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CloudFlare(NET)FY20 Q2決算レポート。インターネットトラフィック増加に伴い好決算を発表。今後はゼロトラスト対策とWorkers Unboundで更なる成長を期待。

CloudFlare(NET)がFY20 Q2の決算を発表しました。競合のFastlyとAkamaiは既に決算を発表済みで、どちらも好決算を発表していますので、CloudFlareも期待していましたが、こちらも好決算を発表しています。

CloudFlare(NET)とは

会社名: Cloudflare, Inc.
ティッカー: NET
Marketcap: $12,556,257,300.00
業種: Software Infrastructure
Webサイト: http://www.cloudflare.com
会社概要:
Cloudflareはコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)やインターネットセキュリティサービス、分散型ドメイン名サーバシステムを提供する会社で、競合にはFastlyやAkamaiがいます。

FY20 Q2 決算概要

売上高と収益性 (63)

利益 (61)

EPS(GAAPベース) (26)

・売上高は9,970万ドルで、前年比48%の増加(事前のコンセンサス予想は9,410万ドル)
・EPSは-0.03ドル(事前のコンセンサス予想は-0.06ドル)
・GAAPベースの売上総利益は7,560万ドル(粗利率75.8%)となった。(FY19 Q2の売上総利益は5,260万ドル(粗利率78.0%))
・営業損失はGAAPベースで2,470万ドル(総収入の24.8%)となった。(FY19 Q2は1980万ドル(総収入の29.3%))

売上高成長率はほぼ変わっていませんが、粗利率が若干低下しています。普通の企業であれば気にする必要のない差ではあるものの、高成長銘柄の場合は気にする投資家も出てくるかもしれません。

EPS/売上の予想と実績

これまでのEPSと売上の事前予想と実績も見てみましょう。

EPS(実績) と EPS(予想) (18)

売上(実績) と 売上(予想) (19)

事前のコンセンサス予想を上回る数字を発表し、順調に成長しているように見えますが、小型高成長銘柄だと成長率が足りないと思えるかもしれません。

ガイダンス

Q3の売上高を1億2,250万ドル〜1億3,350万ドル、EPSを-0.06ドル〜-0.05ドルと報告しています。
以前のコンセンサス予想では、売上高を9,820万ドル、EPSを-0.05ドルと報告していました。

2020年通期の売上高は4億400万ドル〜4億800万ドル、EPSを-0.18ドル〜-0.17ドルと報告しています。
以前のコンセンサス予想では、売上高を3億8900万ドル〜3億9300万ドル、EPSを-0.21ドル〜-0.19ドルと報告していました。

競合とのパフォーマンス比較

2020/8/7時点の競合(Fastly、Akamai)とのパフォーマンス比較は次の通りです。

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FY20 Q2売上
・Cloudflare:9,970万ドル
・Fastly:7,500万ドル
・Akamai:7 億 9,470 万ドル

FY20 Q2 売上高成長率
・Cloudflare:48%
・Fastly:62%
・Akamai:12.7%

直近PSR
・Cloudflare:21.1倍
・Fastly:34.9倍
・Akamai:5.8倍

Cloudflareは3社の中では真ん中に位置していますが、PSRが21倍でこの成長率をどう見るかですね。

今後の見通し

Fastlyはプログラマブルで開発者によるカスタマイズが可能な点を推し進めることで差別化をしています。

Cloudflareはセキュリティ強化のサービスや製品を開発することで競合との差別化をしています。
Accessというリモートアクセスシステムを以前から提供していましたが、2020年にCloudflare for TeamsというSaaS型セキュリティ製品をリリースしています。CDN用に世界各地に建てられた無数のエッジにセキュリティ機能を設けることで、テレワークの普及で話題になっている「ゼロトラスト」対策が可能なサービスです。

ゼロトラストとは、「すべての通信を信頼しないことを前提とし、検査、ログ取得を行う」という「性悪説」の考え方です。テレワークでは会社のPCを持ち出したり、自宅のPCを利用して社内のネットワークに接続します。これにより、端末が外部ネットワークと企業の内部ネットワークを通過することになるため、境界型のセキュリティ対策が困難になってしまいます。

このような場合はゼロトラストを意識したセキュリティ対策が必要になります。テレワークの普及でゼロトラスト対策は一気に普及してきており、今後もCloudflareにとって追い風になってくると思います。

またCloudflareは先月、Workers Unboundというサービスを発表しました。

Cloudflareでは、以前からCloudflare Workersというサービスを提供しています。これは、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)のエッジで開発者がJavaScriptを実行できるサーバーレスなサービスです。

Workers Unboundは、従来のCloudflare Workersとは違い、CPU制限も無くどれだけ負荷の高いアプリケーションでも実行できるサービスです。これにより、開発者が高速でシンプルな作業をエッジで実行できるようになります。

Webトラフィックが爆発的に増加している中、CDNの重要性、エッジでのプログラマブル制御の需要は今後も高くなると考えています。今後も引き続き成長が見込める分野ですので、CloudflareやFastlyの株を保有しておくことは、十分価値あることだと思っています。




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