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札幌市内ブックオフ探訪(その2)

さて、今回は札幌市北区屯田(とんでん)にあるブックオフへ行く。
屯田という地名は「屯田兵」から来ていて、本州から屯田兵が当地に入植してきたことからこのような地名になったようだ。

地下鉄やJRの駅は全くなく、公共交通は路線バスだけという地域だが、地価の安さが奏功してか、近年は新興住宅地として人気を集めている。
イトーヨーカドー(24年8月ごろ撤退、OICグループに引き継ぎ予定)やヤマダ電機など、商業施設も充実しており、自家用車があれば住みやすそうだ。

しかしながら、私は自家用車はおろか普通自動車免許すら持たない身なので、今回は徒歩で屯田まで行くことにする。

北区百合が原付近

地下鉄駅から北上し、百合が原公園付近を通って屯田へ向かう。

スーパースポーツゼビオ札幌太平店付近

札幌の北側、石狩市に近いエリアのため、積雪量は多い。
太平や屯田の住宅街に入ると、日曜だからか雪かきをする住民が多く目につく。
その雪かきの徹底ぶりと言ったら凄いもので、昨夜は大して雪が降っていないのに熱心に雪を掻き出していて、アスファルトが露わになるほど雪かきをしている家もあった。

雪かきに熱心というのは、つまり自分の身の回りのことに気を付けている証拠でもあるだろうから、無頓着な人が多い地域よりは治安が良くなると思う。

「北三番橋」付近の交差点

前述の通り、屯田エリアは公共交通がバスしかないため、自家用車がメインの移動手段となっている。
その風景はさながら地方のロードサイド店舗が密集する幹線道路沿いと似ている。
しかしながら、屯田はロードサイド店舗の集積具合が穏やかであり、道路沿いには住宅も多いため、歩きやすい印象だ。

ヤマダ電機テックランド札幌屯田店付近の歩道

歩道はしっかり除雪されているが、雪の下は凍っている。
調子に乗っていると氷に足を滑らせる危険があるので、一見安全そうな道でも油断しないことが重要だ。

札幌市立屯田小学校の校舎

役所のような立派な建物の屯田小学校が見えてきたら、ブックオフ屯田店はすぐそこだ。

ブックオフ屯田店

1時間以上歩いてきて、ようやく屯田店に到着した。
平屋建ての店舗だが、中は広々としている。
品揃えは多く、今まで行った5店舗(南2条、琴似、麻生駅前、北41条、伏古)を圧倒している。

文庫本、新書本コーナーに急ぐと、岩波文庫は110~220円で買える本がざっと10~20冊はあった。岩波新書も20~30冊くらいあってかなり充実している。

岩波文庫のラインナップは、「銀の匙」「福翁自伝」「罪と罰」「一茶俳句集」「社会契約説」「幸福論」など。
岩波新書では丸山真男の「日本の思想」や、清水幾多郎の「論文の書き方」、E.H.カーの「歴史とは何か」といった緑版もあった。

結局岩波の本は買わなかったが、110円の文庫本2冊を購入した。
気になった本は、「社会を変えるには」(小熊英二)、「教育格差」(松岡亮二)、「JR北海道の危機 日本からローカル線が消える日」(佐藤信之)「性と宗教」(島田裕巳)など。これらの本は図書館で読んでみたい。

その他にも読みたい本があったのだが、どうしても思い出せなくなってしまった。
逆にメモなしでここまで本の名前を憶えている方が凄いと言うべきか。
映像記憶というのは実に便利である。なぜなら物事を「見た」という事実から手繰り寄せることによって、「映像」に含まれる種々の要素を頭に思い浮かべることができるのだから。

屯田店は予想以上に優良な店舗だった。アクセスがあまり良くないが、定期的に通って良さげな本がないかチェックしたくなる店だ。
だいたい30分ちょっと滞在して会計。
ブックオフアプリに入っている100円分のポイントを使いたかったのだが、使わずに支払ってしまった。
ポイントは3月中旬頃に失効するから、また別の本を買わなければならなくなった。

帰りは路線バスを利用する。
バスの本数は少なく1時間に1本のため、(屯田から麻生駅、札幌駅方面ならもう少し本数が増える)この辺で昼食を食べることも考えたが、意外と店が少ないのでやめることになった。

もう少しバスの本数が多ければなあ。理想を言うなら地下鉄南北線が屯田に、東豊線を篠路に延伸されればかなり便利になると思う。
まあそれが実現するには、札幌が少なくとも名古屋レベルくらいにまで都会にならないと無理だが。

さて、翌日は白石区にある菊水元町店に行く。
この店舗は駅からかなり離れたところにあって、公共交通では路線バス以外でのアクセスは困難。
強いて言えば、最寄り駅は地下鉄東豊線の環状通東駅やJRの苗穂駅、白石駅などが挙げられる。

豊平川を渡る

東区側から豊平川を渡り、白石区に入る。
菊水元町周辺は高速のICやJCTが近いので、車の運転が若干荒く、個人的にはあまり気軽に訪れる気分にならない地域である。

ブックオフ菊水元町店

意外と道が分かりづらく、Googleマップを見ながらなんとか辿り着いた。
目の前にはジェイアール北海道バスのバス停(菊水元町3条4丁目)がある。このバス停は札幌駅前方面、JR白石駅方面に行くバスが停まるので、一応公共交通オンリーでアクセスすることも可能。

ただ、地下鉄環状通東駅と白石駅を結ぶ路線バス(中央バス「東60」系統)は少し外れた道(環状通)を通っているので、その場合はバス停から少し歩くことになる。

店内をざっと見てみる。文庫本、新書本コーナーを見ると、110~220円で買える岩波文庫の本は10冊ほどあった。
ただ、カバーが付いていない本(岩波文庫にカバーがつけられたのは1983年以後)が数冊入っていたので、比較的年代物の本が多そうだ。
その他の出版社に関しては、岩波新書は110~220円で買える本はなく、講談社学術文庫も1冊だけ(「論文の書き方」)であった。

品揃えは同じく郊外にある伏古店と似たような感じで、おそらく文庫本に関しては流動がそれほど活発ではないと推測される。

文庫だけではアレなので他の棚も見てみる。
最近資格試験でも受けてみようかなと(就職目的というよりは趣味として)思っているので、それ関連の本を探してみるが、試験対策用なら情報の新鮮さも考えて新品で買いたい。
110~220円程度なら買ってもいいかなと思える本がないわけではなかった。
しかし冷静に考えてみると、私が最近本を買いたいと思うようになったのは単なる所有欲からではなく、例えば電車に乗る時のような些細な暇を活用していつでも読めるような、そんな手軽に読めるような本(且つ名著)を安く手に入れたいと思っていたからだ。
つまりコンパクトな文庫本でなければ、私の希望からは外れるのだ。
ということで、結局この店舗では何も買わずに終了。

今回の探訪を以て、計7店舗に訪れた。(南2条、琴似、麻生駅前、北41条、伏古、屯田、菊水元町)
これら7店舗を私の趣向に基づいて(110~220円で買える文庫本、新書本でかつ非文学本の充実度)ランク付けをすると、以下のようになる。

  • 充実度が高い:屯田店

  • やや充実している:南2条店琴似店麻生駅前店

  • それほど充実していない:北41条店伏古店菊水元町店

ただし、私の観察が不足していて、まだ発見できていない在庫があるかもしれず、このランク付けは必ずしも客観的に正しいとは言えない場合があるため、ご了承願いたい。

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