北海道旅行記:日本最北端を目指して(1日目:札幌⇒稚内)
今回は、今年2022年5月に敢行した、日本最北端を目指した旅の様子をお届けします。
旅の準備(2022年5月初め)
北海道には、魅力的なスポットがたくさんある。
私は今でこそ北海道在住だが、いつ本州に帰るか分からない。もしかしたら今年中に帰るかもしれない。
北海道にいる間に、ぜひ行きたい場所がある。それは、日本最北端の稚内と、最東端の根室だ。
どちらも、映像では見たことがあるが、自分の目では見たことがない。全く未知の地域だ。
根室と比べると、稚内の方がホテルが多そうだし、特急で札幌から1本で行ける。まずは稚内に行こうか。
稚内のホテル、どこにしよう。とりあえず、全国チェーンの「ドーミーイン」をチェック。
ドーミーイン稚内には、「どうみん割」プランがある。素泊まり料金をチェックしてみると…
何と、1泊実質3000円で泊まれる日があるじゃないか!それはGW明けの5月9日の週。
やはりGW明けは需要が急減するから、料金が安くなるんだなあ。
ここまで安く泊まれるチャンスはなかなかなさそうだ。よし!5月9日から稚内へ行こう!
旅1日目(2022年5月9日)
1日目、稚内へ行くということもあり、なんだか緊張感がある。
今回使用するきっぷは、JR北海道の「Hokkaido Love! 6日間周遊パス」。
これを使うと、12000円で6日間、JR北海道の特急や普通列車が乗り放題になる。北海道を鉄道で回る上では、欠かせないきっぷだ。
さて、今日は札幌駅から、朝7時30分発の特急「宗谷」稚内行きに乗る。
特急宗谷号は、札幌と稚内を結ぶ特急列車で、1日1往復走っている。
宗谷に乗り遅れてしまうと、稚内に着くのは夕方になってしまう。時間に余裕をもって札幌駅に着いた。
まだ発車まで30分近くある、ホームで時を待つ。
宗谷号は、札幌と日本最北の自治体稚内を直接結ぶこともあって、混雑することが多い。特に連休中は立席が出ることも珍しくない。
本日は5月9日ということで、GW明け最初の平日。混雑こそしていないが、それでも5~6割ほどの座席が埋まっている。
乗客は、お年寄りや20~30代くらいの若い人が多い。個人客がほとんどで、家族連れやカップルはほとんどいない。
7時30分、特急宗谷が札幌駅を発車した。
札幌から旭川までは、特急ライラックの代わりとして宗谷を利用する人もそこそこいて、自由席は混みがちになる。
旭川を過ぎれば、車内は本格的に稚内を目指す乗客一色になる。
旭川から先は、和寒(わっさむ)、士別、名寄、美深、音威子府(おといねっぷ)、天塩中川、幌延、豊富、南稚内、稚内に停車する。
この中で、士別と名寄は「市」の駅である。比較的利用者が多く、ここで下車する人もそこそこいる。南稚内、稚内は終点とその手前の駅で、言うまでもなくたくさんの人が利用する。
それ以外の駅では、下車する人はかなり少ない。
「豊富温泉」がある豊富、「トロッコ王国(旧国鉄美幸線の設備を再利用)」がある美深など、途中駅も魅力溢れる地域ばかりだが、日本最北というブランドを持つ稚内が一人勝ちという状況だ。
名寄を過ぎると、宗谷本線は自然豊かな場所に入ってくる。本数もここからはかなり減る。
途中電波が届かない場所も増えてきて、人里から離れた地域を走っていることがよく分かる。
名寄から1時間ほどすると、音威子府に着く。音威子府では、天北線代替バスに乗り換え可。天北線代替バスは将来的に路線が縮小される予定のため、最近は乗りに来るマニアが増えつつある。
音威子府以北は普通列車が1日3往復程度しか走らない。特急を使わなければ行くのが非常に難しくなってくる。
音威子府から1時間ちょっとで、幌延駅着。幌延は、かつて羽幌線という路線が分岐していた駅。
今は、「沿岸バス」が羽幌線の代替バスを運行している。幌延から羽幌を通り、留萌まで路線バス1本で行けるのも面白い。
幌延から10分ちょっとで、豊富に着く。豊富は「豊富温泉」が有名だが、駅から温泉街は離れている。豊富駅や、幌延駅から沿岸バスの路線バスで行くのがおすすめ。
豊富を出ると、列車は稚内市に入っていく。日本最北の木造駅舎がある「抜海」駅を超え、稚内市街地へ。
12時40分、特急宗谷はとうとう終点の稚内駅に着いた。札幌から5時間10分もかかった。結構疲れた。
稚内駅前の様子。稚内駅は最近新しくなったそうで、都会的な立派な駅舎が建てられている。「宗谷バス」の路線バスも停まっている。
駅前には、稚内市のカントリーサインが置かれている。気温は11度。少し寒いが、稚内に着いた興奮がそれをかき消している。
昼ご飯は、稚内駅の中にある食堂で食べた。確か蕎麦を食べたような気がする。
日本最北の線路らしい。何だか実感が湧かない。
稚内と言えば、宗谷岬。宗谷岬には駅からバスで行けるけど、今日はやめた。
なぜかというと、稚内駅を13時20分に出るバスは、特急宗谷からの乗り継ぎ客で混雑するからだ。今日は稚内で宿泊するから、宗谷岬は明日行こう。
今日は、代わりにノシャップ岬に行く。ノシャップ岬は稚内駅から近く、徒歩でも頑張れば行くことができる。
駅を離れ、海沿いの道を進んで行く。日本で最も北にある稚内にいる実感がないけど、確かに自分は稚内にいる。
1時間くらい歩いていたら、ノシャップ岬に着いた。5時間も列車に乗っていたから、良い運動になった。
宗谷岬ほど有名ではないので、人はあまりいない。
ノシャップ岬からは、利尻富士も見える。
海はずっと見ていても飽きない。
ノシャップ岬には、路線バスで行くこともできる。「ノシャップ」というバス停が近い。
稚内市内は、路線バスの本数が非常に多い。1時間に2~4本も走っている。
札幌市内の郊外よりも本数が多いんじゃないだろうか。
稚内はノシャップ~稚内駅~南稚内駅~潮見5丁目のエリアに人口が集中していて、人口集中地区もある。
その地域を縦断するように走る路線バスなので、ここまで本数を用意できるのだろう。
宗谷バスの路線バスに乗って、稚内駅まで戻る。交通系ICカードは使えないので、小銭を用意しておこう。
稚内駅に着いた、駅周辺をぶらついてみる。
「水夢館」という施設。丸みを帯びた特徴的な形をしている。背後にそびえるビルは、「サフィールホテル稚内(旧全日空ホテル)」
広々としていて過ごしやすい。
「稚泊航路記念碑」。稚内と、樺太の「大泊(おおどまり)」を結ぶ鉄道連絡船があったらしい。
現代になっても、稚内とサハリンを結ぶフェリーはあったが、2019年から休止となっている。昨今の情勢から考えると、フェリー運航が再開するのはだいぶ先になりそうだ。
蒸気機関車の動輪も展示されている。
遠くに見える建造物は、「北防波堤ドーム」というそうだ。もう少し近くから撮影すれば良かった。
そろそろホテルにチェックインする。今日から2泊、「ドーミーイン稚内」に泊まる。
今回は1泊実質3000円で済んでいるが、ドーミーインは普段ここまで安くなることはめったにない。
特に観光シーズンとなる夏場は、素泊まりでも1泊1万円を余裕で超えることもある。
稚内で宿泊するなら、閑散期が最適だ。特に冬はかなり安くなるみたいだけど、冬は荒天で交通機関が乱れることも少なくないから行きづらい。
GW明けなら、気候も丁度良く、観光客が少ない快適な状況下で、稚内を旅できる。
稚内旅行を考えている方で、時期をフレキシブルに調整できる方は、ぜひGW明けの平日に行くことをおすすめしたい。
2日目の様子は、次の記事でお伝えします。最後までお読みいただきありがとうございました。
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