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CloudFlare(NET)FY20 Q3決算レポート。成長率は過去最高の54%!4Q、通期ともに上方修正と文句なし決算。

CloudFlare(NET)がFY20 Q3の決算を発表しました。Fastlyの下方修正の件もあり心配していましたが、Q3に約100社の大企業の顧客を獲得し、初の1,000万ドルのARR顧客を獲得と素晴らしい決算となりました。

また、今回決算のEarnings Callで、Matthew Prince CEOの発言を読みましたが、非常にオープンで誠実だと感じました。

【参考】FY20 Q2決算レポートはこちら↓

決算発表後に株価も急騰しています。

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FY20 Q3 決算概要

売上高 と 収益性 (17)

利益 (16)

EPS(GAAPベース) (15)

キャッシュフロー (13)

営業費用 (4)

売上に対する営業費用の割合

業績ハイライト
・Q3の売上は事前のコンセンサス予想$103.1 Mのところ、前年同期比54%増の$114.2 Mとなりました。
・Non-GAAPのEPSはコンセンサス予想($0.05)のところ、($0.02)となりました。
・Non-GAAP総利益は、FY19 Q3の$58.3 M(78.9%)に対し、$88.2 M(77.3%)となりました。
・Non-GAAP営業損失は、FY19 Q3 の$18.1 Mに対し、$4.5 Mと改善しました。
・Non-GAAP純損失は、FY19 Q3 の$18.5 Mに対し、$5.7 Mと改善しました。
・営業費用はS&Mが増加しているものの、売上に対する営業費用の割合は過去最低となっています。

ビジネスハイライト
・Q3に約100社の大企業の純顧客を記録し、初の1,000万ドルのARR顧客を獲得。
・3QのNRRは116%
・無料・有料の顧客数は320万人、前年同期比40%以上
・4,800件の有料顧客を順次追加
・大口顧客736社、前年同期比53%、特に北米に強い
・従業員数は前年同期比42%増の約1700人

EPS/売上の予想と実績

EPS(実績) と EPS(予想) (16)

売上(実績) と 売上(予想) (16)

FY19 4QからはEPS/売上ともに事前コンセンサス予想を上回る数字を出しています。特にEPSはリニアにサプライズ率が上がっていますね。

ガイダンス

今回の決算でFY20 Q4およびFY20通期のガイダンスも報告しています。

FY20 Q4ガイダンス
・売上は$117.5 M〜$118.5 M(事前のコンセンサス予想は$112.28 M)
・Non-GAAP EPSは($0.04)〜($0.03)
・Non-GAAP 営業損失は($10 M) 〜 ($9 M)

FY20 通期ガイダンス
・売上は$422.5 M 〜 $423.5 M
・Non-GAAP EPSは($0.13)〜($0.12)
・Non-GAAP 営業損失は($38 M) 〜 ($37 M)

Earnings Callサマリ

Matthew Prince CEO
我々は例外的な四半期を過ごしました。第3四半期はいくつかの重要なマイルストーンを越えました まず、1億ドルの四半期収益を突破し、前年同期比54%増の1億1400万ドルを達成しました。また、10万人の有料顧客を突破し、101,000人に迫る勢いで第3四半期を終了しました。四半期に大口顧客を99に追加し、現在736社が年間10万ドル以上の支出を持っています。これらの大口顧客は、第3四半期の総収入の47%を占め、我々は彼らが今後の収益の半分以上を占めると予想しています。

2020年の初めに掲げていた目標の1つは、年間ランレートベースで初の1,000万ドルの顧客を獲得することでした。今期はそれを達成できたことを誇りに思います。その顧客はフォーチュン500社のソフトウェア企業で、2016年に当社との取引を開始しました。

記録的な数の大企業のお客様との契約を続けているにもかかわらず、当社の顧客構成の多様性には非常に満足しています。売上高の5%を超えるお客様はいません。また、上位 20 社のお客様は、総売上の 20% 未満に留まっています。

当社の業績と事業の強さを非常に誇りに思っていますが、それ以外にも、当社が本当に誇りに思っていることがあります。私たちのチームは今週の米国選挙に向けて心配していたことの一つにサイバー攻撃の影響があります。私たちはその中でいくつかの役割を果たしました。

私たちは、州や地方自治体の選挙担当者に無料でエンタープライズクラスのサービスを提供するアテニア・プロジェクトを開始しました。また、デジタルキャンペーンを擁護する超党派の市民社会団体と提携し、連邦選挙管理委員会と連携することで、選挙献金法に違反することなく、国政選挙運動に無償でサービスを提供できるようになりました。

米国の半数以上の州が有権者登録、投票場所、管区報告、公式結果などのサービスを保護するためにCloudflareを使用しました。

さらに最近では、10月11日の週にCloudflare Oneと呼ばれる新しいアーキテクチャでCloudflareチームのビジョンを具体化しました。年末前には、プライバシーとコンプライアンスに焦点を当てたCloudflare Weekがもう1回ありますので、ご期待ください。

私たちは1月にCloudflare for teamsを発売しました。多くの企業がリモートワークへのシフトに悩んでいるのを見て、私たちは9月1日までチームを無料にするように呼びかけました。小規模企業から大企業500社に至るまで、何千社もの企業が当社のオファーに応じてくれました。

第3四半期の間に、そのすべての企業と無料オファーから有料オファーに移行するための会話を始めました。その結果には満足しています。75%のお客様が無料から有料アカウントに移行しましたが、その中にはJetBlue Travel Products、OneTrust、Delivery Heroのような素晴らしい新しいロゴがいくつか含まれていました。COVIDの利用がまだ特に難しい一部の顧客に対しては、彼らの足元を取り戻すまで無料提供を継続することを許可しました。Teamsは私たちにとって非常に利益率の高い製品なので、これはあまりコストをかけていません。

前にも言いましたが、顧客のために正しいことをすることは、長期的に見ても大きな見返りがあることがわかっています。変換されたアカウントの移行が第3四半期の後半に来たため、また、チームシートベースの価格設定は、さらに小さな土地で、他の製品のいくつかで拡大する傾向があるため、これらの新しい変換された顧客は、第3四半期には実質的な追加収益にはなりませんでした。

Cloudflareのネットワークは世界100カ国以上、200以上の都市にまたがっているため、耐久性のあるオブジェクトはデータの保存先や処理先を細かく制御することができます。この機能は、今日のグローバル企業が直面している複雑化するコンプライアンス上の課題に不可欠です。

エッジコンピューティングの未来は、コンピューティングと同様に、インテリジェントなエッジストレージによって定義されることになるでしょう。他の企業がエッジ・コンピューティング・プラットフォームを立ち上げようとしている間にも、私たちは耐久性のあるオブジェクトのような製品を市場に投入し、今日の未来を定義しているのです。

フォーチュン500の工業製造会社が、複数のベンダーや製品を単一の統一プラットフォームに統合するために私たちのところに来ました。彼らは、ネットワークの最適化、負荷分散、ボット管理の各ベンダーをCloudflareに置き換えました。彼らは第3四半期に140万ドルの年間契約を結んだ。

今後の見通し

成長率は過去最高の54%増となり、成長率が加速しています。

Earnings CallでのMatthew Prince CEOの発言には、いくつか重要なポイントがありました。

・今期の収益の半分は新規顧客、半分は既存顧客からの収益
・顧客は多様性であり、収益の5%以上を占める顧客はいない
・上位 20 社の顧客は、総売上の 20% 未満に留まっている
・2020年の大統領選挙はCloudflareの支援により、2016年よりもはるかにサイバー攻撃が少なかった
・Athenianプロジェクトを立ち上げ、あらゆる州や地方選挙の関係者にエンタープライズレベルのセキュリティを提供
・連邦選挙管理委員会と協力して無料でサービスを提供
・Cloudflare Teamsは1月に発売され、9月までTeamsを最初に無料にした
・Cloudflare Teamsの有料化は順調に進んでおり、75%が無料から有料に移行
・これらの新規顧客は、Q3後半に有料化しているため第3四半期には重要な追加収益をもたらしていない
・Cloudflare Teamsは非常に高い利益率を誇る製品であり、コストがかからない
・他の企業がエッジ・コンピューティングを立ち上げようとしている間に、既に製品を市場に投入している

Q3はCloudflare One が成長を牽引し、さらにCloudflare Workers は、企業の規制やコンプライアンスの面で将来的に大きなチャンスがあります。
Cloudflare Teams は、コンバージョン率の高い有料サービスに切り替えましたが、Q3は収益の増加にはつながっておらず、Q4でどこまで貢献できるのかは注目ですね。

今回の決算では、決算内容はもちろんですが長期的な成長にも期待が持てる内容でした。また、経営者が話したストーリーにも個人的にも納得いく内容でしたので、ストーリーが変わるまで引き続きホールドしていきます。


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