がかかりましたか?

そのあとすぐにユーロ(欧州選手権)に移行しなければならなかったのですが、確かに時間がかかりました。私たちは皆、東京五輪のことを考え続けていました。
今でもほぼ毎日そのことを考えているので、まだ現実に戻ってきたとは思えませんね。

私たちはクラブに戻り仕事をしていますが、完全に切り離すことはできないと思うんです。いつも頭の片隅にあるんです。

―ユーロは特に精神的な面で無理があったのでしょうか?

そうですね、東京五輪後のフォローが複雑でした。もしロラン(・ティリ)が監督だったら、夏の目的とは違うので若い選手たちを派遣していたと思います。
でも、監督のベルナルジーニョや新しいスタッフにとっては、来年の夏に向けて時間を稼ぐために私たち主要メンバーがいることが重要だったので、たとえ結果が思うようにいかなかったとしても、この大会に出場したことは無駄にはならなかったと思うんです。

―2022年、大きな目標はロシアで行われる世界選手権ですね。まだ少し遠いですが、オリンピックチャンピオンとして期待されるこの大会をどのように捉えていますか?

いつも通り、かなりタフな大会になりそうです。通常、世界選手権はオリンピックの2年後にやってきます。
オリンピックチャンピオンであっても、優勝候補になるとは思っていませんが、メダルを狙っていきます。

―昨年の夏、ロシアリーグのゼニト・サンクトペテルブルクからイタリアリーグのpiacenzaに移籍する選択をされましたが、その理由を教えてください。

イタリアリーグの質の高さと、どのチームもレベルが高くチーム間の均質性があり、国際的なバレーボール大会に最も近いという理由からです。

昨シーズンのロシアリーグは、パンデミックという特殊な状況で、私個人にとっては難しい年でした。チームのレベルがバラバラで、あまり面白くない試合も多く、あまり好きなリーグではありませんでした。

イタリアにはロシアより惹かれるものがありました。そして、Pizacenzaを選んだのは、そのプロジェクトに魅了されたからです。Pizacenzaは再建中のクラブで、セリエA1に3年在籍していましたが、非常に野心的で、かつてのようなクラブに戻りたいと考えており、このプロジェクトのためにまず私を必要としてくれたのです。

―ピアチェンツァでのシーズンが始まってからの経験は、期待に沿うものでしたか?

はい、それはもう。他のチームと同じようにコロナやケガに悩まされたこともあり、浮き沈みがありましたが、ビッグチームとの対戦ではパフォーマンスを発揮できました。

紙面上では劣っているとされていても、イタリアにはどこのチームにも優秀な選手がいることは確かです。格下のチームでも、1試合30点を取れる選手がいます。本当に強いリーグで、サプライズもよくあります。なので、私の期待に応えてくれるものだと思います。

Piacenzaというクラブにとってはまだ過渡期の1年だと思いますが、Coppa ItaliaでModenaに勝ってベスト4進出を決めたことは大きな前進であり、クラブにとっても良い宣伝になり、監督たちも喜んでいます。その後リーグでは、取るべき勝ち点を3つも4つも失っていますが、プレーオフで自分たちの立ち位置を確認し、予選を突破して可能な限り上位に食い込めるように努力します。

―Perugia、Civitanova、Trentino、ModenaからなるこのSuperLegaのトップ4との違いは何でしょうか?

組織に対する自信と、何よりも一貫性です。トップ4のチームは、大事な場面で疑うことをせず、自分たちの強さを確信しています。
また、PerugiaやCivitanovaと対戦しようとするときに、すでに気持ちの面で負けているチームもあると思いますが、私たちはそのようなことはありません。今、レベル的にはきっと勝負できると思っています。今年のペルージャは本当に良さそうですが、しかし、TrentinoやCivitanovaやModenaとは力の差はそこまでないと思っています。後者の2チームには今シーズン勝ったので、また勝てるでしょう。
ただ、もっと安定させる必要があります。というのも、我々のプレーのレベルは、ピークがあるときは非常に高く、あるときは低すぎるからです。
我々は若いチームであり、素質もあれば欠点もあります。フランチェスコ・レチネはイタリア人のアウトサイドヒッターで非常に若い選手ですが、エネルギーにあふれ、素晴らしい姿勢の持ち主で本当に驚きました。また、オポジットのアディス・ラグムジアは、数年後にはこのポジションで世界最高の選手になるために必要なものをすべて持っている。開幕から絶好調だった彼が、今は少し苦戦しているとしても。

―コロナウイルスの影響を受けていますか?

はい、1ヶ月前に4人のプレイヤーが第一波で影響を受けました。今また、毎日新しい感染者が出ていて、いつプレーできるかわからないという複雑な状況です。自分自身、しっかりと予防をして耐えていますが、今にも感染してしまいそうで...。

―ここまでのシーズンを振り返って、いかがですか?

色々な体調の変化に対応しなければならないので、いつも楽というわけではありませんが、率直に言って満足しています。イタリアリーグはハードだと言われていますが、今のところうまく順応できていると思います。欲しい結果を得られない時もありましたが、ビッグマッチに勝利することもでき、全体的には満足しています。

―イタリアの生活にはどのように適応しているのでしょうか?楽しむ時間はあるのでしょうか?

まず、妻と一緒に過ごせることで昨シーズンと比べてすべてが変わりました。チームでは、すべての選手を理解し、イタリア語も少し話せるようになりました。ロシアにいるときよりもみんなオープンです。交流の面でも大きく変わり、外国人の数も増えました。彼rはロシアやポーランド(ゼニト・サンクトペテルブルクの前はWarsawaでプレー)よりも、ずっと僕らの文化に近いんだ。
また、Piacenzaから3時間半のフランスの南東部に妻の実家があるので、1日でも2日でもたまにそこに帰りますが、いい息抜きになりますよ。

―チームメイトのチボー・ロサールとは別に、フランスチームの他の選手と会う時間はあるのでしょうか?

ババ(バルテレミー・シネニエゼ)には少し会いましたが、やはり時間がないですね。パンデミックによってより難しくなっています。でも、コート上で会えるのは嬉しいですね。

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