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午前・午後・0時・24時?

天体観測をしていると夜中の12時を過ぎることはよくあります。
日付が変わった午前1時を25時と書くこともあります。

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時計を見るとわかりますが、時刻は1時から12時までです。
それが午前と午後の2つあり、24時間で1日になります。

では、午前って何時から何時まででしょうか?

1872(明治5)年の旧暦11月9日に太政官達第337号として発令された『時刻制度』によると、午前は「零時」から「12時」まで、午後は「1時」から「12時」までとする12時間制になっています。

つまり、昼の12時は「午前12時」、夜中の12時は「午前零時」または「午後12時」になります。
ですが、「午前12時」だと昼なのか夜中なのか分かりにくく、「午後12時」は感覚的に昼と思ってしまいます。

そこで昼12時を表す際にはあえて「午前」「午後」を付けずに「午前10時から12時」としたり、昼12時を「正午」、夜12時は「午前零時」と表現することもあります。

鉄道やバス、航空機などの時刻表では12時間制を使用せず、24時間制で時刻の表記していたりもします。
(その場合、夜12時を跨ぐと0時、1時になりますが、個人的には24時、25時としてもらいたいところです)

天体観測をする際は、時刻の計算をするため、午前1時を25時と表現したりもします。
この場合
 7月7日22時から7月8日2時まで観測

 7月7日22時から26時まで
と表現し、観測時間が4時間であることがすぐにわかります。
(30時間制、放送業界や天文分野、深夜営業の店舗などで使われているようです)

ちなみに「午前」「午後」で使われる【午】ですが、十二支の七番目【ウマ】になります。
十二支を用いて表していたころ、午の刻は昼の12時を中心とする約2時間であったため、昼の12時を正午と言うようになりました。
十二時辰といい、近代以前の中国や日本などで使われ、1日をおよそ2時間ずつの12の時辰(じしん)に分けられていました。
不気味なことが起こったり幽霊やお化けが出ると言われる『丑三つ時』は、丑の刻が午前1時から午前3時ごろになり、さらにそれを4つに分けた3つ目(=三つ時)なので、午前2時から2時30分になります。

英語では午前はAM、午後はPMになり、時刻表記としては、"1:00 p.m."と後ろにつけるのが標準的になります。
(ピリオドの有無については、あるのが一般的なようですが、無い表現も問題ないようです)

AMは"ante meridian"、PMは"post meridian"の略になります。
原形となったラテン語は、"ante meridiem"、"post meridiem"となり、"meridiem"は昼の真中を意味しますので、昼の中央の前、後という意味になります。

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