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具って何だろう

具現化(する)
manifestation / to manifest

よく出てくるワードです。毎回訳し方を悩みます。頭の中でなんとなく意味は分かっていても、それを視聴者に伝わるように字幕として訳すにはどうすればいいか? 見慣れない・聞き慣れない言葉はなるべく使いたくありません。

そもそも、具現(ぐげん)ってどういう意味なんでしょうか。

実際に具体的な形に現すこと

コトバンク

では具体的の意味は?

はっきりとした実体を備えている様

コトバンク

あ、これは分かりやすい。どうやら具現化や具体的という言葉になじめないのは、「具」のせいみたいです。「具」と聞いて最初に連想するのは「味噌汁の具」です。


音:ぐ
訓:そな(える) そな(わる) つぶさ(に)

わー、具の訓読みは初めて知りました。

意味を調べると色々出てきますが、「具現」や「具体」に当てはまるのは

必要なものをそろえる。そなえる。そなわる。

コトバンク

ということは、具現は「現れるために必要なものをそろえる」
具体は「体(実体)にするために必要なものをそろえる」…かな?

英語でmanifestを使う例を挙げると、庭に花を植えながら「あー、園芸に詳しい人にやり方を教えてもらいたいなあ」と思った数分後に、散歩中の男性が通りかかって「こんにちは。何を植えてるの?」と声をかけてくれました。少し立ち話をしたら、なんとその人は園芸家でした。この時私は「Wow, I manifested him!」と思ってびっくりしました。(実話)

直訳すると「私が彼を具現化した」ですが、これでは伝わらないので、自然に訳すなら「願いが瞬時に叶った」「思い描いていたことが目の前に現れた」でしょうか。思考が実体として現れた、ということです。

具現化のうれしくない例は、「ディズニーランドに行く日に雨が降ったらどうしよう」と思い続けた結果、意識が雨に向いてしまって、雨が具現化してしまうなど。

つまりは「創造する」
もっと簡単に言えば「作る」と同じと考えていい気がします。

園芸家を(魔法のように目の前に)作り出した。
雨の日を(魔法のように目の前に)作り出した。

意味としてはそういうことだと理解しています。

今日はについて考えました。
別の機会にETの皆さんが選んで使うワードについて考えたいと思います。
例えば、なぜchange(変化)じゃなくてshift(移行)と言うのか?
なぜworld(世界)じゃなくてreality(現実)? など。

読んでくれてありがとう😀

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