札幌市内ブックオフ探訪(その12:市内全店舗制覇)
今日は19店舗目、札幌市白石区にあるブックオフ川下店に行く。
南郷7丁目駅(南郷7丁目バスターミナル)まで
まずは、地下鉄東西線の南郷7丁目駅に向かう。
大通駅の東西線ホームにて、電車から降りてきたオレンジ色のコートを着た中年くらいの男に肩をぶつけられる。
加えて、私のすぐ前で電車を待っていた女性が、スマホを弄りながらのろのろと電車に乗り込んでいたので、さらに怒りに火が付いてしまう。
ブックオフに行くという崇高な目的を、こんな人たちに邪魔されるわけにはいかない。
私の精神は荒みかけたが、その直前に大通の駅で見かけた女性の太腿が本当に素晴らしかったので、何とか抑えることができた。
怒りを制御するには、怒りの対象に何らかの形で制裁を加えるか、それと正反対の感情でもって中和させるしかない。
電車に乗り、10分程度で南郷7丁目駅に到着。
札幌という街に住むのなら、いつまでも観光客気分でいた方が精神衛生上良い。地元民と同じ土俵に立とうとするから、変な気を起こすのだ。
駅の外に出て、バスターミナルへと向かう。
何もない殺風景な地下道を通る。
駅1番出口のすぐ横に南郷7丁目バスターミナルがある。
ここから、白25北都線の新さっぽろ駅行きに乗るが、土休日は30分に1本程度しか本数がなく、タイミングも悪かったため、30分近くバスを待たねばならなくなった。
南郷7丁目バスターミナルにて
暇なので駅周辺を軽く見てみる。
パチンコ屋と、24時間営業のスーパー(東光ストア)があるだけ。
放置自転車の撤去を宣告する貼り紙。
札幌は放置自転車が全国でも特に多い地域らしい。
確かに、市内のあちこちで雪に埋もれた自転車を頻繁に目にする。
決して安くはない乗り物のはずなのに、なぜそう簡単に放置できるのか、私にはよく分からない。
公共の駐輪場=自分の持ち物とでも思っているのだろうか。
バスターミナル近くの駐輪場のような場所には、雪解けによって冬の間隠れていたゴミが姿を現している。
串のゴミがやけに多いが、市民は串が好きなのだろうか?
そんなことを考えながら、南郷通を通る車から鳴り響くクラクションを聴き、春が近づくにつれて札幌市民の交通マナーが悪くなっていることを実感しながら、バスを待つ。
駅へと向かう人々の視線も気にせず、ただ一人で古びたバスターミナルでバスを待つと言うのは、意外と楽しいことである。
これを楽しめる人は、北海道の田舎に行くとさらに楽しめること間違いない。
南郷7丁目⇒ブックオフ川下店
ようやくやってきた新さっぽろ駅行きバスに乗る。
乗客数はかなり多く、20人以上乗っている区間もあった。
これだけ利用があるなら、土休日も20分に1本程度運行した方が良いだろうが、運転手不足で難しいのだろうか。
20分ほどで目的地の「川下2条4丁目」に到着。
このバス停は、ブックオフ川下店の最寄りで、店舗のすぐ目の前にある。
さて、とうとう札幌市内ラスト、19店舗目となる川下店にやってきた。
これを以て、札幌市内のブックオフ全店舗に訪れることができた。
不思議と、達成感のような感情は湧き上がってこなかった。
それよりも、目標が喪失し、今後やるべきことがなくなることへの心配の方が強かった。
さっそく、岩波文庫(110円)の品揃えを見ていく。
カバーのない本(旧版)が圧倒的に多い。
こちらも、カバーのない本(「昆虫記」)が多かった。
毎度おなじみ、「銀の匙」もしっかり置かれていた。
芥川龍之介の本も見かけた。
「280円以下」のコーナーに、昨日買った「月の満ち欠け」(岩波文庫)2冊が280円で売られていた。
講談社学術文庫は、「経済学の学び方」「日本国憲法」など6冊だけであった。
土曜日のため、店内にはそこそこ客がいたが、私が来た途端徐々に人がいなくなって、最終的にはほとんど貸し切り状態で快適に本を探すことができた。
帰り際に、100円でない岩波文庫のエリアをチラッと見たら、「君たちはどう生きるか」が700円くらいの値段で売られていた。
やはり、あの時宮の沢店で100円で買えたのは、本当にラッキーだったんだなと思った。
この店舗では、岩波文庫の本(「蜘蛛の糸・杜子春・トロッコ他17篇」など)を4冊買った。
ブックオフ川下店⇒JR平和駅⇒すき家
ブックオフを退店、そろそろ昼が近づいてきたので、飲食店を探しに行く。
途中、寄り道をしてJR平和駅を見てみる。
快速が頻繁に通る大幹線、JR千歳線の駅(函館本線の線路もすぐ側を通るが、列車は停車しない)だが、存在感はかなり薄かった。
平和駅の周辺は貨物線が敷かれているため、線路を渡る跨線橋が非常に長いことで知られている。
跨線橋を渡ると、大谷地IC方面に抜けられるようだが、付近に路線バスが通っていないようなので、来た道を戻ることにした。
なお、つい最近までは札幌駅と平和駅を結ぶ路線バスがあったが、昨年秋に廃止されてしまった。札幌市内でも路線廃止がどんどん進んでいる。
「JRがあるから別に良い」という向きもあると思うが、駅間の長いJRは中・長距離移動、路線バスは短距離移動がメインだから、本来は両方の交通機関があってしかるべしである。
バスが廃止になってしまうということは、運転手不足が深刻というのもあるだろうが、短距離移動の多くが自家用車に取って代わられてしまったのが大きいだろう。
引き続き、北13条・北郷通を西に進む。
外気温はそれほど高くはない(5度前後)が、日差しが強く完全に春のような空気が流れている。
上着を着て歩くには暑く、段々汗をかいてくる。
もう少し西に行くと、「すき家」があるようだから、混んでいなければそこで昼飯を食べることに決めた。
すき家に到着。
カウンター席に少し空きがあったので、ここでご飯を食べる。
席に置かれているタッチパネルで注文をしたが、店員が一向にお茶を持ってこない。
声を掛けようかとも考えたが、牛丼と一緒に持ってきてくれた。
どうやら、私が入店したことに気づいていなかったようである。
相変わらず、自分の存在感がないことを再認識した。
さて、ここで私の存在感のなさを物語る過去のエピソードを披露しようと思う。
私が小学生だった頃、放課後に親の仕事が終わるまで、子どもを預かってもらえる場所が校内にあって、私はそこを利用していた。
そこでは、毎日簡単なおやつが配られることになっており、ある日、おやつとしてケーキが出る日があった。
ケーキを置くための紙が全員に配られ、子どもたちはその上に職員からもらったケーキ一切れを載せて食べるのだが、なぜか私だけケーキがもらえなかった。
当時の私は酷い緘黙を抱えていたので、職員にケーキがないことを告げることもできず、ただひたすら「俺だけケーキがないって?もう食べちゃったからないのさ、貰えなかったからじゃないんだ」という風を装っていた。
今思えば、職員が私に対する嫌がらせでケーキを呉れなかった可能性も否定できないが、もしそうだとしたら子どもの私は、大人たちを信じることができなくなったことだろう。
北郷2条8⇒南郷7丁目駅⇒白石駅・白石区複合庁舎
すき家のすぐ近くでは、「イオン北郷(きたごう)店」が建設されようとしていた。
「イオン」という名を冠してはいるが、規模感からするにマックスバリュとあまり変わらない感じがする。
ご飯を食べたばかりで歩くのは大変なので、バスで駅まで戻ることにする。
土休日は1時間に2本しかバスがないが、ちょうど10分後に来るようだ。
帰りのバス(南郷7丁目駅行き)も、そこそこ人が乗っている。
白石区の北郷という地域を主に通るバスだが、この地域は人口が結構多いのかもしれない。
南郷7丁目駅に到着。
ここから、隣の白石駅まで歩いていく。
Googleマップによれば、徒歩16分程度の距離らしいから、それほど遠くはない。
南郷7丁目駅のすぐ近くには、白石消防署がある。
新しそうな建物だった。
「アサヒビール園」という施設を発見。
ちょうど白石駅と南郷7丁目駅の中間地点にあって、駅からは少し距離があるが、路線バスでもアクセスできるようだ。
南郷7丁目駅⇒白石駅の区間は市街地が連続していて、人通りも多かったから、意外と歩きやすかった。
近所の服屋で野暮用を済ませた後は、白石区役所に行ってみる。
区役所は白石駅に直結していて、おそらく札幌の区の中では手稲区に並んで、最も交通アクセスが良い区役所だと思われる。
白石区は人口約21万人、札幌市は数年前から人口減少が始まり、現在は196万6000人ちょっととなっている。
白石区複合庁舎の6階にある、区民センター図書室へ。
エレベーターで行くこともできるが、敢えて階段を使った。
3~4階程度なら平気だが、6階になると結構疲れる。
区民センター図書室の中を見学。
最近できた建物だけあって、かなり綺麗な図書室だった。
それからは、簡単に白石駅周辺を見て終了。
この辺のエリアは札幌でも特に「街」の面積が広く、中心部に次いで都会じゃないか?と一瞬だけ思った。
札幌市内で中心部に次いで都会な地域というと、一般的には西区の琴似や北区の麻生、北24条、そして厚別区の新さっぽろが挙げられることが多い。
確かにこれらのエリアも都会ではあるのだが、今回行った白石駅周辺は区役所の建物が一新され、現代風の都会的なシンボルが形成されているせいか、かなり栄えているように感じた。
ブックオフ探訪まとめ
・訪れた店舗:札幌市内全店舗(19店舗)
・札幌市内制覇にかかった日数:14日間
・個人的に品ぞろえが良いと思った店舗:屯田店、宮の沢店、川沿店
・購入した本の冊数:24冊(全て110円本)
・110円コーナーでよく見かけた岩波文庫の本:「銀の匙」「育児の百科」「福翁自伝」「方法序説」など
今後のブックオフ探訪について
今回を以て札幌市内の全店舗に訪れることができた。
さて、今後のブックオフ探訪はどうなるのか。
まだはっきりしていないが、考えているのは
①定期的に各店舗を再訪する、②札幌市外の店舗に行くの2点である。
市外の店舗については、小樽市や江別市、恵庭市、千歳市など札幌圏の他、苫小牧市や岩見沢市、旭川市などにも店舗がある。(合計21店舗)
札幌の外へ遠征する場合、市内よりも交通費がかかるだけでなく、札幌よりも公共交通の便が良くない地域が多いため、全店舗に訪れるのは困難だとは思うが、機会があれば行ってみたいと思う。
※札幌市外のブックオフ21店舗の所在自治体
旭川市、函館市:それぞれ3店舗
苫小牧市:2店舗
小樽市、江別市、恵庭市、千歳市、岩見沢市、滝川市、登別市、北斗市、帯広市、音更町、北見市、網走市、釧路市:それぞれ1店舗
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