旅の決意がもたらした効能
もうすぐ世界一周に出る予定だが、まだ出ていないため、6年くらい前の留学や南米旅行の話を擦りたおして書いている。
海外旅行や留学の話になり「チリに留学した」と話すと、往々にして「なんでチリに?」と聞かれる。
チリを選んだ、1番の理由は、
「現状ある候補の中で、最も面白そうだったから」
だ。
僕は外国語学部系(?)の大学に行き、スペイン語を専攻した。
そのため、まわりで留学に行く人は珍しくなく、まわりに留学生がいることも珍しくなかった。
ただ、その留学生たちはほとんどがスペインか、メキシコの人だった。
僕は留学生と関わる中で、勝手にスペインとメキシコを知った気になっていった。
スペインは一度旅行でしか行っておらず、メキシコにいたっては行ったこともないのに。
僕が2年になった頃、そろそろ留学が視野に入るという段階で、チリの大学に行けるチャンスが舞い込んだ。
どういう流れだったのかはあまり記憶にないが、学部から1人派遣されるらしい。
僕は留学担当の人に行きたいということを告げ、見事行かせてもらうことになった。
成績が抜群に良かった、ということは全くない。
他の人が希望していなかっただけだ。
よくもそこまで思い切れたなと、今でこそ思う。
勉強はそこそこ出来たものの、行動力が乏しく、型にハマりたがるタイプ、それが僕だ。
石橋を渡るときには、100人くらい先に渡ってもらわなければ、安全かどうか確かめられず困る。
しかも海外経験がそれまで一度(前述のスペイン)しかない。
その旅行もすべて友達が手配してくれ、僕がやったことはパスポートの取得くらいしかない。
留学を決意した時、準備した時、チリに向かった時。
その時は、自分史上(話は逸れるが、「自分史上」って言葉を化粧品の宣伝以外で見たことあない)、最も楽観的だった。
それに留学にともなう、もうひとつ重要な変化があった。
留学先を決めた理由が「面白そうだった」、だ。
何かを決める時に自然と損得を考える自分が、「面白そう」だけで判断したのだ。
自分史上、最もびっくりな決断だ。
留学からはや6年くらい。
当時なぜあそこまで楽観的で、損得を考えずいられたのか、いまだにわからない。
ただもう一度くらい、ああなってみたい。