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ホラー恐怖症からホラー熱狂へ

皆様お疲れ様でございます。前の記事を書いた頃は酷暑の終わりでしたが、今回は寒季の終わりを迎えた頃に書くことになりました。温度が上がりながらも花粉も多くなる時期であり、春を楽しみながら花粉症を避けられると良いですね。こちらは風邪と熱に襲われて春は不運で始まっておりますが……。

冬。昼間が短くなり、外も寒すぎて家から出たくない季節。個人的にはあまり映画を観ないタイプですが、冬になったら家で引きこもりながら観ます。季節ごと観るテーマなどはないのですが、最近はホラー映画を楽しむ気持ちになりました。

子供の頃からホラー要素は苦手でした。特に覚えがあるのは、2003年あたりに近所のデパートでDVD販売のためにテレビで様々なシーンを流しており、『シャイニング』のエレベーターのシーンを観ました。なぜそういった不気味な映像をデパートで流していたのかはわからないですし、「もしかしたら覚え間違えているのではないか」と思う時もありますけど、大人になってからその映画をちゃんと観まして、記憶もはっきりとしています。あのシーンを見て悪夢を見たのも覚えてますね。

その悪夢の影響で、ホラー映画はほとんど避けるようになりました。しかし最近はなぜか気が変わり、「ちょっと試そう」と決めました。ホラーよりもブラックコメディに近い『グレムリン』から始めたのですが、じきに、今もぞっとする『悪魔のいけにえ』にいきつきました。そして映画製作を調べましたら、予想以上に批評的な分析がたくさんありました。

その分析で特に気になったのは「悪党の家族は、田舎の工業化によって仕事と人生の意味をなくした労働者と比べられる」という考え。悪党でありながら、社会に必要とされない、拒絶された人物とも見えるというのです。女性の鬘とメイクをつけている主役のレザーフェイスも、映画が撮影された70年代から始まったLGBTプライド・パーレードの影響によるトランスジェンダーのキャラクターと考える人もいます。

ホラー映画を観始めた頃、恐怖を感じるとは確信してました。でも驚いたのは、ジャンルとしての幅広さでした。悪の心に取りつかれた人形の話から始まった「チャイルド・プレイ」シリーズは複雑な家庭劇として変化し続けますし、「スクリーム」シリーズはその時期のホラー映画に対するメタ発言だらけ。とんでもなさすぎて笑うしかない『バスケット・ケース』から、父権社会の中で繰り返される虐待のテーマを感じたホラーの名作『呪怨』まで。

いつの間にか、ホラー映画にハマりました。ただの恐怖だけではなく、笑いと熟考があるのです。もしかしたらこちらの記事を読んでいる方には「ホラー映画は絶対に嫌」と思う人もいるでしょう。でも、もちろん絶対とは言いませんが、人生で一度は体験すべきジャンルだと思います。その幅広い映画の世界を探索したら、気に入る作品はきっと見つかります。そしてどうしてもホラーが苦手でしたら、私のように『グレムリン』で始めるのも悪くないです。

マーティン・ベン


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