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【私を構成する5つのマンガ】夢の先の山河、いびつな私たち、そして、才能。

字が読めるようになってから今まで、呼吸をするように漫画を読みまくってきた私がこの企画に参加しないということがあろうか(いや、ない)。

ということで、「私を構成する5つのマンガ」に堂々参戦!!するよ!!!

ここ数年で読んだ漫画にも大変影響を受けているのだけれども、価値観の根っこを揺さぶってきた漫画、小学生から高校生くらいまでに読んだ(か、読み始めた)漫画を、今回は挙げてみようかと思う。キーワードは記事タイトルの通りだよ!せーの、チェケラー。

あしたのジョー

たしか小学生か中学生くらいのときに読んだ。
細部が思い出せないのだけれどいくつか印象的だったところがあり、私が物語に惹かれるポイントを形作ったのは(部分的であれ)この漫画なんじゃないか…、という気がする。

そのうちの一つが(ヒロインの一人である)紀子が(主人公の)ジョーではなくて西さんと結婚する、という点。たぶん私の、「『一番好きな人ではない人と結婚した人』フェチ」はここから始まったと思う。人生には割り切れないことがあるのだ、ということは、子供の私には重すぎる真実であった。

もう一つ、「『夢中になったことに飲まれていく人』フェチ」の出発点も、たぶんここだな。私はよくも悪くも自分にブレーキをかけるタイプの人間である。絵を描くこと、文章を書くこと、どれも好きだけれど、それで寝食を忘れるようなことはないし、自分の時間の100%を流し込むこともできない、リスクを覚悟でばくちを打つこともできない。だから今まで生きてこられたんだろうなあと思う一方、「何もかも犠牲にできるほど高みを目指すことに躍起になれたら、どんなにいいだろう?」と、ずっと思っている。だから、映画『セッション』も好きなんだよね…。

■スラムダンク

たぶん中学生くらいのときに読んだかな?

前も書いたけど私はみっちーが大好き(みんな好きだと思いますが)。
大人になったら人生は失速するしかないんじゃないかって学生時代に思ってたのね。今でも、どうしたらそうじゃないって断言できるだろう?って模索する日々ではあるのだけど…。
特に子どもを産んだりしたら、強制的に脇役に移動することになって、誰かを応援することに喜びを「感じないといけない」と思ってたの。自分の見た目も体力も気力も、どんどん劣化するんだし…と。

みっちーの場合は中学生時代の自分と比べてるわけだから事情は違うけど、自分の中でどんどん美化される過去に浸るだけじゃなくて前進しようとするって姿勢、ものすごく勇気をもらうな・・・。杵柄を愛でるのはらくちんだし幸せなんだ、朽ちていくとしてもそれは逃げていかないから。でも、進みたいなあ。今が一番いいって、エクスキューズなしに言えるようになりたいなあ。

■ハチミツとクローバー

中学生のときに読み始めた。

失恋をしたとき、今より若いときは今よりずっとずっと苦しかったけど、破れた恋にも意味はあるよって思えたのは、この漫画を読んでたことが大きい気がするなあ。恋として好きではないけど大事な人とか、振られても捨てきれない思いのこととか、丁寧に描かれていて、何回も救われる気持ちになった。

あと、この漫画は恋愛モノでもあるけど才能モノでもあると思っていて、その点でも大きく影響を受けた、というか感情を揺さぶられた。私は天才ではないから、修ちゃんや根岸さんの存在や生き方、読んでいてずっと痛くて。私は昔美大に行ってみたいと思っていた時期もあったんだけど、自分の平凡さをわざわざ痛感しに行く勇気がなかったから、才能について考えさせられるシーンにはじゃきじゃきに切り刻まれる。天才のつらさを想像することすらできんのじゃよ…自分の痛みに折り合いがつけられてないから。これからもずっと痛いだろう、ずっと彼らのことは思い出してしまうだろうな。

あとあと、ミクロなポイントでは、竹本くんが修復士たちに出会うエピソードの中で、不幸自慢は不毛だ、とベテラン修復士が語るところがあって、ここ、しょっちゅう思い出します。

ディップコロッケパーティー、寝台列車、健康ランドでの贅沢、深夜のカツ丼…(ありゃ、食べ物ばっかり)…大人の毎日も楽しそうだなあと思わせてくれた作品、でもあるな。場所とか季節の描写で好きなところも、いっぱいあるの。

↓期間限定無料版があったから、通常版とあわせてはっておきまーす



潔く柔く

恋人にこの漫画を貸したら、「けそちゃんのことがちょっとわかった気がする」と言われたので、入れようと決めた漫画。高校生のときに読み始めた…かな…?たぶん。

この漫画の好きなところは、「人が変わっていくところ」を、丁寧に描いているところなんだよね…。マーケティングの分野で、人間は基本的に「一貫性を重んじたい」って性質があるって学んだのだけど(だから宣言したことをやり遂げないと気持ちわるい感じになったり、集め始めたものをコンプリートせねばという気持ちになる)、それって時々自分に呪いをかけちゃう。過去に頑なに縛られていた朝美が、苦しみながらも自分の心を開いて、伊吹くんとかカンナに向き合っていくところ、特に刺さった…。

あと、好きという気持ちのグラデーションについても、この漫画で学んだかも。好き好き大好き超愛してる、だけがカップルの在り方でない、と(亜衣と真山の話のところで)。

あとあと、古屋くんが「友達に嫌なところあったらいけないの?」(というようなことを)言い放つところも、ずーーっと残ってる。私は誰かに地雷を踏まれるとその人との縁をばっさり切りたくなっちゃうんだけど(そしてそれは自分を守るために必要なことだとも思っているけれども)、よく思い出す。

パラダイス・キス

これもたぶん中学生くらいのときに読んだ。

この漫画さあ!!いつ読み返してもすごいよね!?
当時はおしゃれ漫画が読みたいーと思って読んでたけど、ビジュアルだけじゃなくて(ビジュアルも好きすぎるのだが)中身がすごいんだよね…。登場人物の深みが…完璧じゃない人をこんなに完璧に描ききることできるの!?って感じなのよ…。

昔の私にとって、好きな人とカップルになることってただ甘くてふわふわなだけのシフォンケーキみたいなものだったんだけど、恋愛ってほんとは自分とか相手の価値観の核の部分を暴いちゃったりする爆弾でもあるよね。それ、実はこの漫画に教わってたなー。今考えてみれば。

ヒーローのジョージは、一見、恋愛慣れしていて余裕があって、大人っぽい人…なんだけど、実は歪んだ愛し方しかできない人。紫のダメなところを的確に指摘するんだけど、紫もジョージの完璧じゃないところをわかってるの。この関係は続けられないな、って紫が確信するシーンがあるんだよ。高校生でそんなことある!?!?うおーーー思い出すだけで泣いてしまいそうなんですが!?!?そしてこの漫画は、ジョージと紫、それぞれの家族関係のいびつさもばっちり描いているんですよね…年齢と成熟度は比例するわけじゃないって教わったんですよね…うわああああ。すごくない???ちょっと私、落ち着いて!?実和子と嵐も、それぞれの強さと弱さががっつり描かれていてですね…生きてるんだよ…みんな…すごくない…?(落ち着いて)

あとね、イザベラの存在にもすごい影響を受けた。人の生きやすさってやっぱり周りの環境がつくるよね。イザベラとアトリエのみんなの関係は最高。

物語の最終回が大成功なことってめったにないと思うけど、この漫画の最終回、私はほんとーーーーに大好きです。ビバ…。


~往生際の悪いあとがき~
ちなみに、最近読んだ漫画で5冊を選ぶのであれば、接戦でしたがたぶん以下となります。ご査収ください。
・左ききのエレン(原作版)
・違国日記
・1122
・青のフラッグ
・逃げるは恥だが役に立つ



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