ひかりの底から、
見ていたの
日付の変わる前に香りも残さないで消えていった
覚えていたい忘れていたい海外ドラマのセカンドシーズンみたいな唇
どうして微笑んだまま隣で眠れるの?
安心し切った顔をして
あなたとわたしはよく笑い合うようになった
優しく抱き合うようになった
境界線を確かめて手を繋ぐようになった
あんなに欲しかったものがすべて揃ってしまった
ねえ気付いている?
わたしたちは死んでしまった。
声を殺してあの日と同じ言葉なぞるあたたかい指
あなたはひかり
真っ黒なひかり
わたしにはもう包めない
今鍵を渡したら一緒に閉じ込めてくれますか
今鍵を渡したらわたしを締め出してくれますか
この明るい光の底から。
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