見出し画像

今と未来を繋ぐためのフィッティング~続編~

何気なくつぶやくように書いたワンポイントレッスン初回が思いのほか反響が良く、「もう少し具体的に! 」というリクエストがありましたので難しくならないよう気を付けつつ少し追記します。

一般的に行われているフィッティングは、選手の骨格(骨の長さ)や身体の柔軟性などをベースにしてセッティングしている事が多いかと思います。これまでのデータや経験上理想的とされるサイズあるいは関節の角度があって、それを基にアジャストして行く形でしょうか?

このやり方は世界的に見て最もスタンダードなやり方なのかと思います。なのでこれを否定する気は全くありません。(最初にお断りしておきます) ただ競技のコーチとして、あるいはトレーナーとしての立場で言うと幾つかフィッティング時のポイントを追加して考えて欲しいと考えています。


○初心者・初級者のセッティング

安全性を最優先に考えてください。
トラックバイク、ロードバイクどちらも速く走ることを最優先に設計された自転車です。不慣れな方が乗った場合シティーサイクルやマウンテンバイクなど比べると前傾姿勢がきつくとてもシャープなハンドリングになっています。その為前輪に極端な加重(体重)がかからないよう理想的な位置に比べハンドルは高め、サドルは後ろに下げ気味にしてください。また不慣れな運動をする時人は関節を大きく(伸ばした状態で)使えません。不安を抱えて無理をすれば動きが硬くなってしまいます。そこで関節にゆとりが出来る様ハンドルは近め(ステムを短く)、サドルは低めにすると良いと思います。


○中級者・成長過程の競技者

筋力に合わせて定期的なリセッティングを!
自転車でのトレーニングに慣れてきて、意識せずスムーズに操作出来るようになってくるとトレーニング強度も上がり筋力や持久力も高まってくるでしょう。その成長度合いに合わせてサドルの高さや前後位置、ハンドルの高さや前後位置を少しずつ調整しより速く走れるようリセッティングして行ってください。

セッティングのポイントとしては、まずペダルにしっかり力が伝わるところにサドル位置を定めること。これを最優先にしてください。その上でハンドルの位置を決めるのですが、本来理想とするハンドルポジションは上半身の筋力が無ければ上手に力を発揮することが出来ません。その為日頃から体幹や背中などの筋トレをしっかり行う事、そしてその成長度合いに合わせてハンドルポジションを修正して行ってください。


○上級者・日本のトップあるいは世界を目指す競技者

より高い出力、より速い走りのためのリセッティング。
上級者になるとより高いレベルで人と競うため競技規則を熟知した上で、よりペダルに力をかけることが出来、空力等速く走る上で様々な工夫をしたセッティングに移行して行きます。ただここで気を付けて欲しいのは速く走るためにはしっかり身体の筋力(パワー)を自転車に伝えられることが前提になります。最近よく見かけられるのは空力を意識した極端なフォームを強いるセッティングです。これによって関節の角度に無理が出て本来優先すべき走る力を損ねてしまっている人が少なくありません。
基本は自分の力をしっかり自転車に伝える事。その上で上半身等の筋力を高め空力的に優れた形(フォーム)をとっても力を損ねない様になって初めて意味が出てきます。このレベルになるとミリ単位での修正になってくると思いますが、基本をしっかり抑えた上で最善のセッティングを目指してください。

またいつもの癖で少し難しい話になってしまいましたが、何かの参考になればと思います。自転車競技やトレーニングに関する質問がありましたら是非お聞かせください。お待ちしています。

トレーニングに関する質問はこちら : Google foams


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?