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【旅行記】秋田実験旅行3日目:悪天候の中、JR羽越線に乗車


朝からハプニング発生

本日も朝食は東横インの無料バイキングを食べる。
朝6時に目が覚め、朝食提供が始まる6時半頃に部屋を出る。
朝食を取りに行ってすぐに戻るから、手ぶらで外に出る。

扉をガチャリと閉めた瞬間、「しまった!」と思った。
部屋のカードキーを持ってくるのを忘れたからである。
「開いてくれ」と思いながらドアノブを捻ってみるも、当たり前だがすでに鍵が閉まっていてドアはびくともせず。

仕方がない、フロントの人に事情を説明するしかないか。
フロント兼朝食会場となっている2階は人でごった返している。
急いでフロントの女性に「すいません、鍵を持ってくるのを忘れてしまいまして・・・」と声をかけると、すぐにスペアのカードキーを作ってくれた。

これで一安心。
東横インはもう何十回も利用しているのに、こんなミスを犯したのは今回が初めてだ。やはり頭がボケてきているのだろうか。

羽越本線:岩城みなと駅へ

今日も昨日と同様、鉄道でどこかに行こうと思う。
しかし今日の秋田は悪天候、あまり遠くへ行くと帰ってこれなくなるリスクもあると考え、近場で済ませることに。

昨日の男鹿線とは異なり、今回乗車する羽越線はほとんど交通系ICカードが使えないので、現金できっぷを購入する。

3番線から発車する、羽越本線の普通列車酒田行きに乗る。
羽越本線は、秋田と新潟を結んでいる路線。
新潟というと私の地元県だが、新潟駅から地元までは遠く離れているので、「羽越本線」と聞いても郷愁をそそられることはあまりない。

車両は東北地区でよく走っている701系電車
オールロングシートの車両であるため、旅行者からの評判は頗る悪い。

今回は短時間の乗車だからまだ良いが、酒田までロングシートで乗りとおすと考えると大変だ。

車内はそこそこ混んでいたので運転席のすぐ近くに立ち、「かぶりつき」をした。
普段は景色の見えない地下鉄ばかりを使っているので、車窓をダイレクトに眺められるのは楽しい。

秋田から20分ちょっと、岩城みなと駅で下車。

駅前には国道7号が通っている。

本数はこれくらい。
特急はもちろん停車しないので、1~2時間に1本程度しか電車がない。

駅舎内には野菜直売所が設けられていた。

当駅は無人駅であるため、ここから乗車する場合にはこの「乗車駅証明書発行機」を使って、どこから乗ったのかが分かる証明書をもらわなければならない。

JR北海道のローカル線では、駅ではなく列車内に発行機が備え付けられていることもあるが、比較的資金に余裕のあるJR東日本は各無人駅に機械を設置している。

この駅は秋田県由利本荘市に属している。
由利本荘の中心駅はここから南に20分ほど行った「羽後本荘」駅だが、今回は天候が悪いのでより規模の小さいこの駅を選んだ。

観光マップを見てみる。
隣の羽後亀田駅付近には「天鷺村」というスポットがあるそうで、Googleマップで見たとき面白そうだなと感じていたが、駅から微妙に離れているので今回はスルーした。

とりあえず道の駅に行く。

道の駅にどう行ったら良いかいまいちよく分からないので、地図に従って行くことにする。

ここを右に曲がれば道の駅に行けそうだ。
「止まれ」という標識があるが、ここを通る車は止まっているのか微妙な速
度で右方向に曲がっていく。
ちょうど新潟ナンバーの車も通っていた。

道の駅「岩城」に到着。
昨日行った男鹿駅と同様、鉄道駅と道の駅がほとんど同じ場所に位置している。

とりあえず中の売店に入る。
やはり道の駅マグネットのようなグッズは売っていなかった。
あれは北海道限定なのだろうか?
仕方ないので地元で作られたという200円のお菓子を買った。

お次は由利本荘市の岩城総合支所に行ってみる。

この地域はかつて「岩城町」という自治体だったらしい。
2005年に由利本荘市の一部となっている。

岩城総合支所と文化会館の建物を眺める。
Wikipediaによると、岩城町の合併の是非を問う住民投票が行われた際、18歳以上の男女や永住外国人にも投票権が与えられたらしい。
非常に先進的な自治体だったようだ。

総合支所の近くには「新鶴潟公園」という公園があるようだが、公園に続く階段が通行止めになっていたので行くことはできず。

そろそろ駅に戻るとしよう。
総合支所から駅に向かうために、信号のない横断歩道を渡る必要があるが、黒いダンプカーは止まらずに通過していってしまった。

駅のすぐ隣には図書館がある。
開館時間を過ぎていたので入ろうかとも思ったが、雨で体が濡れているのでやめた。

岩城みなと⇒道川 徒歩の旅

さて、まだ秋田行き電車が来るまで1時間ほどある。
時間をつぶすために、今日も1駅隣まで歩くことにしよう。

岩城みなと駅から北上し、隣の「道川」駅を目指す。
まずは線路と並行する道を通るが、いきなり墓地が現れたので急いで通過する。

しばらく歩いていると墓地から脱したが、すぐ隣を通る国道とは裏腹にほとんど車が通らなさそうな寂しい風景が広がる。

写真だと分かりづらいが、タバコの吸い殻が大量に捨てられていたのでパシャリ。
秋田も北海道と同様、喫煙者が多いのだろうか?

ここからは国道7号沿いを北上する。
国道7号は青森と新潟を結んでいる。

雨が強く降っていて、車が通るたびに大きなロードノイズが響き渡る。
さらに水しぶきが飛んでくる危険もあるため、傘を道路の方向に向けながら歩く。

交通量の多い一桁国道、悪天候時でも車がほとんど常に行き交っている。
車に水をぶっかけられるのは不愉快だが、横断歩道では私が渡りきるまで車がちゃんと待っていてくれた。
秋田の交通マナーは少なくとも札幌よりは良いと思う。

20~30分ほど歩くと、目的地の道川駅が見えてくる。

羽後交通の道川駅前バス停。
羽後本荘までは羽越本線でも行けることを考えると、意外と本数が確保されていると思う。

道川駅に着いた。
天候はかなり悪いが、1駅ウォーキングには最適な距離感だった。

道川駅にて

駅前には「送迎用」と書かれた駐車場がある。
地方の駅では親が子どもを駅まで送り届けに行く習慣はごく当たり前のように見られるが、ここまではっきり書かれている駐車場は初めて見た。

道川駅は無人駅のため、駅員はいない。

券売機も設置されていないため、先ほどの岩城みなとと同様、乗車駅証明書を発行して、秋田駅で運賃を精算する。

駅舎内で濡れた体を拭いていると、貨物列車が駅を通過してきた。
羽越本線は日本海縦貫線を構成する重要な路線。貨物も頻繁に通る。
この貨物列車はきっと札幌から新潟、関西方面に向かっているのだろう。

本州よりも郵便や宅急便が配達されるまで時間がかかることが多い北海道。
それについて不満を覚えることもあるが、その分「この荷物は貨物列車/フェリーでここまで来たのだろうか」と思いをはせることが増えた。

秋田行き電車が来るまでもう少し時間があるので、暇つぶしを兼ねて駅跨線橋を渡る。

跨線橋を渡り、駅の外に出た。

駅からしばらく歩くと、国立病院機構あきた病院(写真左奥の建物)という大きな病院があるようだが、この駅から病院に通う人は少ないだろう。
なぜなら、ホームから階段を上って跨線橋を渡り、さらに高台にある病院まで歩いていかなければならないからだ。

跨線橋の入口で雨宿りをしながらスマホを確認。
JALのマイルがどれくらい溜まったか確認すると、既に5000マイルを超えていた。
JAL CLUB EST会員が毎年もらえる2500マイルと、初回搭乗ボーナスが追加されていた。
一昨日乗った丘珠~秋田のフライトによって、さらに138マイル増えた。

そろそろ飽きてきたので跨線橋から降りると、突然特急いなほ号(秋田~新潟)が駅を猛スピードで通過!
何とかギリギリ車体を撮影することができた。
いなほ号、これに乗れば新潟まで行けるんだよなあと思うのは一瞬だけ。

別に私が今住んでいるのは海外じゃない、帰ろうと思えばすぐ帰れるのだ。
まあ仮に海外に住んでいたとしても、直行便が飛んでいる国だったら「いつでも帰れるし」と思うかもしれない。

それに、いなほに乗って新潟に着いたところで、私の地元にはそこからさらに2時間強の時間がかかるのだ。

あと10分ちょっとで電車が来るが、ホームにいると雨に濡れるので一旦駅舎に戻る。
一応ホームにも待合室はあるのだけれど、蜘蛛の巣があったので入りたくなかった。

駅舎には防犯カメラこそあるも、乗客にとって肝心な時計が設置されていない。
駅なのに時計がないとは、JR東日本の撤去癖はさすがに度が過ぎているのではないだろうか。
時計を設置していても維持費はほとんどかからないはずなのに。

このまま行ったら「電気代が勿体ないので夜間でも灯りはつけません」となりかねない。まあこれはブラックジョークだけどね。

再びホームに戻り、やってきた秋田行き普通列車に乗車する。
大雨洪水警報が出るほど雨が強まっているが、ほとんど遅延もなく秋田駅に到着した。

昼飯⇒千秋公園へ

昼飯は秋田駅にある蕎麦屋で食べる。
JR東日本の駅そばと言えば「いろり庵きらく」だが、東北地方には展開していないのだろうか。

かき揚げとなすが入ったそば、700円。
そばの量はちょうど良いくらいだったが、かき揚げが小さいのが残念。
駅の中にある店だから、1000円は出さないと腹いっぱい食えないか。
わさび好きとしては、わさびがたくさんトッピングされていたのは高評価。

若干物足りなかったので、ついでに岩城の道の駅で買ったお菓子を食べた。
何のけなしに選んだ品だったが、予想以上に美味しかった。

相変わらず秋田市内は強い雨が降っている。
正直あまり出歩きたい気分ではないが、まだ正午過ぎのためもう少し市内を散策する。

昨日途中で引き返すことになった「千秋公園」に再挑戦だ。

秋田の街は歩車分離式の信号が多い。
道路が短いから渡りやすいし、皆きちんと信号を守っている。

千秋公園の歴史について書かれた案内文を読む。
もともと佐竹氏が所有していて、1980年代に秋田市に寄贈されたらしい。
城跡」を英語で何と言うのか気になったが、英文には「used to be a castle」(かつて城があった)と書かれているので、結局分からずじまいに。

(実際は"castle ruins"や"ruins of castle"などと言うようだが、ruinsだとあまり響きが良くないということで、上記のような表現になったのだろう。)

雨の千秋公園

大雨が降り続いているせいか、人はほとんどいない。

北海道という地に住んでいると、城跡を見る機会がほぼない。
最後に城跡を見たのは2022年7月、松前町に行った時のことだ。
やはり日本の歴史と言えば城、今後も定期的に城成分を補給していきたい。

「久保田城」という城の名前は、佐竹氏が治めていた久保田藩(秋田藩)から来ている。

傘を差し続けていても容赦なく雨が打ち付けてくる。
リュックや服はもちろん、髪の毛まで雨で濡れる。

公園内の売店も悪天候のため休業中。

東屋を見つけたので、ここで休憩。
モバイルバッテリーでスマホの充電をしつつ、タオルで頭を拭く。

20分ほど休んだ後、再度出発。
公園内には誰かが住んでいそうな建物があるが、ひょっとしたら佐竹氏の持ち物なのだろうか。

ちなみに今日の秋田市の気温は22度。札幌市とほぼ変わらない。
絶え間なく雨が降り続いているから、体感気温は札幌より涼しいはずだ。

しかし、災害級の大雨が秋田を襲っていることもまた事実だ。
秋田市内は警戒レベル4、しかも今私がいる千秋公園付近がピンポイントで紫色に塗られている。

もしかしたら公園にいるのは危険なのかもしれないが、せっかく来たのだからもう少し散策したい。

砂利道を歩くたびにシャリシャリと心地よい音が響く。
雨粒が葉っぱを打ち付ける音、水の流れる音、自然の音色は美しい。

人が全くいないので、自分だけ取り残されたような気分になる。

関東以西を襲う未曾有の猛暑とは全くの無縁。
ひたすら歩いていても、雨脚の強さがすぐに涼しさを提供してくれる。
もはや日本で四季が残っているのは、北海道と北東北くらいなのかもしれない。

久保田城の御隅櫓。
中を覗いてみると管理人のようなおじさんがいたので、一応人はいるんだなと安心した。

櫓を通り過ぎ、背の高い木々の茂る中を歩く。
雨が打ち付ける中、木々の葉は太陽光の大半を遮り、辺りは夕刻のような暗さになっている。
足元には雨水が溜まり、所々にある葉っぱに気を付けないと、うっかり滑ってしまいそうだ。

転ばないように気を付けながらゆっくり降りていき、元居た場所へと戻ってきた。

紫陽花の色合いが美しい。
これこそ日本の梅雨だ。
本来なら梅雨であるはずなのに、35度以上の猛暑日を連日記録していることを、世の中では何というか。
それは単なる夏の暑さではない。「異常気象」である。

公園内には荷車を引きながら歩いている数人の男性がいたが、あの人たちは公園の関係者だったのだろうか。

隅々まで見ることはできなかったが、悪天候だからこの辺で公園を後にすることにしよう。

街中に公園があるのは札幌市も同じだが、こちらは歴史的な建物も入っているという点で異なる。
場所によっては山道のような所もあって、ハイキング気分で散策を楽しむことができる。

雨が止まないので早めに帰る

アーケードまで戻ってきた。
ここまで来れば東横インまでずっと屋根があるから、雨に濡れずに済む。

JR秋田駅改札。
大雨の影響で列車に運休や遅延が発生しているせいか、地元テレビ局のカメラが撮影をしていた。
その近くでボーっと様子を眺めていると、写真を撮っていた女性から声をかけられた。
英語を話していたので、おそらく外国人観光客だろう。
"take a photo"と話していたので、写真を撮ってあげた。
一応話していることは理解できたが、咄嗟に話しかけられたのでほとんど会話ができず、ただただ頷くだけで終わった。

時刻は午後2時過ぎ。
まだホテルに戻るには早い気がするけれど、天気が悪いからもう外には行きたくない。
とりあえず秋田駅の東口に出て適当に時間をつぶす。
東横インが駅に直結しているので、東口に降り立ったのはこれが初めてだ。

東口にはNHKの秋田放送局がある。

近くにあったバス案内を見る。
秋田市にある国際教養大学には、秋田駅から直接アクセスできない。
イオンモール秋田はJR四ツ小屋駅から歩いていけなくもない距離のところにあるので、鉄道とバスで行くこともできる。
もう少しアクセスが便利ならキャンパスを訪ねてみたかったが、乗り換えは面倒だから今回は行かなかった。


駅東口は西口ほど栄えておらず、落ち着いた雰囲気になっている。

連絡橋を通って西口に戻る。

もう少し時間をつぶすために、西武百貨店へ。
百貨店など私にはまったく縁のない場所だから、結局買いたいものはなかった。

そろそろ夕飯を買ってホテルに帰ろう、ということで一昨日も利用したスーパー「ナイス」へ。
総菜といなり寿司、そして秋田の企業「たけや製パン」の「ふんわりくりーむけーき」を買った。
せっかく秋田に来たのだから、最低限ご当地のモノは食べないと。

午後3時前にホテルに帰着。本日はこれにて終了。

本日の出費(ホテル代除く):2714円
内訳
交通費(JR羽越本線):750円
食費:1964円

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