意識の違いの話

ずっと謎だったのですが、言語化していたら腑に落ちました。

私は写真を撮るのが趣味なのですが、撮るものは多種多様です。自然の風景がメインで、鳥やら動物も撮りますし、電車・飛行機、さらには人も撮ります。

人については、ポートレートやコスプレ撮影もします。これらはこちらからお願いして撮らせてもらうこともあれば、撮ってほしいと依頼があって撮ることもあります。

そこで今回のメインの話になりますが、私は何かを撮りたいと思ったときには、目標とするイメージがあって「撮りたい」と思います。もちろん天気だったり時間だったり、場所取りであったり、さらには設定をミスっていたなど様々な理由で、なかなか目標通りに撮れることは少ないですが、それでも「撮りたいイメージ」というものをもって、撮影に行きます。

そのため人を撮るときも「こういうものが撮りたい」というイメージがあって初めて撮りに行きます。反対に言うと「こういうふうに撮ってほしい」という最終的なイメージがあって初めて撮られたい
・・・のだと思っていました。

でも全員が全員ではないですが、大半の場合違うんですね。

私はいつも「撮影してください」と依頼があった場合、日時や場所もそうですが、必ず「撮影してほしいイメージを送ってもらえますか？」と返信します。
そこでいつも謎だったのが、イメージを全く送ってこない、または送ってきても1,2枚（ほぼ丸1日撮影するにも関わらず）、送ってきてても今回撮る場所と全然イメージが違うということでした。
最終形が見えないので、撮影中にどういうのがいいでしょう？とか言われても「イメージに合うのはこっち」とかは言えないので、「こっちの方がきれいに見えるかな」とか一般的な話しか出来ず、いつももやもやしてました。

ちょうど直近にコスプレイヤーさん複数人、カメラマン複数で撮影する機会（レイヤーさん側から依頼があった）があり、そこでも同じように「イメージを送ってもらえますか？」と依頼したもののこないので、なんでだろうなぁと思っていたのですが、こういう人たちは「撮ってほしい最終イメージがある」わけではなく、（レイヤーさんだったら）「このキャラになった私を撮ってほしい」（モデルさんだったら）「かっこいい（かわいい）私を撮ってほしい」なんですよね。

当然レイヤーさんの場合、ある程度元の作品からずれないようにという最低限はあるのでしょうが、「最終的にこういうふうにしたいから、こう撮ってほしい」というイメージは無いのだと思います。なので1枚絵としては綺麗でも、複数枚でのストーリー性を持たせられず、ただ綺麗な写真が並ぶだけの人が多い、要はどちらかというと記録写真に近いのだと思います。

ちなみにそれが悪いと言っているわけではなくて、
私は、最終イメージがあって、それに合わせて撮っているポートレートに凄さ、楽しさを感じて人を撮りたいと思うようになったので、みんなそういうものを目指しているのだと思いこんでいました。
しかし実際には、最終イメージを持った作品を目指しているわけではなく、撮られること・記録として残すことを目標としているのだと、勝手に納得しました。
撮ってほしいと言うわりに、事前にイメージがない、出てきた写真に対して興味がない、撮影中により良くしようというアイデアが出てこないなどなど、作品を目指していないと考えるとこういう色々なことが腑に落ちたんですよね。

確かによく考えると写真を撮る人たちもそうで、最終的にこんな写真を撮りたいんだというイメージを持って、ちょうどいい時間や天気になるまで数時間待って、撮れなかったら何度も何度も通って、それに合わせた装備を買って・・とかやっている人たちなんて、ごくごく僅かなんですよね。
大体の人はなんとなくテレビで特集されていたようなところに行って、それっぽいものを撮って、ここに行ったよくらいの感じだよなぁと。
D850やDf、Z6とか持っていて、たまに一緒に撮影に行く友人たちですら、そんなに待機するのはしんどいとか、そこは遠いからいいやとか、1枚それっぽいの撮れたから満足とか、撮ったもののSDカードから取り出していないとかあるくらいなので、そりゃそうか・・となりました。

上にも書きましたが、これが悪いといっているわけでは全然ないです。
ただ単にこういう意識の違いがあるから、こういう動きになるんだなぁと勝手に納得して、色々なことが腑に落ちたという話でした。