見出し画像

ワークデイ(Workday)FY20 Q1決算レポート 成長率は鈍化しつつも見通しは明るい

WorkdayのFY21 Q1の決算が発表されましたので、簡単に内容をまとめてみます。

Workdayとは

会社名:Workday Inc.
ティッカー:WDAY
設立: 1899年
Marketcap: $42,586,137,000.00
業種: Application Software
Webサイト: http://www.workday.com
会社概要:
 ワークデイは、エンタープライズ・リソース・プランニングを提供するSaaSプロバイダーで、ERPや中規模および大規模企業のためのソフトウェア会社。同社の製品ポートフォリオには、人的資本と財務管理ソフトウェアを中心に構築されています。

Q1決算

SaaSベースの「HCM(Human Capital Management)」サービスではトップで、今回の1Q決算で売上10億ドルを突破しています。

売上高と収益性

・総売上:$1,018M (YoY成長率 +23%)
 そのうち、サブスク売上:$882M (YoY成長率 +26%)
・営業利益率(非GAAP):12.8% (前年同期比 13.1%)

売上は順調に伸ばしているモノの、成長率は鈍化傾向にあります。
続いて利益を見てみます。

利益

営業利益は-1億4450万ドルとなり、順調に赤字を続けていますw
ただしこれは、成長のための投資であり、個人的には問題ない範囲だと思います。

EPS(GAAPベース)

・非GAAPのEPSは0.44ドル(アナリスト予想 0.49)
・GAAPベースのEPSは-0.68ドル(アナリスト予想 -0.49

キャッシュフロー

・営業キャッシュ・フローは、前年同期の 2 億 9,020 万ドルに対し、2 億 6,370 万ドル

コロナウイルスの影響で、クラウドを利用したSaaSサービスの需要は増加しており、今後も順調に成長していくと思います。2020年5月27日にはマイクロソフトとセールスフォースがWorkdayと新たなパートナーシップを結ぶというニュースも出ています。

株価は?

決算を受けて株価は急上昇しています。

画像5

コロナの影響で経済が打撃を受けているにも関わらず順調に成長し、MicrosoftやSalesforceとの重要な取引に成功したことが市場でも好感されているようです。

また、ガイダンスの中で2021年度のサブスクリプション収入を36億7000万ドルから36億9000万ドルの範囲で見込んでいることと、第2四半期の酢ブスクリプション収入は9億1,300万ドルから9億1,500万ドルと予想。さらに2021年度の非GAAP営業利益率のガイダンスを16.0%に引き上げると発表しています。
こういったガイダンスでの強気の発表も市場が好感しているようです。

今後の見通し

Workdayの第1四半期の収益は前年同期比23%増で、10億ドルを突破しました。また、サブスクリプションベースの収益は、26%のペースで上昇しました。
引き続き損失を出しているものの、1 株当たりの調整後ベースの損失はほぼ昨年と同等であり、営業キャッシュフローは前年レベルから改善しています。
さらに、既存顧客の維持率を確保しつつ、MicrosoftやSalesforceとの重要な取引に成功したこと点も評価できます。

さらにコロナの影響で通期の予測を発表しない企業が多くなる中で、ガイダンスの中で投資家が聞きたかったことを自信を持って語っていた点も好感が持てました。それがたとえサブスクリプション収益のガイダンスを減らすという発表であっても、企業のトップが投資家が知りたいことを明確に語ることは、今後の株価に大きな影響をもたらすため、この姿勢は非常に評価できると思います。

WorkdayのFY20 Q1のEarnings Call

続いて、決算時のEarnings Callの要約です。Earnings callとは、電話やWeb会議などを使った、投資家向けの収支報告会のことで、CEO、CFO といった企業のトップが、その四半期のビジネスの状況を報告する場になります。投資家にとっては、最新の財務状況を経営トップから直接聞ける貴重な機会となっています。

Aneel Bhusri CEO要約

過去数ヶ月間、私たちはお客様と密接に協力して、この現在の環境によって提示された新たな課題や機会をナビゲートするために、Workdayソリューションを構成してきました。
また、私たちのように、シームレスに100%リモートで帳簿を閉じるためにWorkdayを使用している数え切れないほどのお客様からの話を聞いています。
また、ヘルスケアのお客様からは、重要な人材リソースを俊敏に再配置するためにWorkdayを利用しているという話を聞いたことがありますし、プランニングのお客様からは、当社のソリューションを利用して金融労働力計画を動的に調整しているという話を聞いたことがあります。
WorkdayとSalesforceは長い間素晴らしいパートナーであり、今では数え切れないほどの共同顧客を抱えています。
当社のHCMのお客様は、ワークフォースを管理するための真実のソースとしてWorkdayのデータの力を活用しており、これには必要不可欠な労働者の特定、関連するスキルセットを持つ人材の配置などが含まれています。
第1四半期には、フォーチュン50に入る企業であるファニーメイをFinancialsで初めて獲得したことを含め、引き続き勢いがありました。その他にも、ルイビル/ジェファーソン郡のメトロ・ガバメント、オクタ、6万人以上の従業員を抱える大規模なヘルスケア企業など、金融系の新規顧客を獲得しました。
計画面では、Microsoftとのパートナーシップを拡大し、Workdayのお客様はMicrosoft Azure Cloud上でWorkday Adaptive Planningを実行できるようになりました。
さらに、強力な統合機能に加えて、お客様はWorkdayのコアアプリケーションから深い拡張機能を構築できるようになりました。

Robynne Sisco CFO要約

第 1 四半期には史上初の 10 億ドル規模の収益を達成し、サブスクリプションの収益は前年同期比 26%増の 8 億 8,800 万ドル、プロフェッショナル・サービスの収益は同 10%増の 1 億 3,600 万ドルとなりました。
これにより、第1四半期および21年度通期のGAAPおよび非GAAP両方の費用に7,900万ドルが追加されましたが、これは第4四半期の電話会議でのガイダンスでは想定していませんでした。
この一回限りのボーナス支払いを除くと、第1四半期の非GAAPベースの営業利益率は20.6%となり、ガイダンスを大幅に上回っていました。
第1四半期の営業キャッシュフローは2億6,400万ドルで、前年同期比26%の増加となりました。
その結果、破産者の増加や更新時のベースワークアカウントの減少などにより、短期的には保有率に若干の緩和が見られるかもしれませんが、保有率は引き続き高い水準を維持すると予想しており、この指標については年内にも引き続き最新情報をお伝えしていきます。
第2四半期の購読料収入は9億1,300万ドルから9億1,500万ドル(21%増)になると予想しています。
年内の新規契約、更新率、契約期間の変更の可能性など、現在のところ不確実性が高いため、現時点では第2四半期のバックログガイダンスのみを提供する予定です。
通期の非GAAPベースの営業利益率は16%と予想しており、これまでの14.5%から上昇しています。
GAAPベースの営業利益率は、第2四半期に約26ポイント、通期では約27ポイント、非GAAPベースの営業利益率を下回ると予想しています。
第1四半期の営業キャッシュフローは好調でしたが、一部の既存顧客や新規顧客から柔軟な支払条件の要望を受けており、また引き続き要望を受けています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?