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ステライメージ9でステラナビゲータを使わずにメトカーフコンポジットをする
彗星のように日周運動とは別に固有運動をしている天体を撮影すると、恒星時追尾だけでは目標天体の動きを追うことができません。
![](https://assets.st-note.com/img/1674471918059-fnVYxFOiZ9.png?width=800)
そしてデジタル全盛の昨今、比較的短い露出時間でも彗星を捉えることができます。そこで、彗星の固有移動が目立たない程度の短い露出時間で複数枚撮影し、これらをソフトウェア上で、彗星の固有運動の分だけずらして重ね合わせる方法を「メトカーフコンポジット」と呼びます。
(メトカーフ法という彗星の動きに合わせた追尾撮影法から来ています)
アストロアーツが開発したステライメージ9は、天体写真のために設計・開発された画像処理ソフトウェアですが、このメカトーフコンポジットも実装しています。
ですが、彗星の移動量は彗星ごとに異なり、そのデータは別のソフトウェア(ステラナビゲータ、ステラショット)から取得しています。
これらのソフトがない場合は、彗星の移動量を手動で入力しなければなりません。
私は基本Mac使いであり、持っているステラナビゲータもVer.7でさほど困っていないので新しいのは持っていないのです。
フリーのプラネタリウムソフトStellariumも十分に優秀で特に困っていないため、彗星のデータをここから取得してメトカーフコンポジットをする方法を備忘録として残します。
彗星情報の取得
まず、Stellariumを起動し、目標の彗星を表示します。
このとき、撮影した日時に合わせてください。彗星が地球に近い場合、数時間でデータが変わってしまうからです。
![](https://assets.st-note.com/img/1674464746529-XO8ObrsF9a.png?width=800)
彗星を選択すると、様々なデータが左側に表示されます。
今回使うのは、黄色い枠で囲われた部分です。
彗星の位置情報
・赤経(α):15h 29m 58.54s
・赤緯(δ):+52° 46′ 44.0″
単位時間(1時間)当たりの移動量
・赤経方向(dα):-0° 02′ 42″
・赤緯方向(dδ):+0° 06′ 01″
数値を変換する
続いてこれらの値を変換します。
欲しいのはステライメージ9で入力する方式に変換します。
変換には下記サイトを使用しました。
まず単位時間当たりの移動量(赤経・赤緯)です。
赤緯はそのまま「+0° 06′ 01″」を入力して求めます。
![](https://assets.st-note.com/img/1674465656102-KceIBpm9Ip.png)
赤経は少しコツが必要で、入力は時分秒になっています。
このサイトでは時分秒から度表示・度分秒表示に変換していますので、時分秒を入力しつつ度分秒表示の値を「0° 02′ 42″」に近づけていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1674465761117-aqyrW4LCe9.png?width=800)
そうすると、赤経が0h 0m 10.8sで0° 02′ 42″になりました。
続いて天体の位置ですが、こちらは天体の赤緯を入力します。
![](https://assets.st-note.com/img/1674465858425-00fx6MdPFj.png)
ステライメージでの設定
ステライメージ9での移動量入力画面は以下の通りです。
変換した数字を入力しますが、最後にカメラの画角と天の北極方向のズレを入力します。
一般的に画角の上を北に向けるのがセオリーですが、今回はカメラを水平にしたので入力が必要になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1674466095519-2Sj7HEez2U.png)
あとは使用したカメラとレンズの焦点距離を入力して実行します。
コンポジットがうまく行けば、恒星は動いていますが彗星は動いていないという画像が表示されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1674471971642-DKgpiHP4P8.png?width=800)
あとはSI9やPhotoshopで画像調整すればOKです。
(この辺は好みですね)
![](https://assets.st-note.com/img/1674521425078-izjX5O7o9e.jpg?width=800)
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