オウンゴール
屋上の鍵を壊す勇気もなかったから
余計なものばかり欲しがる癖に壁の落書きひとつずつ消した
あれからもう何年どこに行っても呪いのよに
がらくた大事に集める癖に急に全部捨てるんだ
あの朝も腫れ上がる顔も最後のランチ雑なメイクも
気持ちは上書きされていくのに記号みたいに画が残る
今あなたの顔を覗き込んだら始まってしまう
心地良いリズムは崩れて全部手放したくなるから
はじめましてさようなら、どうか忘れないでいたいよ
捨てたはずのすべてが今やわらかく締め付けて離さない
あの娘はわたしに何を望んでいたの
空っぽな受け皿だから誰とも遊べなかったの
期待しないで
いま突き刺さる
あのひとのからだはあの頃よりもこの手に馴染み
こころは滑り落ちてあの川を流れていくばかり
はじめましてさようなら、忘れてしまいたくなかったよ
一緒に眺めた景色は全部全部覚えているのに
すべてが終わりゆく日に余計なもの全部捨てたのに
何にも始めなければ終わったり傷つくことも無い
はじめましてさようなら、どうか忘れないでいたいよ
憧れを記号に嵌め込んだがらくたみたいな恋
あなたはしあわせでいて
なんにも知らないんだけど
あなたはしあわせでいて
あなたはしあわせでいて
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