見出し画像

【朗報】JRグループ6社、大手私鉄各社が精神障害者割引の導入を決定!

昨日4月11日、驚くべきニュースが飛び込んできた。
JRグループ6社(北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州)と大手私鉄各社(京成電鉄、東京メトロなど)が、2025年春以降に精神障害者割引を導入するというニュースである。

これまで、公共交通機関における障害者割引は身体障害者、知的障害者だけが受けられ、精神障害者保健福祉手帳を所持している障害者は対象外とされることが多かった。

精神障害者の関係団体による陳情が行われるようになると、障害種別で差別せず、全ての障害者が割引を受けられるようにしようという動きが加速し始めた。
航空会社(日本航空、全日空など)や地方の鉄道会社(地方公共団体の資金が入っている第3セクター、市営地下鉄など)で精神障害者割引の導入が開始され、バス会社などでも割引が使える事業者が増えていった。
しかしながら、JRや大手私鉄に関しては、「障害者割引は国がお金が出すならやる、出さないならやらない」という頑なな姿勢を崩さず、精神障害者割引の導入がなかなか進んでいなかった。

私自身、JRの姿勢には納得できなかったが、もはや精神障害者割引導入を強く主張する気にもなれず、さらにコロナ禍で鉄道業界の見通しが悪くなると、もう可能性はないなと諦めていた。

そんな中、突如として精神障害者割引の導入が発表された。
どのようなプロセスで割引導入が決まったのかは分からない。
JRには国土交通省からこれまで再三にわたって、精神障害者割引を導入するよう働きかけがされていたから、JR側もとうとう折れたということだろうか。

精神障害者割引の内容は、身体障害者、知的障害者の場合とほぼ同じだ。
例えばJRでは、手帳を持つ人が1人で乗車する場合、片道営業キロ数が100㎞を超える場合に、運賃が5割引きになる。
割引になるのは「運賃」なので、新幹線や特急列車の特急料金や、グリーン料金などは割引にならない。

https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240411_ho04.pdf
(精神障害者導入を発表するJR東日本のプレスリリース)

100km以上の移動でなければ割引を受けられないため、ある程度長距離の移動をしなければ、障害者割引の恩恵を得ることはできない。
私が住む札幌市内で考えると、JR札幌駅から旭川方面であれば深川駅、函館方面であれば登別駅当たりまで移動すれば、片道100kmを超える。

ただ、北海道の場合は都市間高速バスが充実していて、しかも高速バスの料金はJR特急と比べてかなり安いから、障害者割引を使ってもあまり意味はないかもしれない。
(障害者割引を適用したJRの料金と、高速バスの料金がほぼ同じになる)

とはいえ、JRはバスよりも速く、かつ安全であるし、札幌から距離が離れている稚内や網走などであれば、運賃割引の効果が大きくなるので、障害者割引のメリットは充分にあると言える。
それ以上に、精神障害者保健福祉手帳所持者でも、JRで障害者割引を使えるようになった事実そのものが、大きな意味合いを持っていると思う。

最後に、私が住んでいる北海道内の特急で障害者割引を適用した場合、料金がどれだけ安くなるかを示して、この記事を終わろうと思う。

  • 札幌駅~函館駅(特急北斗):片道6310円(以下すべて片道料金

  • 札幌駅~稚内駅(特急宗谷):7130円(指定席の場合)

  • 札幌駅~旭川駅(特急ライラック・カムイ):3790円(指定席の場合)

  • 札幌駅~網走駅(特急オホーツク):6860円(指定席の場合)

  • 札幌駅~帯広駅(特急おおぞら・とかち):5370円

  • 札幌駅~釧路駅(特急おおぞら):6580円

  • 札幌駅~東室蘭駅(特急北斗・すずらん):3790円

※特急おおぞら、とかち、北斗、すずらんは全車指定席

参考:都市間高速バスの料金(通常料金)

  • 高速はこだて号(札幌~函館):4320~4990円

  • 高速わっかない号(札幌~稚内):6700円

  • 高速あさひかわ号(札幌~旭川):2500円

  • ドリーミントオホーツク号(札幌~網走):6510~7250円

  • 高速ポテトライナー(札幌~帯広):3580~4110円

  • スターライト釧路号(札幌~釧路):5230~6000円

  • 高速むろらん号(札幌~室蘭):2500円

やはり、高速バスが安すぎるためか、JRで障害者割引を適用しても、高速バスの料金より高くなることが多いと分かった。
とはいえ、高速バスよりもJR特急の方が所要時間が短く、さらに安全性も高いため、割引によってJRを使う機会が増えることは間違いないだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?