ナイチンゲールの寄り道
終電が過ぎたら
駅前の地下のマックで待っていて
星座のネオンを
眺めながら歩いて帰ろう
向こう岸のあなたは
いつも遥か高みに思えた
指輪ひとつずつ
外す様が妙に丁寧で
過ごした景色は覚えているのに
あなたはどんなひとだったの
ナイチンゲールが鳴いたら
全ては白いシーツに包まれる
空が白んでいく
あなたのささやかな怒りも忘れた
文字の並びや
指先の滑らかなリズムとか
目に入るものだけ
アイスと一緒に飲み込んだ
少し澱んでいる背中に
気付いていなかった訳じゃない
ナイチンゲールが鳴いたら
温かく優しいものだけで良い
空が白んでいく
あなたに空いた穴を見詰める
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