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Cisco(CSCO)FY20 Q4決算レポート。ガイダンスの引き下げを発表。ハードウェアビジネスからソフトウェアビジネスへの移行が上手く進んでいないか?

通信業界の大手CiscoがFY20 Q4の決算を発表しました。相変わらず安定感のある決算ではあったものの、ガイダンスが予想を下回る発表となり、時間外取引で株価が下落しています。

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Cisco(CSCO)とは

会社名: Cisco Systems, Inc.
ティッカー: CSCO
Marketcap: $203,025.74
業種: Technology Hardware & Equipment
会社概要: シスコシステムズは、グローバルでネットワークの製品の設計、製造、販売を行っています。スイッチング、ルーティング、ワイヤレス、データセンター製品などのネットワーク技術を含むインフラプラットフォームを提供しているほか、ユニファイド・コミュニケーション、Cisco TelePresence、会議などで構成されるコラボレーション製品や、IoT、アナリティクス・ソフトウェア、セキュリティ製品なども提供しています。

FY20 Q4決算概要

売上高 と 収益性 (4)

利益 (67)

EPS(GAAPベース) (29)

・FY20 Q4の売上高は122億ドル(9%減)となり、コンセンサス予想の121億ドルを上回った
・EPSは0.80ドルとなり、コンセンサス予想の0.74ドルを上回った
・製品収益は 13%減、サービス収益は横ばい
・製品収益のうち、セキュリティが10%増、Infrastructure Platformsは16%減、Applicationsは9%減
・地域別の売上高は、米国が12%減、EMEAが6%減、APJCが7%減
・営業キャッシュフローは38億ドル(前年同期比4%減)

売上高成長率がジワジワと下がっているのが気になりますが、大企業らしく安定した決算内容です。

FY20 通期決算概要

2020年通期の業績についても確認してみます。

売上高 と 収益性 (5)

利益 (68)

EPS(GAAPベース) (30)

キャッシュフロー (57)

・売上は493億ドルで5%の減少
・純利益112億ドルで4%の減少
・EPSは2.64ドルで1%の増加
・営業キャッシュフローは154億ドルで3%減

Ciscoはハードウェア中心のビジネスからソフトウェアビジネスへの移行を進めていますが、カンファレンスコールを聞く限り、徐々に進んできているようです。

2020年通期の収益の51%がソフトウェアとサービスから来ており、初めてその50%以上を超えることができた。
2020年度末までに、収益の半分以上をソフトウェアとサービスから得るという目標を達成し、この戦略は、組織をデジタル化する顧客に共鳴し続けています。引き続き将来を見据えて、研究開発投資のバランスを調整し、新しい分野に焦点を当てています。

ガイダンス

・FY21 Q1の売上を、117.1億ドル〜119.7億ドルと報告
 以前のコンセンサス予想では、122.5億ドルだったため数字を引き下げ
・EPSを0.69ドル〜0.71ドルと報告
 以前のコンセンサス予想では、0.76ドルだったため数字を引き下げ

今後の見通し

Ciscoはハードウェア中心のビジネスからソフトウェアビジネスへの移行を進めていますが、ソフトウェアビジネスはハードウェアビジネスのようにトップラインを稼ぐことができないため、売上の低下は想定内としてもEPSのガイダンスも下げてきました。

投資家もこのガイダンスの引き下げを理由に、時間外取引で株価が下落しています。

直近で大きな成長は難しいように思えますので、個人的に投資することは無いですが、配当目的で投資されている方は引き続きホールドでも良いんじゃないかと。


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