北海道旅行記:日本最北端を目指して(5日目:ガラガラだったJR留萌本線)
旅5日目(2022年5月13日)
旅も5日目となった。今日は、JR留萌本線に乗って、留萌に行く。
留萌本線とは、深川駅(深川市)と、留萌駅(留萌市)を結ぶ路線。
かつては留萌より先、増毛(ましけ)まで路線があったが、留萌~増毛間は2016年に廃止。
そして、残った深川~留萌間も、廃止されることが決まってしまった。
留萌~石狩沼田間は2023年春、石狩沼田~深川間は2026年に廃止される予定だ。
さて、地域にかかわらず、廃止が近い路線に共通することがある。
それは、「鉄道ファン」が大挙して乗りに来るということである。
留萌本線も、廃止が正式に決まった今年夏以降は、鉄道ファンが多数訪れている。列車は混雑するのが当たり前になった。
しかし、本日5月13日は、まだ鉄道ファンの視線が留萌本線に集まっていなかった。
旭川駅から、特急ライラックで深川まで行き、深川で留萌本線に乗り換える。
留萌本線の列車に乗り込む。
写真には乗客が1人も写っていない。実際には乗客はいたが、それでも10人に満たなかった。
私は、「誰も乗っていないから、留萌本線は要らない!」と言うためにこの写真を提示しているわけではない。
路線の廃止が宣告される前と後で、どれだけ乗車率が変わるのかを示すためだ。
ローカル線をじっくり楽しむなら、廃止が発表されてからでは遅いということだと思う。
深川駅から、11時10分発の留萌行きに乗車。深川から留萌は、1時間ちょっとかかる。
深川~留萌間には「深川留萌道」という高規格道路が整備されている。この道路ができたことで、深川~留萌の移動時間は短縮され、同時に留萌本線の需要も減ってしまったことだろう。
鉄道はいつも軽視されているのに、道路にばかり潤沢な公的資金が投入される。何か違和感があるが、もはや仕方がないことなのか。
途中、石狩沼田駅で下車があったが、他の駅では乗降ともにほぼなく、終点の留萌に到着。
留萌駅は、昭和の雰囲気を残す駅舎となっている。
昼時なので、ランチを食べられるお店を探す。留萌駅前にもいくつかお店があるが、今回は留萌十字街方面に行った。
昼ご飯は、「Cレストラン」というお店で食べた。留萌市街地は居酒屋やスナックなど、夜のお店は結構あるが、ランチを食べられるお店は少ないと感じた。
ランチを食べた後は、留萌港方面に歩く。
留萌港の先っぽにある、「波灯の女」。
留萌市を代表する景勝地、黄金岬。
近くには食堂もある。食堂がある岬と言うと、「宗谷岬」や「納沙布岬」、「神威岬」など、全国的に知られている岬が多いが、ここ黄金岬にも食堂があるのは少し意外だ。
写真の後ろに写っている立派な建物は、「留萌市海のふるさと館」。博物館的な施設で、無料で入ることができる。
留萌市は、港町として古くから発展した地域。ふるさと館の中には、全国各地の港町をまとめた地図があったが、そこには本州のさまざまな町が書かれていて、少し懐かしい気分になった。
ゆっくり海を見たら、留萌駅まで戻る。
留萌本線廃止後、この駅舎と土地はどうなるのだろうか。
広々とした敷地があるから、留萌のバスターミナルでも整備すれば、公共交通を使いやすくなって良いと思う。
留萌から、留萌本線で深川、そこから乗り換えて、旭川に戻る。
帰りの列車も、乗客は10人いなかった。静かな列車で、今思えば贅沢な列車旅ができたと思う。
6日目(最終日)の様子は、次の記事でお伝えします。最後までお読みいただきありがとうございました。
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