見出し画像

誘惑が隣り合わせなら・・・。

会社員時代は、始業と同時にPCへ向かうのが当たり前で、下手したら9時間以上、トイレ以外の時間はPCと睨めっこしていたなんてこともある。業務の性質上、細かくて桁の大きな数字をずっと追い続ける時間も長く、お陰でメガネ生活になったくらいだ。自ずと、血糖値を上げて急激な回復をするために”甘いもの”に走っていた。コンビニに行けば、気休めの野菜ジュースとチョコ、パウンドケーキ、ビスケットなど。それが束の間の休憩であり、すっかりその誘惑に捕まって逃れられなくなっていた。(逃れる必要性を見失っていた、と表現した方が近い気がする。)

そして段々と、コーヒーが片手にないと小難しい資料を制覇するのが嫌になり、段々と、甘いお菓子をそばに置いておかないと緊張する会議資料作りは捗らなくなっていった。都合のいい言い訳を見つけては席を立ってしまい、1日が終わる頃に「また今日も終わらなかった」という言い訳をポツリと吐き出して帰路に着く。

つまり、集中力がどんどん低下し、活動の質も量も下がりっぱなしだった。
隣り合わせだった誘惑に軽く手を伸ばしてから、それに頼ること以外の選択肢を放棄し、手軽で引力の強い誘惑でパフォーマンスが揺らぎまくっていた。計画性なく、疲れからお金を使い甘いものを摂取して、少しだけ急激に回復してはなんとかやり切る。そんな生活が随分と続いていた。

勝手に集中力が上がった?!

2020年10月、わたしはひょんなことから自宅周辺のゴミ拾い活動を始めた。いわゆるボランティア活動で、なんの団体でもなかったし、誰からか依頼されたことでもなかったけれど、大好きなホッキョクグマが補償する魚やアザラシが誤ってプラスチックゴミを食べてしまうことが嫌だったし、何より駅まで向かう路上がゴミだらけで気持ち悪かったから。勇気を出して拾い始めたその日から、別世界に降り立ったわたしは、「自分も貢献ができる!やりたいことを実現するって楽しい!掃除って気持ちがいい!」てな具合でどんどん人生が変わっていっていた。

そしてその影響は、仕事でのパフォーマンスにも。

ゴミ拾い活動を始めてからというもの、めっきり甘いもの購入頻度が下がった。もちろん量も、浪費金額も。
これは実はしばらく経ってから気付いたことなんだけど、あまりにも無意識すぎて、最近甘いものに頼っていない原因がゴミ拾い活動にあったなんて無すぎついていなかった。

そういえば、最近1日が充実して仕事がスムーズに片付くなぁ。

なんて、自分の精神的な幸福度の問題かと感じていた。
(まぁ間違いなくその影響も大きかったのだが。)

ゴミ拾いで集中力が上がるロジック

でもどうやら、与えられている任務のレベルが下がったわけでもなかったし、いくら感謝して仕事に向き合っているからといって能力がぐんぐん上がる訳でもない。じゃあどうしてこんなに仕事がスムーズに片付いてお菓子癖が解消したのだろうか。

それは週に3回程度出かける、ゴミ拾い活動。

出かけるきっかけこそ、ゴミを拾う目的なんだけど、いざ出かけてみると副次効果の方が明らかに高いことは前回までの投稿でも書いてきた通り。大自然とのつながりや共存を感じられるし、半端ない自信や気持ちよさと出会うことができる、という点である。そして「集中力」という点においても、ゴミ拾いをすることによって随分と鍛えることができている。

両手に軍手をはめて、片手にトング、片手にゴミ袋の体制では正直、ゴミ拾いしかできない。他のことはやりたくてもできない。厳密には、誘惑に手を伸ばしづらい環境設計におのぞとなってしまっている。スマホをいじるにも立ち止まり、両手のものを地面に置いて軍手を取ってから、だ。コンビニに寄って何かを買いたくても、ゴミ袋を持っていてはコンビニに入りづらいし、購入したものとゴミ袋を一緒に持ち歩きたくないので、「じゃあいっか。」となる。

つまり、誘惑から離れることが叶う絶好のスタイルなのである。

一度ゴミが見つかれば、その先その先、とゴミ拾い自体が楽しくてのめり込んで探し歩くし、だんだん溜まっていくゴミ袋と、だんだん綺麗になる街並みがなんだか快感で、帰宅すればしっかりと汗をかいて運動してきた自分に気がつくことができる。なんとも言えない満足感に浸れる。

そして、なんの誘惑にも負けずにずっと高い集中力を維持して活動しきってきたことに驚くこともあった。それは終わりの時間を定めずに休日を使ってのんびり出かけたゴミ拾い活動のこと。あまりに汚いものだからベースキャンプを貼って、そこにどんどん満杯になったゴミ袋を貯めていき、最終的には自治体へ電話連絡の上、特別回収をしてもらうことになったのだけれど。そこまでを終えて、さすがにお腹すいたなぁと時計を見たら、出かけてから3時間が経過していた。

未だかつて仕事でもこんな経験はない。(ある訳ないか)

時々の、伸びや深呼吸、小休止はあったものの時計を見ることなく3時間。
自己記録の中でも、いまだに破られていない記録的な集中力。

こうして、何かに没頭してゾーンに入って取り組む経験や実績を重ねると
いろんなことに応用することができる。極端な無理や忍耐がなくても、スッとその姿勢になることができるというわけだ。(ストレットと一緒かな?)

自分にも(甘い誘惑なしで)一つのことに集中して完遂することができるのか!という大きな大きな自信も身につけ、多少の大きな仕事でも前向きに引き受けることができるようになったのは、大きな成長となった。

他にはない底なしの魅力があるゴミ拾い

そんなことはないでしょう、大袈裟な。と冷笑するならぜひ一度。
まずは一度試してみてほしい。わざわざゴミ袋を片手に握り、自宅周辺を散歩してみてほしい。何も持ち帰ってくるものはなかったとは言わせない。
最低でも、ひとつのゴミは拾ってきてほしいのだから。

それは、わたしが提唱する「人生が変わるまこまこゴミ拾い」である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?