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普段着きもの、始めます


中学生の時、母が若い頃に
祖母に誂えてもらったという
お着物を譲り受けました。

桜色の小紋と蜜柑色の単衣は
目にも鮮やか、触れて滑らか。
その瞬間お着物に恋をしました。

結局母はそのお着物には
一度も袖を通さず終い。
そのまま孫のわたしが
手にすることになりました。


畳紙には祖母の名前が入っています。
わたしが生まれるひと月前にがんで亡くなり一度も会うことが叶わなかった祖母。

写真でしか知らなかった祖母との
繋がりを感じられるような気がして、
畳紙ごと大事に大事に保管してきました。

本当はすぐにでも着てみたかったけど
多感な中学生だったわたしは
家で羽織ることはしてみても
外に着ていく勇気は出ないまま。

着付けに必要な道具や
桐箪笥を揃えるだけ揃え、
後はしまい込んでしまいました。



すっかりしまい込んだはいいけれど
お着物への情熱はしまっておけず、
骨董市や古物のお店でお着物を探し
気に入ったものを買い足していく内に
3段の桐箪笥が今やほぼ一杯に。

ネットで見様見真似で練習してきた
着付けはあまり上達していないけど
とりあえず一人で着られるように
なった、と言えるかもしれない。


気付けば、初めてお着物に触れた日から
実に18年が経っていました。
この間、浴衣は時々着ましたが
お着物は一度も着ていません。

手持ちのお着物は箪笥を開けて
「素敵・・・」と愛でるばかり。

着付けがまだまだだから。
ちゃんとした履き物がないから。
柄が年齢に合ってない気がするから。
出先で着崩れたりしたら困るから。
場にふさわしい着物かわからないから。


とにかくいろんな言い訳をして
着たい気持ちをごまかしてきたけど
もうそんなことやめます。

18年も無駄にしちゃったんです。
大好きなお着物を着ないなんて勿体ない!



未だに格とか合わせ方とか
お着物の種類とかわからないことが
たんまり山のようにあるけれど
とりあえず普段着きものを始めます。

手持ちのお着物は
ほぼカジュアルよりなので
普段のお出かけくらいなら
どこに着て行っても大丈夫なはず。



ここ数日着てみましたが
一応なんとかなってるかな?

改善点はいっぱいあるけど
お着物を着てる!っていう
事実だけで胸がいっぱい。
ときめきが爆発しちゃう。


今日初めて写真を撮ってみました。

画像1

寒いのと、長襦袢の着付けに
未だに苦手意識があるので
中にタートルネックの
セーターを着る簡易版着付けです。

慣れるまでは毎日着ることを優先して
和洋折衷スタイルでいこうと思います。

履き物も今は一足もないので、
黒のスリッポンを合わせています。

画像2

今日はおはしょりの後ろが
何度やっても上手くいかず
もたつき気味でぐしゃぐしゃ。

でも上からコートを羽織るので
このまま出かけました。

帯結びは半幅帯で適当結びに。
毎日創作結びをしています。
これもコートで隠れるから気楽!



色々気になりだすとキリがないので
あまり難しく考えず、とにかく着る!
を当面の目標にしています。

できれば毎日着たいけど、
沢山動く予定がある日は洋服で。


それでも、今までしまい込んでいた
お気に入りのお着物たちを着て
出かけられるのが嬉しくて仕方ないです。

もっと早く始めてれば、と
思わないでもないですが
これからたっぷりお着物ライフを
満喫していきたいと思います。


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