マガジンのカバー画像

Blog in Japanese

59
翻訳者・通訳者の視点から主に言葉と文化についてつぶやいています。
運営しているクリエイター

2022年1月の記事一覧

ハムスター、巣ごもり、そして今・・・

「巣ごもり消費」とはよく言ったものだと、感心していたら、いつのまにか時代は「今のうち消費」 日本でもオミクロン型の感染が急拡大の兆しを見せるなか、日本の年末年始商戦はまだ比較的好調だったようです。そのような消費者動向を「 #今のうち消費 」と呼ぶらしいですが、これまた唸らされる造語です。「そのうち買えなくなるかも」という不安がひと言で表されています。 リベンジ消費が弱気になった感じといったらよいでしょうか。ネットで探しましたが、それに対応する英語や独語の表現は見つかりませ

地中を極めるには、地上も極めよ

🌎 近年、地表と地中との温度差を利用した地中熱利用システムが環境に優しい空調方式として注目を集めています。欧州ヒートポンプ協会(EHPA)の調べによると、2021年における欧州でのヒートポンプ売上は200万台以上を記録し、前年比で25%アップ。世界的に見ても、欧州は地中熱利用の先進地域といえます。ドイツも助成金などの施策により地中熱利用の普及に力を入れており、その導入の実態を探りに日本からの視察も増えています。 🌡さて、そのような調査団に何度か通訳として随行させていただく機

特製カルタで通訳トレーニング

毎年、一緒に仕事をした通訳者を集めて新年会を催しています。平たくいうと呑み会ですが、通訳としての勉強会も併催しています。 📝 これまでの勉強会の一例: ☑通訳のための話し方講座(プロのアナウンサーによるお試し講義) ☑ノートテーキングのミニ講座 ☑通訳ドキュメンタリー番組の視聴 ☑特製カルタ さて、特製カルタとはいかなるものか?数字の読み替えは、通訳にとっての永遠のチャレンジです。そこで通訳の現場で出てきそうな数字を含む、ドイツ語の文章を読み札にし、対応する漢数字を絵札

ドイツの新年を彩る縁起物

首尾よく滑るように祈るよ🎿 日本の受験生が聞いたら怒るようなこのフレーズは、ドイツでは定番の年末挨拶。Guten Rutschという挨拶の語源は、一説によればイディッシュ語であるとか。いずれにせよ、ドイツでは新年には滑り込むものと決まっています。というわけで皆さん、幸先のよい滑り出しを切りましたか。 🍄クリスマス商戦の後は、新年向けの商品が店先を飾ります。煙突掃除夫の人形を乗せた、四つ葉のクローバーの鉢植え、蹄鉄を模ったチョコレート、白い斑点のある赤キノコのマスコット、マジ