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七夕のとっても面白く無い話

七夕で織姫と彦星が年に一度しか会えないというとってもロマンチックなお話
これを天文学的に考えると、とってもつまらない話になる、、、というものです。

織姫(ベガ)の質量は太陽の約2.6倍、彦星(アルタイル)の質量は太陽の約1.79倍です。
恒星の寿命は質量の2乗から3乗に反比例するので、太陽を100億年とすると、ざっくり

織姫: 9.2億年
彦星:23.3億年

となります。
計算が大変になるので、ざっくり10億年の寿命としましょう。

こうなると話は半分ぐらい見えてきます。

寿命10億年の二人が一年に一度しか会えないと言っても、その時間は一生の10億分の一。
人間に例えると100年の寿命の中で

$${100 \times 1/100,0000,000 = 0.0000001年}$$
$${0.0000001年 \times 365.24日  \times 24時間  \times 60分  \times 60秒 = 3.16秒}$$

3秒!!

でも結構離れていますよね?
織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)の距離は約15光年離れていますが、同じ様に計算すると、

$${100 \times 15/100,0000,000 = 0.0000015年}$$
$${0.0000015年 \times 365.24日  \times 24時間  \times 60分  \times 60秒 = 47.34秒}$$

47.34秒!!

15光年とはいえ、寿命10億年の二人にとっては人間換算でわずか50秒弱です。
片道50秒って隣の家にもたどり着くかどうかのレベルですね。

つまり寿命10億年の織姫と彦星は、人間に例えると3秒に一回、片道50秒弱の距離を行き来して会っているというわけです。
会って別れて50秒かけて戻っても、3秒後には会いに出かけると言ったところでしょうか。

もはやロマンチックさのかけらも無いドン引きするレベルでのイチャイチャぶり。。。

スケールの大きな宇宙に人間の感覚を当てはめると見える世界が違ってきますね

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