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Paloalto (PANW)FY20 Q4決算レポート。売上、EPSともに事前予想を超える決算を発表。ガイダンスも問題なく、今後の成長を見据えた買収も発表。

Paloalto (PANW)がFY20 Q4の決算を発表しました。

Paloalto (PANW)とは

会社名: Palo Alto Networks, Inc.
ティッカー: PANW
Marketcap: $25,763.14
業種: Software & Services
会社概要: Palo Alto Networksは、次世代のセキュリティプラットフォームを提供しており、セキュリティ プラットフォーム ソリューションを日本を含めた世界中に提供しています。
物理アプライアンスだけではなく、仮想アプライアンスの提供や、脅威対策、統一リソースロケーターフィルタリング、マルウェアや永続的脅威、ノートPCやモバイル機器の保護、ファイアウォール、サイバー攻撃、脅威インテリジェンス、コンテンツコントロールなどの分野をカバーするサブスクリプションサービスも提供しています。

Gartnerが2019年に発行したネットワーク・ファイアウォールについてのマジック・クアドラントのレポートで、Paloaltoはリーダーとして評価されています。
マジック・クアドラントとはマーケットごとに、競合しているプレーヤー各社を相対的に位置付けて提示するガートナーの代表的なリサーチの1つです。

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競合他社

主な競合企業には、Cisco、Juniperといった大手ネットワーク機器ベンダーや、NortonLifeLock(旧シマンテック)、Check Point Software Technologies、Fortinetなどの独立系セキュリティベンダーがあります。

FY20 Q4決算概要

売上高 と 収益性 (9)

利益 (72)

EPS(GAAPベース) (32)

キャッシュフロー (60)

・Q4の売上は前年同期比18%増の9億5,040万ドル
・純損失は5,890万ドルとなり、前年同期比の2,080万ドルから悪化
・Q4のBillingsは前年同期比32%増の14億ドル

売上は二桁成長を継続していますし、Billingsは32%増と安定成長を続けています。

FY20 通期決算概要

2020年通期の業績についても確認してみます。

売上高 と 収益性 (10)

利益 (73)

EPS(GAAPベース) (33)

キャッシュフロー (61)

・2020年度の売上は前年同期比18%増の34億ドル
・2020年度のBillingsは前年同期比23%増の43億ドル

通期の数字も売上、Billingsともに順調に成長しています。

Billingsについて

BillingsはSaaS企業の成長性及び健全性を測る指標です。Billingsは、今期の収益に繰延収益の変動額を加えた額のことで、企業が新しいビジネスや現顧客に対してアップセルもしくはクロスセルを通じて受注額を伸ばしているのであれば、Billingsは増加します。

Paloaltoの決算説明資料にBillingsに関するグラフが掲載されていました。

Paloalto Q4 Fiscal Year 2020 Earnings Call

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四半期毎のトータルBillingsは32%増の14億ドルとなっており、PrismaおよびCortexというPaloaltoの次世代セキュリティ製品のセグメントに絞ると、86%増の3.7億ドルと高成長を持続。

この次世代セキュリティセグメントの競合には、oktaやCrowdstrike、Zscalerといった、高成長SaaS企業がいますが、これらの企業と比較しても成長率はPaloaltoの方が高くなっています。

また、今回の決算発表の中で、The Crypsis Groupを2億6,500万ドルで買収すると発表しています。Crypsis Groupのプロセスと技術はCortex製品に統合していくとのことで、今後の次世代セキュリティセグメントの成長に注目していきたいところ。

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 EPS/売上のコンセンサス予想と実績

これまでのEPSと売上の事前予想と実績も見てみましょう。

EPS(実績) と EPS(予想) (23)

売上(実績) と 売上(予想) (24)

FY20 Q2の売上だけ、ガイダンスを下回っていますが、それ以外はすべてガイダンスを上回る発表を続けています。

ガイダンス

2021年度第1四半期のガイダンスとして以下の数字を発表しています。

・Billingsを10億3,000万ドルから10億5,000万ドルと報告(前年比15%から17%の成長)
・売上を9億1,500万ドルから9億2,500万ドルと報告(前年比19%から20%の成長)
・EPSを1.32ドルから1.35ドルと報告

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今後の見通し

Q4の堅調な決算報告となりました。以前からコロナの影響はPaloaltoにとっては追い風で、多くの企業がテレワークへ移行することでセキュリティの大幅な需要上昇が期待出来ると言われていました。

Paloaltoはハードウェアアプライアンスビジネスから、ソフトウェアとサブスクリプションビジネスへの変革を進めています。
個人的に今回の決算で注目していたのもこの部分で、次世代セキュリティセグメントがどこまで成長しているかを注目していました。

結果的に次世代セキュリティセグメントのBillings成長率が100%超えと安定した成長となりました。

株価も堅調に推移しています。

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すでにPaloalto株を保有している方にとっては、ひと安心の決算になったのではないでしょうか。


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