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平日徘徊:JR白石駅、厚別駅訪問など

本日は札幌市厚別区の新さっぽろサンピアザ「光の広場」にて「アツベツ古書の街」という古本市が行われるようなので、行ってみることにする。


環状通東駅⇒菊水元町⇒JR白石駅

ただ新札幌に行くだけでは面白くないので、遠回りしながら向かう。
まずは地下鉄東豊線の環状通東駅へ出て、そこから南へ進んで「北13条・北郷(きたごう)通」に入り、北郷方面に進む。

北13条・北郷通

北13条・北郷通は北区北13条の北海道大学付近を起点に、東区と白石区菊水元町、北郷を通って、厚別区方面に至る道路らしい。

東区北12条東17丁目付近

「ドラッグセイムス」を通過。
このドラッグストアは私が川崎市に住んでいた時、よく行っていたチェーン店だ。札幌にも店舗があることは最近知った。

北13条・北郷通

「北13条・北郷通」は環状通と比べると歩道が狭く、しかも逆走チャリが時々出現するから、少し歩きにくい所がある。

苗穂グリーン公園付近

途中、電子タバコを吸いながら歩いている20~30代くらいの女性を見かける。10秒に1回くらいのペースで、煙草を口に当てている。
札幌は非常に歩き煙草の多い地域だが、女性のそれは極めて少なく、(女性の喫煙率が全国トップである割には)これまでの約2年間で2~3人程度しか見たことがない。

(男性はいちいち数えていないが、少なくとも30人以上は見ていると思う。2年間で仮に30人というと少ないかもしれないが、外出する時間が少ないというのと、旅行で札幌を離れていた時期もあったので、それらを考慮すると多いと言えるのではないだろうか?それに路上喫煙の多いとされる繫華街に行くこともまた少なく、観測した歩き煙草のほとんどは住宅街で見たものである。さらに、電子タバコよりも紙巻きタバコを吸っている例が多い。)

北海道の喫煙率の高さについてはその原因以外に特に興味はないが、老若男女が路上でスパスパと路上で煙草を吸う光景を見るたびに、暗澹たる気分になるのでやめてもらいたい。

以前ある新書を読んでいたら、内田樹という思想家の方が、「副流煙が~とかそういう発想は吝嗇で、反共同体的で、かつ新自由主義的だと思う」と言っていた。

(「吝嗇」(りんしょく)とは、「ケチ」という意味。私はこの言葉を坂口安吾か太宰治を読んだ時に初めて知ったのだが、これは分かっていて当然の言葉なのだろうか、それとも一部の日本語に詳しい人が知っている程度の言葉だろうか。)

彼曰く、「副流煙を吸わせるなって言うのは、お前の出す匂いを俺は嗅ぎたくないってことでしょう。でも共同体ってのは、本来空気を共有するものであって、お互いの臭いを許容することが当たり前ですよね。それに禁煙運動に取り組んでいる政治家って、だいたい新自由主義者なんですよ。なぜなら自分のものは自分、他人のものは他人って分断して、誰かと資源を分け合うなんてしたくないのが彼らなんですから。」とのこと。

彼の著書はほかにも読んだことがあり、そこでも中間共同体の喪失を嘆いておられた。私も共同体がほとんど無に近いほどにまで葬り去られた現代社会は良くないと感じているし、彼の言うことの多くは私も同意できると考えている。

しかしながら、殊禁煙に関する彼の言説にはいくつか問題点がある。
まず副流煙を嫌う原因が、「臭い」だけにあると捉えているところである。
スムーズな議論をするために敢えてそうしたのかもしれないが、多くの人が副流煙を毛嫌いするのは、それによって非喫煙者が喫煙者と同じかもしくはそれよりも酷いレベルで健康を害されるからである。

(正直なところ、私自身は副流煙による健康被害についてはそれほど気にしていない。私が路上喫煙者を悪く言うのは、この現代にあって公然と喫煙所でもない場所で煙草を吸うことのできる、そのメンタリティに呆れているからであって、副流煙が有害だからではない。しかしながら、ここでは内田氏が副流煙を持ち出して路上喫煙を論じているため、私も副流煙という視点から彼の議論を評価したいと考えている。)

煙草の効用と害悪をともに受け容れている喫煙者ならばともかく、副流煙の被害を受ける非喫煙者は、当然煙草を吸っていないわけだから、百害あって一利なしというわけである。
にもかかわらず、内田氏は「臭い」に議論の焦点を持っていき、「副流煙を嫌う=他人の臭いを嫌うのは反共同体的である」と見做している。
さらに、禁煙運動の多くが新自由主義者によるものであるとする議論も、本当にそうなのか疑わしい。
確かに新自由主義者は、これまで誰にでも解放されていたものを民間に維持管理させ、お金を払った人間や、特定の資格のある人間以外には使わせないようにすることを得意としている。
都市の再開発によって公園を民間企業に売り払ったり、国鉄を民営化して、「民間企業である」ことを理由に赤字路線を積極的に廃止しようとしたり、鉄道駅構内の余ったスペースは少しでもお金になる店を作るのに充てたりと、それが当てはまる事例は枚挙に暇がない。

しかしながら、もし禁煙運動が新自由主義者の専売特許だと言うのであれば、新自由主義的でない政治家の多くが禁煙運動を否定する、或いは消極的でなければおかしいであろう。
例えば、新自由主義者はしばしば男女同権を主張し、性別よりも能力の良し悪しによって人選をするべきだと説いているが、だからといって人は、男女同権を主張する人間が新自由主義者ばかりだとは言わないだろう。

それと同様に、仮に禁煙運動や副流煙を嫌悪するという考え方が新自由主義と相性の良い物だとしても、それだけをもって禁煙運動は新自由主義的なものだと見做すことは困難であると思う。

道営グリーン団地

「道営グリーン団地」という公営住宅のすぐ側を通る。
ここの住所は東区北7条東20丁目だが、その向かいにあるなか卯は「本町」、そして団地のすぐ近くにある薬局は「苗穂町」に属するという、若干ややこしい地域である。
そういえば最近苗穂町で、複数の飲食店の窓ガラスが割られ荒らされるという事件があったようだが、この辺の治安は大丈夫だろうか。

苗穂町周辺の地図

東区苗穂町は、JR苗穂駅からは若干離れたところにある。
陸上自衛隊の分屯地や工場などがあり、人口は1800人ちょっとらしい。
あまり詳しいことは知らない。
いつか札幌市内の全てのエリアを1つ1つ隈なく見てみるというのをやりたいと思うので、その機会があれば詳しく現地調査してみたい。

北十三条大橋近くの交差点

ひたすら北13条・北郷通沿いを進んで、北十三条大橋の辺りまでやってきた。

この橋を渡ると、東区から白石区に入る。

北十三条大橋
豊平川河川敷

橋を渡り終えると、歩道に入るために一度車道を渡らなければならない。
後ろから自動車がやってこないかを入念に確認しなければならないので、私はこの構造が好きではない。
同じ豊平川に架かる橋でも、中央区辺りではこんな構造になっていないのだが、この辺の地域はそれほど栄えていないせいか、完全に自動車の利便性を優先してしまっている。

白石区菊水元町(ブックオフ菊水元町店付近)

白石区の「菊水元町」という地域を歩いている。
この地域はブックオフ探訪を含めて、これまで5,6回くらいは来ているが、車の運転が荒い傾向にあると感じていて、個人的にはあまり印象の良くない所である。

望月寒川

望月寒川(もつきさむがわ)を渡ると、菊水元町から北郷に入る。

北郷ライラック公園

そろそろ、JR函館本線・千歳線の線路が見えてくる。

JR線の線路

線路沿いを歩いて行けば、そのうち白石駅に着く。

この区間は札幌から各地に向かう特急や快速などが通るので、頻繁に通過列車がある。

環状通の真下を通る

雪が溶け、春がやってくると、札幌市内のあちこちで工事が始まる。

白石駅前の住宅街

この住宅街でも、道路の一部を封鎖して何かの工事が行われていた。

JR白石駅北口の風景

住宅街を通ったら、いきなりJR白石駅が現れた。
この駅は初めて来たが、地下鉄白石駅と比べると静かな雰囲気が広がっている。

JR白石駅北口

JR白石駅⇒厚別駅⇒新さっぽろ(新札幌)駅

白石駅にて

この駅も苗穂駅同様、最近(2011年)新しくなった駅舎らしく、綺麗で広々としている。
地下鉄駅と比べると、まるで数十年タイムスリップしたように思える。

白石駅の運賃表

白石駅からは、JR線で移動しようと思う。
JRはSAPICA(札幌市の交通系ICカード)が使えないので、モバイルSuicaで乗車する。

目的地は新札幌駅だが、新札幌を通る千歳線は20分ほど来ないので、函館本線に乗って厚別駅で降り、そこから新札幌に歩いて行こうと思う。

運賃表を見ると、白石から厚別までは250円
JR北海道を含むJR各社では、来春から障害者割引が精神障害者保健福祉手帳の所持者でも使えるようになるが、残念ながら近距離(片道100km以内)のきっぷには割引が適用されない。

なので、たとえ障害者割引が使えるようになっても、札幌市内やその周辺を移動するだけでは、何の恩恵も受けられないというわけである。
札幌市内ならば、地下鉄や市電で障害者割引が使える(路線バスは、現時点では身体障害者手帳、療育手帳所持者のみ)ので、交通費を考えると地下鉄を使った方が良いということになる。
とはいえ、地下鉄ばかりだと面白くないので、定期的にJRを使っていきたいと思う。

白石駅改札にて
白石駅駅名標
発車案内

9時30分発の岩見沢行きに乗車し、一駅先の厚別駅へ。
岩見沢と言えば、私が以前からちょくちょくウォッチしている「あの人」が住んでいるところ。
私は趣味の一つとして、世の中でそれほど知られていない変わった人を密かにウォッチするのが好きなのだが、岩見沢のその人も結構な変わり者だ。
とはいえ、私自身も一般人から大きく乖離した存在になっているので、別にそういった人を見下しているわけではなく、現実では関わるつもりはないが親近感を持って見ているという感じである。

白石駅ホームに滑り込む電車

平和駅を通り過ぎ、厚別駅までは3分ちょっとで辿り着く。
白石から厚別まで僅か3分、千歳線で新札幌まで行く場合も4~7分。
地下鉄なら12分かかることを考えると、やはりJR線は速いなと思う。
(本数は地下鉄と比べると圧倒的に少ないけれど)

JR厚別駅

厚別駅に来るのも、今回が初めてだ。
駅舎の写真を撮るのを失敗してしまったが、駅舎は北海道で言えば根室駅や白糠駅、江別駅を思わせるような佇まいをしている。
郊外の駅らしい健やかな雰囲気が好ましい。
地下鉄という鉄道システムそのものは好きだけど、駅の殺風景な雰囲気は、陰鬱な気持ちがさらに増幅させられるようであまり好きではないのだ。

厚別西通を南へ

かつて、夜行急行はまなすが運行されていた時代、多くの鉄道旅行者が新札幌から厚別まで走って乗り換えるという、「厚別ダッシュ」を実践していた。

(「厚別ダッシュ」をする理由・・・函館本線には、朝6時頃に札幌駅を出る旭川行きの鈍行があるが、その列車は急行はまなすが札幌に到着するよりも前に発車してしまう。しかし、はまなすを新札幌で降り、厚別駅まで歩いて移動することで、厚別から札幌発旭川行き鈍行に乗り継ぐことができ、旭川方面まで特急に乗らずにアクセスすることが可能になる。)

はまなすは2016年に廃止、私が大学生になる前のことだったので一度も乗ることはできなかった。

JR千歳線の高架が見える

急行はまなすがなくなった現在、この道を通る旅行者が全くいなくなったと思うと、地方衰退はこういうところから始まるのだなと感じる。

厚別西通を南下し、JR千歳線の高架が見えたら、高架下に入って新札幌駅方面に向かう。

JR千歳線の高架下
高架下には飲食店が入っている

古本市が行われる「サンピアザ」の建物が見えてきた。

厚別中央通り、札幌江別通が交差する

新札幌は札幌の副都心として開発されただけあって、市内でも特に都会的な雰囲気を感じる。

新札幌駅前

この写真からだとそれほど都会には見えないが、歩道沿いに店が立ち並んでいる様子は、さながら首都圏の駅前繁華街を思わせる。

新札幌駅に到着。厚別駅からは徒歩15~20分ほどかかり、道は分かりやすいが近くもなく遠くもないという印象。
駅前には商業施設が多数あって、「サンピアザ」がどこなのかよく分からない。

古本市「アツベツ古書の街」

サンピアザ入口(シャッターが開いた直後)

イオンの中を通り、ようやくサンピアザ入口まで来ることができた。

古本市の様子

午前10時、開店とほぼ同時にサンピアザ1階の「光の広場」に入り、ほとんど一番乗りという勢いで古本市に向かう。
「光の広場」という名称だが、それが屋内にあるというのがいかにも北海道らしいと感じる。

古本市で販売されている本たち

古本市では、札幌市内にある複数の古本屋が出店している。
以前からX(旧Twitter)の書き込みを度々見させていただいている、とある古本屋の店主と思われる方もおり、「あれがあの古本屋の人か」などと思いながら本を眺める。

とりあえず端から端まで、30分くらいかけて見てみた。
本だけでなく、レコードやDVD、あとはよくは分からなかったがマニアックそうな品など色々な商品があった。
岩波文庫の「大森貝塚」が200円だったので、ちょっと買おうか迷ったのだが、ブックオフで買い付けた本約40冊がまだ未読であり、これ以上買っても積読が増えるだけだと思い、今回は買わず仕舞いに。
(じゃあ何で古本市に来たんだという話だが、本を買うことではなく古本市に行くことが目的だったので、特に問題はない。)

金曜日の昼間にもかかわらず、古本市は結構賑わっていた。
おそらく明日明後日の土日は、さらに人出が多くなることだろう。

新さっぽろ~ひばりが丘間

サンピアザ水族館付近

さて、今日の用事は終わったのでそろそろ帰ろうと言うことで。
新さっぽろ~ひばりが丘間の様子を観察したく、ひばりが丘駅まで歩く。

札幌学院大学

本来はついでに厚別図書館に寄るつもりだったのだが、考え事が多すぎて完全に忘れてしまっていた。
札幌学院大学という大学がある。この隣には看護系の専門学校もあり、ともに綺麗な建物である。
キャンパスは結構狭そうに見える、学生数はそれほど多くはないだろうが、これだと窮屈に感じてしまいそうだ。

南郷通

新さっぽろからは、南郷通をただひたすら進んで行くだけで、隣のひばりが丘駅に到着する。
徒歩15分程度しかかからないので、あっという間に着いてしまった。

地下鉄東西線:ひばりが丘駅

新さっぽろ~ひばりが丘駅間は、先ほども出てきた大学と専門学校の他には、市営ひばりが丘団地が広がっていて、人通りは少ないが治安は良さそうだと思った。

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